ゆりかもめ  7000系[1次車]
 
  1994年に登場し、1995年に営業を始めたゆりかもめ。その初期の車両が7000系です。このコンテンツでは全席固定クロスシートだった1次車の模様をお届けしますが、シンプルな前面とプラグドアの美しい側面に早くも懐かしさを感じます。自宅から近い新交通システムを見ながら「なんでこんなに早く引退したんだろう…」と思うこともしばしば。
小学生の時に開通したゆりかもめは215系とともに「未来の乗り物」のように映った思い出があります。レインボーブリッジや臨海副都心のブームは世界都市博を抜きにしても大いに盛り上がり、初のゆりかもめ乗車も混雑した車内から、眺望が今一つのレインボーブリッジよりもフジテレビ、フジテレビよりもその近くで流れていたドリカムの方が印象に残っています。
あなたにとって、子供の頃の「未来の乗り物」は何でしたか…?
(取材・撮影 ゆりかもめ・新橋〜有明)

 

 

 


クロスシートの車内ですが、新交通システムでは初めての2ドア車ということで、乗り降りのスムーズさも求めていたのでしょう。吊革は座席部分に備えていて、ドア周りは握り棒のみで、高さも調整されています。それだけ小さい断面だったことが伺えます。ゴムタイヤの新交通システムということもあり、クロスシート採用の理由は眺望以外にも定員の面からもありそうですが、そのあたりの真相はそのうち確かめてみたいものです。それでも1枚窓の側窓から見る臨海副都心の景色はなかなか良かったです。空き地だらけで(^^;;;


2006年に撮影した先頭車の車内全景です。クロスシートの背面の手すりが着色されている点が小さな変化ですが、この2006年取材の時点でこの部分の手すりの塗装が若干はげかけていました…(^^;;; お洒落が台無しのような感じもしますが、新交通システムでは数少ない黒字路線の証でもありました。


先頭部分は1+2列の固定クロスシートで、無人運転時は前面展望が愉しめるようになっています。7300系や7500系を見ると窓の下のごちゃごちゃ具合が気になるところですが、登場時はそんなことを気にすることもなく前面展望に没頭していたわけですが、前面窓の右側に「終点での引き続いての乗車ができない」旨の表示があったこともありました。7300系、7500系と代替わりしてもこのスペースの人気は相変わらず。そうそう、天井下の照明も同じように設置されています。


車端部です。先頭車を含む各車両1か所はこのように両側ともクロスシートの配置になっています。妻面のピンクの器具箱がお洒落でちょっと気になる存在ですが、座っている人が頭をぶつけるようなことはありませんでした。それよりも天井が低いことに加えて照明が無い分少し暗いスペースになってしまっていた方が気になる…という方もいらっしゃるかもしれません。新交通システムならではの車端部空調の構成を採用した結果ですが、ラッシュ時に冷房がちゃんと効いていたかは気になります。7300系、7500系と代替わりしてその点をホッとしている方もおられることでしょう。

 
機器スペースがある車端部は両方向先頭車の次の車両、車椅子スペースがある車端部は6両編成のうち真ん中の2両です。機器箱の大きさによって吊革の設置の有無などの差がありますが、左の画像の機器スペースは窓がなく、大きく編成番号が書かれた外観が印象的でした。その編成番号をバックに記念撮影をしようとするとホームドアに遮られたのも良い思い出です。
 
機器スペースと車椅子スペースを並べてみました。機器スペースは全面を覆う物ではなく、天井付近が空いています。この手のスペースは天井にたまったホコリが気になるところです(^^; 車椅子スペースは折り畳み座席を2人分設けています。私は跳ね上げた状態で運転しているところをよく見かけましたが、セルフサービスで座席の展開方法が記載されていました。
跳ね上げた状態でも握り棒や非常通報機、消火器がスタンバイ。割とホームの端の方にエレベーターが多い印象があったので、編成のど真ん中の車両に車椅子スペースがあったのは新規開業路線の中で「あれ?」と思ってしまいました…。
最新の7500系も先頭車に車椅子スペースがありません。

