由利高原鉄道  YR−1500形
 
  由利高原鉄道開業時からの車両で、新潟鐵工の軽快気動車の歴史が実はここから始まりました。当初は非冷房でYR-1000形でしたが、その後冷房改造時に改番しました。
改番しても愛称は「おばこ号」で、整理券表示器で流れる行先案内も○○行き「おばこ号」ですと表示されたり、ヘッドマークをつけるなど「おばこ号」推しです。登場時はもう少しシャープな塗装でしたが、2011年9月に取材した時はほのぼのとしたツートンカラーの1502が迎えてくれました。それでも4灯のヘッドライトは頼もしい感じです。
後継車はYR-3000形で、「おばこ号」の愛称も引き継がれている一方で、この形式で使われていたクロスシートの一部が無人駅の待合室に設置されている様子をチラッと見た記憶があります。あの座席は今…?!
(取材・撮影 由利高原鉄道鳥海山ろく線・羽後本荘〜矢島)

 

 

 


車内全景です。2ドアセミクロスシートで15.4mの車体長です。
登場時は蘇芳色が鮮やかな車内でしたが、晩年は灰色のモケットでシックな装い。それでも天井の2本の線は登場時からそのまま。天井から床に視線を移していくにつれだんだん色のトーンが落ち着いていく珍しい(^^;;車内です。
いわゆる軽快気動車草創期の車両の車内という視点でキョロキョロしたのですが、手すりがちょっとクラシックな点くらいで、後はそんなに気になる点はありませんでした。この雰囲気、すっかり3セクを中心に定着した感じです。

 
車端部です。左の画像が矢島方、右の排気管が写っている画像が羽後本荘方です。どちらも半室構造の乗務員室で、乗務員室の隣には扉が展開しています。車椅子スペースは備わっていません。
乗務員室との仕切りがしっかり区切られているイメージがありますが、この車両に関しては製造時からこのようなしっかりした仕切りで、丸みがついた固定窓も当初のスタイルそのままでした。
整理券発行機は中央に1か所、運賃箱はクルッと回せるような機構にはなっていますが、あまり回した跡が残っていないようでした。運用中も乗務員の手元に見える位置に運賃箱を設置しているような感じです。


天井です。冷房改造時に色々と手を加えた格好で、2列あった蛍光灯を中央1列にして、配置も左右交互だったものをそこそこの間隔…に改めています(^^;; 故にオレンジのラインも張り替えたと思われます。
取材時は午前の通学輸送が一段落着いた頃の取材だったのですが、夜はどのような明るさだったかが気になります。
左右端に設置された冷房はダクトの部分がカクカクした感じですが、圧迫感はあまりありませんでした。


床も模様付きのもので、製造当初から一新されています。ディーゼルカーにして点検蓋が無いところに新時代の息吹を感じますが…という台詞を思い浮かべたのですが、後々「え、そこ?!」と一人ツッコミしたのは内緒です。

 
ドア周りです。ステップが設置されていますがあまり目立っていない印象だったのがちょっと残念でした。ドアそのものは白く塗られていて周りと合わせたような色を採用したものの、鴨居部分の大きさがドアであることをより強調している印象でした。
面白いのが右の画像のドアと乗務員室の仕切り窓との間、ちょっとわかりにくいですが仕切りに切り欠きがされています。この切り欠きから手を出すと乗務員室にある乗務員用ドアスイッチでドアの開閉ができるという仕掛けです。
これ、他ではあまり見ない気がしますが…由利高原鉄道側のオーダーだったのでしょうか?

 
半自動ドアのスイッチです。色々とフォローの努力が見え隠れしています(^^;;
車外側、車内側ともにベストセラーの形状のものですが、室内側は台座を履かせているようで、他の車両よりも少し車内側に飛び出しています。手すりとの干渉を避ける格好ですが、3方から案内に囲まれているあたり、まだアピールが足りなかったようです。


窓周りです。2段窓で下段が開くようになっています。荷棚や帽子掛けが備わっている他、窓の下には灰皿の跡(!)もありました。さすがにテーブルはありませんでしたが、終点矢島は酒蔵の街…いぶりがっこをおつまみに一杯なんて…あ、後継のYR3000形ではテーブルがつきました。

 
ロングシートです。長めのロングシートは4人掛け、短めのロングシートは2人掛けですが、特段着席区分はされていませんでした。灰色のモケットがモサッとしたスタイルで、袖仕切りの形状が質素な感じでした。
クロスシートはそれなりに格好良いスタイルだったので、この差は一体…というビジュアルでした。座り心地もいわゆるバネの柔らかさが目立つものですが、乗車時はさほど揺れも気にならず、結構まったり楽しめた印象でした。
平日の朝ラッシュは学生の乗車が目立つのですが、定員通り座るとクロスシートとの接合部分がちょっと狭く感じるのでは?と思ったくらいです。


そして固定窓がポイントの排気管隣のロングシートは3人掛けで、消火器とも挟まれています。座席下が抜けていて配管がやたら目立つ格好ですが、冬場の寒さはどうだったのでしょうか。


クロスシートはドア〜ドア間で4人1組の固定クロスシートが左右5組ずつ、1組ずつ互い違いになるように設置されていました。モケットは貼り替えられたようですが、灰皿が設置されていた跡はきちっとわかるようになっていました(^^;;


クロスシートです。側窓下の配管が気になるものの背もたれの形状が2人掛けであることを暗示しているようです。一方座面には着席区分がないように見えて…画像ではわかるかどうか微妙な凹凸が一応ついています(^^;; 座っていてそこまで明確に区分があるようには感じませんでした。
緑色のヘッドレストカバーに違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。由利高原鉄道ではこのヘッドレストカバーの広告枠が収入源の一つだったようですが、取材時期は「がんばろう東北」の力強い明朝体が躍っている席もそれなりにありました。その端の手掛け…半月状の素敵な形です。

腰あたりの立った感じがかえって窮屈な感じがしましたが、40分の乗車時間には十分な寛ぎを提供してくれました。
 
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