JR東日本  103系[武蔵野線・高運転台車]
 
  自分は103系といえばこの顔ですが、皆さんはいかがでしょうか・・・。武蔵野線のオレンジ×高運転台の組み合わせは青梅線との共通運用が始まった辺りからちらほらと広まり始めていき、8両編成化が完了した頃には低運転台の車輌よりも両数が上回る結果になり、実質「武蔵野線の表の顔」となりました。ただ、高運転台一つとってもバリエーション豊富なのが103系。今回はその中から比較的原型を保っていたであろう車内を取材しました。
・・・かつて、時々「速さ」に飢えると武蔵野線までトコトコやってきて、爆走する103系のお供になった事は数知れず。地元青梅線ではまず見られない本気走りに何度感動したことやら…。しかし、近々その音をも思い出になってしまいます。最後の最後まで、お疲れ様。
(撮影・取材 JR武蔵野線/新秋津〜東所沢)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシートの典型的な通勤電車の車内であると同時に、車体から感じる「重み」が車内にもひしひしと伝わってきます。
ちなみに、後述しますがこの車内、鉄道評論家を名乗る方々にはあまり評判がよろしくないのですが、高運転台に囲まれて育った(なんて書くと「だからヘンな方向に育ったのか・・・」と妙に納得されそうですが)自分としてはこの構成の車内が「103系のスタンダード」だと思っています。皆さんのお気に入りの103系車内構成はどのような感じでしょうか・・・?


車端部の様子です。画像左は先頭車で撮影したもので、優先席モケットが左右共に備わっています。
そして画像右が中間車の車端部で、こちらも優先席付近を撮影しました。どちらも出庫直後の運用だったのでウグイス色の貫通扉が開きっぱなしですが、隣の車輌の色づかいによって、その車輌そのものの印象が結構変わってくるものだなぁ〜と痛感した次第。武蔵野線にはこのように更新車と混ざって編成を組んでいた103系が多数いました。

妻窓、戸袋窓も完全装備。この妻窓付近一帯の席は「アタリ席」で、私も含めたリピーターが数多くいますが、その中でも103系は結構居心地良かったのではないでしょうか。ただ、冬になると隙間風が気になって・・・(^^;;


一方乗務員室との仕切りです。なんなんだこの壁は〜さてはクロマキーでしょうか(^^; なんてヌリカベの中の人も驚くかもしれないくらい、一面緑の壁、壁、壁。103系唯一の閉鎖的空間です。
この壁、よーく見ると鍵穴が設けられています。当時の設計陣のコメントでは「機器収納室」と称されていたので、中を開けると保安関係を初めとした機械がバリバリ稼動中なのでしょう。鳩時計じゃなくてよかった(^^;
ただ、鉄道に少しでも詳しい方は、大抵このような「壁」にした理由の一つに「乗客に乗務員の態度を見られたくないから」と言って、批判のタネにしていたのもまた事実です。
自分は103系といえばこの壁で、前面かぶりつきは無理なんだ〜と早くから悟っていたので、青梅線の103系といえばこの仕切り!!ということで、今でもあの頃の戯言をぽろぽろ思い出してしまいます。201系とは違った、無骨な感じがまたいいじゃないですか、なんて言う自分もすっかり歳になりました。


天井です。フラットな天井ではなく、冷房関係のダクト、そして画像では中央にどかんと居座る扇風機が車内に出っ張っていて、頼りない冷房をしっかり扇風機でカバーするという、これは良い業務提携の見本市といった様相になっています。
このJR東日本印の扇風機がノスタルジーかつヘルシーで、夏から秋にかけての夕焼け、気だるい暑さが残る時間帯にはよく103系に照準を合わせてこの扇風機の恩恵に授かったものです・・・。ちなみに近郊型電車の扇風機のように、乗客がオンオフを切り替える事はできません。


床は登場時から灰色。清潔さを保つというよりも、汚れが目立たない色です。
モケットのくたびれ具合と丁度マッチしています。


ドア周りの様子はいつもとは違い、外からのショットになります。
ドア自体はステンレス無地のもので、だいぶ重たさを感じます。鴨居部はちょっと白とびしてしまって見にくいのですが、鶯色で整えられています。
ドア周りで注目したいのはゴムの色。戸袋窓とドアでその色が違います。何やら黒いゴムの方が傷みにくいということで、JR化後一気に広まったのですが、なぜか戸袋窓の灰色のゴムは取り替えず、そのまま・・・。まだまだイケる!と思ったのでしょうか。
・・・そうです、こういう些細な部分でJR東日本の103系バリエーションは格段に増えていっているのです・・・(^^;;;


網棚は昔ながらの金網、そして窓ガラスは下窓が固定された姿になっています。
鶴見線や仙石線の103系では「窓から手を出さないとです!」なんて名目で固定されていたのですが、武蔵野線の場合は高速時で走る時のバタツキ防止が目的だったようです。2001年ごろから施工されています。
前は下段も開けられたので、ご丁寧にも開閉不可!を示すステッカーがついているのも武蔵野線103系の特徴の一つです。

・・・そうなんです、ここの103系はJR東日本でも有数の「カッ飛ばす103」が堪能できたんです。もう喋るのについ大声になってしまうくらいの爆音でした。嗚呼過去帳入りしてしまうのがもったいないです・・・


座席は青モケットになります。ドア〜ドア間の7人掛けの他に車端部の3人掛けもあります。
他の103系や301系、201系のページあたりでもこのモケットをご紹介したのですが、ここの103系も青みに極端なバラツキが・・・(^^; 画像では一目瞭然ですね(^^;;;
バネが程よく効いた、ちょっぴり床面から座面の高さを感じるこの座席は、へたっていなければそこそこ満足できる座席でした。座面の奥行きの無さも若干感じましたが、通勤電車だから〜と割り切ってしまえばどうってことは無い・・・はずです。


そして優先席は車端部の3人掛けに。クールな緑の化粧板に突如現れた真紅のモケットに、思わず目がパチクリしてしまいます。これほど目の覚めるモケットは無いかも・・・ですが、優先席としての存在感は大したものです。

袖仕切りはパイプ形状の簡単なもの。戸袋窓のすぐ下からにょきっと伸びており、肘掛けには最適な逸品です。
 
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