 
天井とLED案内表示器の様子です。なかなか空間の制約が大きい中で、このLED表示器の小ささには驚きました。1段表示でも良いくらいだったのですが、2段表示になる場面をよく見かけました。
天井はカバーつきの照明で段差をつけている格好で、通路になる部分の天井高を少しでも稼ごうとする思いを感じる設計です。シンプルな構成ながら広告付近の丸みが断面の丸みとうまい具合にシンクロしていて、丸みがある、親しみやすいボディに魅せているポイントになっていると思います。


以外にも床はツートンカラーです。ドア付近だとより良くわかるのですが、グレー系で濃淡をつけています。クロスシートの車内なので自ずと通路のポジションがわかるものですが、これもお洒落の一つだったのでしょうか。だとしたら…鈍いなぁ、俺。


片開きのプラグドアです。鴨居部分の出っ張りがあまり強調されていないのがポイントだと思う一方、窓の右下にもちょっとした出っ張りがあり、晩年はゆびづめ注意を示すようなステッカーが貼られていました。ドアの隙間に指を入れないで!のステッカーも含めて5枚掲出されているのは若干気にしすぎのような感じもしますが、独特の動き故についうっかり…がありそうな感じもします。
化粧板が貼られた大きな窓のドア、なかなか爽快でした。


側窓です。固定窓で1枚、見事な額縁です。尤も観光客はこの窓に歓喜の声を上げるわけですが、通勤で使う方にはカーテンが無いところにイライラしていた可能性もあります。

 
座席です。ちょっと青みがかったグレーのモケットとフレームの要所要所に登場する赤紫色のパーツの色遣いはいつ見てもお見事!です。逆に小ぶりなクロスシートはひじ掛けが省かれていますが、とにかく足元が狭かった記憶があります。これではクロスシートはなかなか定員通り座るのが難しいのでは…と思ったこともしばしば。背もたれと座面の間に微妙な隙間を設けていますが、切り立った背もたれに変わりはなく、座り心地に寄与するような隙間ではありませんでした…。


車端部は若干貫通路にはみ出る格好で、やはり4人1組の固定クロスシートでした。
座面はバケット形状ですが、バケット感は見た目よりも目立ちませんでした。短距離の乗車故に少し底つき感があった座席もまずまず、我慢の範囲内かなぁ…と思った記憶があります。バケット形状は7300系でより強調されることになります。
蹴込み板の位置が座面に対して出っ張り引っ込みが異なりますが、乗車時はそこまでは気になりませんでした。また、座面の奥行きの差はありません。


車椅子スペースの座席を展開してみました。首都圏で折り畳み座席を車椅子スペースに導入するケースはあの当時でさえもなかなか珍しかったと思います。折り畳み席で思い浮かぶであろう小田急や多摩都市モノレールはこの形式の後…ということになります。
心なしか座面のポジションが高めのセッティングだったこの折り畳み席、座面に僅かに着席区分の縫い付けが見られるくらいで、個性的な形状のクロスシートと比べるとこんにゃくのような出で立ち…(^^;;;
そこそこ混雑していても、消火器の手前のスペースにはなかなか立客の方も入りにくいことから、この小さい車内でそれなりに寛げるスペースだった可能性もあります。ただ、座席がなかなか…折り畳みなので無理は要求しません。

 
最後に、先頭部分の座席周りです。左の画像は運転台部分、右の画像は非常時の梯子が足元に備わっている、若干メカニックな香りが漂う座席です。
こちらもひじ掛けは無いですが足元狭め、座面下の蹴込み板も座席ギリギリ一杯の位置でほぼ垂直の座面と背もたれ…乗務員さん優先のセッティングであることだけは間違いありません。

開業時のフィーバーを考えれば、ゆりかもめの世代交代に驚く方もおられるかもしれません。
そして…開業時に見ていた未来は、目の前に広がっていますか?
そう、事件は会議室で起こっているわけではない、現場で起こっているのです。
 
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