湯ノ口温泉(元紀州鉱山)  トロッコ列車
 
  三重県の紀勢本線阿田和駅からバスで約1時間。かつて紀州鉱山が展開していた地に温泉アクセス用のトロッコ列車が走っています。
客車の形式については内外に記されていない、紀州鉱山トロッコとして走っていた頃の様子を彷彿とさせる客車が5両連なって、バッテリーで動く機関車に牽かれて瀞流荘と湯ノ口温泉の間を行ったり来たり…という長閑な路線です。…すみません、「長閑」が指し示すものは始発と終点の風景で、道中はほぼ複線のトンネル、窓ガラスのガタガタと反響するレールの継ぎ目の音にドキドキワナワナが止まらない最高の乗車体験となりました。このアプローチを経て入るキレイな温泉も最高で、機会があったらまた訪問したいものです。そそ、湯ノ口温泉駅に着いた後の機回し作業も必見です。
(取材・撮影 湯ノ口温泉)

 

 

 

 
客車ですが、2種類に大別されます。左の画像と右の画像の外観上の違いはドアの意匠、屋根の丸み、妻面の筋交いの有無でしょうか。運行が始まったのが1987年のことで、その時に新造された車両とその後追加で新造された車両の2種類、さらに建材用アルミ両開き戸を活用したカラフルな客車が2両いるようです。今回はちょっと天井が低い左の画像の客車、ちょっと天井が高い右の客車の車内を比べながら説明していきます。どちらの客車も木造かつ可愛い2軸車で610mmの軌間…これだけでもうテンションが上がります。

 
車内全景です。進行方向左前側と右後ろ側に片開き扉がついています。車内の違いは座席配置から壁・天井のつくりと多岐にわたっています。それでもいざ乗ると乗り心地のワイルドな感じはどちらの車両でも満喫することができます。
難儀するのは乗り降りで、これは天井が低いので仕方が無い部分でもあります。きっとぶつける人が多いのでドアの上には緩衝材を巻いています。意外と忘れがちなのが照明の低さで、降りる時にしっかりかがまないとぶつけそうになります(^^;
紀州鉱山トロッコは窓ガラスが入っていない車両が行き来していたそうですが、安心してください、入っています。

 
天井は外から見た感じ同様中の作りも少し違います。真ん中にカバーつきの白熱灯がスタンバイしているのが共通項で、それ以外の電装品が一切見当たりません。右の画像に至っては配線までしっかり見えます。
内張りの方法も丸みも異なります。右の画像の車両の方が質素に見えますが、丸みが自然です。

 
床です。こちらはパッと見た感じあまり差が感じられません。くたびれ方が良い感じの木の床です。車体の大きさの割に座席の奥行きをしっかり確保していることから、足元はあまり広くはありません。そう、靴を介して木の触り心地を…なんて優雅に堪能する余裕はほぼありません。

 
片開き扉も周りの意匠に合わせて塗料を塗っていたりいなかったり、窓の大きさも大きかったり小さかったり…とバリエーションがあります。ただ、基本はガタガタ言いながら開け閉めする完全手動のドアです。鉄道車両というよりも昔の学校とか、昔の住居で体験したような重たいドアの開け閉めがまさかここで体験できるとは…といった感じです。
戸袋部分まで座席が迫っているので、開け閉めの際には巻き込まれないよう注意が必要です。また、左の画像のとおり妻面に座席を配置している車両はドアから客室へのアプローチが狭くなっています。

 
窓周りです。こちらも手動で開け閉めができます。木の枠の窓でトンネルで反響する「ガタガタ・・・」が示すように大変自己主張が激しい窓です(^^;; こちらも背もたれによりかかると窓枠に頭をゴツンとやってしまいます。

 
座席です。こちらも塗装がされていたりいなかったりしますが、基本的にはベンチです(^^;; ただ、座面に窪みを作っているのはなかなか良い仕事をしていると思います。これに座布団を敷いているのは嬉しい配慮です。床から座面までの高さが低くなっていることもあり、どうしても足元のおさまりが良くないですが…これも10分だと割り切ってしまって構わない部分だと思います。
座り心地云々というよりも二軸台車から伝わる乗り心地が最高にファンキーです。

 
内壁が白い車両については進行方向の向きに座れる座席もスタンバイしています。四方それぞれ座席を設置した格好で、10分の乗車時間とはいえちょっと心配な方はこの座席に座ると進み方と視線がバッチリ合うので和らぐのではないかと思います。
右の画像では入口から座席の凹み具合を撮影しました。ね、いい仕事してるでしょ?!


トンネルの中に入ると照明がついて飴色に包まれます。
この飴色が良い感じです。懐かしいというわけではなく、未知のアトラクションとして実に良い雰囲気なのです。
ここ以外ではなかなか味わえない雰囲気だと思います。紀南方面にお出かけの際にはぜひ。

…あ、忘れないうちに繰り返し言います。この車内に揺られて行く先は温泉です。過去でも未来でもありません(^^;;
 
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