小田急電鉄  9000形[4両編成]
 
  小田急顔といえば4000形のような顔を指すそうですが、この車両はその伝統のデザインを打破、新しい小田急のイメージを打ち出した車両といえるでしょう。9000形です。
地下鉄千代田線直通用として1972年より製造が始まり、6+4両の組み合わせで90両が製作されました。後に地下鉄直通が1000形に譲られると6両と4両にばらされ、地上車としてモノレール以外の全路線に活躍の場を広げます。また、地上車になるのとほぼ同時期に更新工事が行われ、6両編成は赤系のモケット、白色の化粧板に変更されます。このページでは4両、或いは晩年の中間運転台を撤去し、8両編成として活躍した車両の車内をご紹介します。
それにしても…この画像の組み合わせは一体…しかも唐木田…
(撮影・取材 小田急小田原線/多摩線 新宿〜唐木田)

 

 

 


車内全景をまずはご覧下さい。4ドア・ロングシートの車内は千代田線に乗り入れていたJR(旧国鉄)、営団地下鉄(現東京メトロ)と同じ構成です。でも、車体の左右端を見ると裾絞りがしてあり少々内側にカーブしていますがこれは小田急だけの仕様です。これが無いとなんだか物足りないですよね〜と思いつつ、でも他の小田急の車両よりも車体幅が短いそうで、通常2.9mの所2.86mしかないとか。これも千代田線乗り入れのせいだそうです。なんでもかんでも千代田線です(^^;;相互乗り入れである以上仕方が無いですね。
尚、黄色の吊革は優先席の携帯電話OFFを促すためのアイテムです。


乗務員室との仕切りになります。いやぁ〜随分と閉鎖的な、いかにも地下鉄っぽい仕切りに吊り広告もずれてます(^^;
仕切り窓は機器類のために一切無し。で、代わりに設けられたのが広告枠。しかしこの区画の広告枠は9000形しかないため、広告営業としてはあまり使えず、色褪せた箱根の広告がずーっと入りっぱなしです。
吊革は前までしっかり伸びていて、クールな車内でもしっかり通勤客のサポートに徹しています。

ところで、仕切り扉の窓、随分暗くないですか?これにはちょっとした「訳」があるのです。

先ほど外観の部分でもご紹介しましたが、4両編成のうち何本かは晩年4+4の8両編成として取り扱われ、中間車同士になる先頭車の運転台の撤去を受けたのですが、ここが運転台ではないということを判別できるように、或いはまたあまり見られたくないから?着色ガラスが使われているのです。では撤去されていない部分はどうなのか、それはまた後ほど・・・

ちなみに撤去されたライトは5000形に再利用しています。素晴らしきリサイクル魂。


さて先ほどの逆サイド、車端部をどうぞ。いやぁ〜幅広いですね〜。
外観は洗練されど、この辺りの設計は5000形などと同じ思想で、幅広の貫通路に両端の固定窓という構成になっています。
青いカーテンもそうですが、妻窓は薄い青で着色されていてクールな雰囲気に磨きをかけています。
ペンギンが出てきて「概況」なんて文字が延々映し出されるサンスター提供天気予報を想像させるのは自分だけ?(^^;;;


天井を見上げています。フラットな天井で吹き出し口は細長く、蛍光灯の隣にあります。
そしてファンデリアが所々にあり、中央部にでかでかとしたカバーが目印になります。
見た感じはかなり機能的。かつ直線的。うまく作られています。


床です。緑、それも中途半端な青緑です。画像はなんだか微妙な色をしていますが、ホンモノはこれよりも若干青がかっていると思います。化粧板やモケットとの色和えはなかなかなもの。小田急らしさが純粋に感じられます。


ドアです。銀色に黒のHゴムで、ドア窓は側窓よりも若干小さい程度。ドア窓そのものは透明ですが、戸袋窓は薄く青いガラスが使われています。ドア脇の握り棒の長さは必要最低限。思ったよりも短いです。この何の変哲の無いドアですが、結構軽快な音で開け閉めするんです。ちょっとドア自体は重々しい感じはしますが、目を閉じて耳を澄ませば…… うーん、「プシュー」の方は良いとして、その後の「ガラガラガラ」は重々しいっ(><)


窓は1段下降窓。そしてそれを覆うカーテンはロールながら青色のもので一寸洒落てます。1段下降窓は小田急では初の採用だったようですが、まさか外板の痛みがここからきているなんてことはないでしょうか…?
マナーステッカーは戸袋窓と側窓の間に縦長のものがあります。貼り位置としては京王と同一です。


さて座席に参ります。紺、紺、紺!見事な紺一色で、薄緑の化粧板にはかなりマッチしています。
ただ、紺!紺!紺!だらけの4両編成でも、一編成、4両だけ例外がいます。それはまたいずれ…
7人掛けの長いシートです。3+4など途中で分かれていないのは、座面の裏側に梯子が設けられているからで、座面において緊急時にも担架やベッド以外の使い道を考慮しているのは地下鉄と言う特殊性があったのでしょう。しかし、どうせ設置したのであれば少しくらいは車内でアピールすればいいのに・・・。


クローズアップ袖仕切り(^^;;; ものの見事なパイプ構成。しかしながら真ん中から上は外側に折れて設置されていて、肩や腕がぶつかって窮屈にならないよう配慮してあります。でも、この形は立ち客との干渉を阻止したい!という狙いが最優先されていると思わずにはいられません・・・。
この袖仕切りは私鉄では西武2000形や都営、営団でも見られました。なかなか人気だったんですね。


車端部にももちろん座席があります。一応4人掛けが想定の長さのようですが・・・4人で座るとかなり窮屈です。空いている時は3人掛けっぽく使いたくなってしまいます。
こちらもモケットは紺一色。座り心地は座面の高さはほどよく、奥行きもそこそこあるのですが…何分座面のバネが強いのでしょうか、反発力をかなり感じました。見た目ではそんなに現れていないのですが、バケットシートのようなドッシリ感が不足している分、ちょっと落ち着かなかったですね。


そして優先席のうち、元からシルバーシートだった部分など一部の座席にはこのようなモケットも使われていました。
ちょっと薄めの青に背もたれのアイボリーグラデーション。着席区分などは全く考慮されていないデザインでしたが、飽きさせないデザインだったのではないかと思っています。
9000形もそうですが、小田急は伝統的に?車端部の処理に一癖ありますね。少しゆったりしている、3人掛け+両端に肘掛(っぽい仕込み)というJRスタイルがいいか、ゆとりを犠牲にして無理矢理4人掛けにしてしまうか、賛否両論ありそうですが、9000形の4両に関しては貫通扉が無いのだから、壁に埋め込む形で肘掛作れたのになぁ… 今更嘆いても仕方ないっすよね(^^;; 2005年度中に引退との事、お疲れ様でした。
 
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