沖縄都市モノレール1000形 [増備車]
 
  沖縄都市モノレールは開業後利用客を順調に伸ばし、平成22年には第13編成を増備しました。続いて平成28年から29年にかけて6編成の増備がありましたが、今回はその増備車の車内を取り上げます。
外観画像は水族館のラッピング車両で、前面脇のモミアゲが目立ってしまっている格好ですが(^^;; なんとも賑やかなラッピングとは裏腹に、小さくなった側窓に「ゆいレールは窓が大きくてナンボ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ラッピングの無い車両はこれまでの編成と同じ塗装になっているだけに、駅で待っている分にはあまり差を感じなかった私は思った以上に鈍感なのかもしれません…。
現在は他の車両に混じって活躍していますが、そういえば…3両編成になるという話はその後どうなったのでしょうか?モノレールで中間車を増備するケースはなかなかないので、楽しみにしているのですが…
(取材・撮影 沖縄都市モノレール線・てだこ浦西)

 

 

 


編成中央部から乗務員室に向けて撮影した全景画像です。乗務員室の背後以外はロングシートで、2ドアの車内です。
基本的にはこれまでの編成とそんなに味付けは変わっていませんが…これまでのゆいレールの車内とは違う、どことなく漂う「フツー」の空気…袖仕切りや座席が他のモノレールで見られるような意匠に切り替え、窓はそれに合わせるような格好で小さくなりました。
「フツー」の空気が漂う車内になったのはこれまでの独特さが増備の足を引っ張る格好になったからか、はたまた通路幅等の混雑対策に本気になって取り組んだからかは想像の域を越えませんが、少なくても安堵の表情で乗り込むのは…他のモノレールに乗り慣れている旅行客、かもしれません。

 
車端部です。両側ロングシートの車端部はてだこ浦西方の車両、右の画像の車椅子スペースは那覇空港方の車両になり、貫通扉が備わっています。少しクリーム色が明るくなったような印象ですが、貫通扉や消火器ケースのデザインは前の編成を踏襲しています。吊革の模様が若干異なるように見えるのは広告の有無になり、車両としての差ではありません。
以前は袖仕切りがパイプ形状だったこともあり、上品な赤モケットに独特な形状の座席が遠くからも良く見えていました。この増備車では大型袖仕切り板に阻まれていますが…立客との分離で過ごしやすくなったのでは、と思います。


車椅子スペースです。この部分に関してはこれまでの編成とあまり差がありません。強いて言えば横方向の手すりが若干上向きになって握りやすくなったくらいでしょうか。非常通報機、車椅子の固定器具については窓の下、同じような位置にスタンバイしています。公式サイトの車椅子スペースの画像では車椅子マークの下のSOSボタンの所在を示すステッカーが貼られていませんでしたが、このとおりしっかりフォローしています。


乗務員室との仕切りです。ここもクリーム色がこれまでの編成よりも若干明るくなりましたが、何よりの朗報が13編成では座席を全て撤去し、立席スペースと荷物棚に充てたこのスペースに座席が帰ってきた(!)という点です。しかもこれまでの座席よりもガッチリ、ムチムチしたスタイルで(^^;; 確かに空港直行の使命感で荷棚を増設した気持ちもわかりますが、「高い所を走るモノレールは前面展望が何よりの魅力である」ということを再認識されたのでしょうか。前面展望とのトレードで側窓が無いのはこれまでの編成と全く同じです。仕切り窓は連続窓のように見えますが、間隔が狭まっているだけで個別の窓になります。
なお、座席部分は20cmかさ上げされていることから、着座時などは足元に要注意です。


天井です。第13編成で天井に直付けされた吊革はこの増備車でも採用されました。沖縄の地でこの手のつり革が活躍するとは思ってもいませんでした(^^;; 通路が若干広くなったようですが、吊革の位置はこれまでと大差はありません。むしろ車端部の手掛けが低い位置にあった吊革の設置方法が改まり、この編成からその部分の吊革のベルトを長くしました。従って、支持棒の高さは基本的に一定です。
ところどころファンデリアが備わり、蛍光灯は少し凹んだ部分に備わっています。


床です。こちらは沖縄都市モノレールではすっかりお馴染みになったグレーのツートンです。
袖仕切りが大型の物になって、より一層イヌの印象が滲み出てしまったのはここだけの話です。

 
ドア周りです。相変わらず縦長のドア窓はちょっとお洒落に見えてしまいます(^^;;が、側窓に合わせて高さを抑えています。また、窓ガラスの支持方法を変更しているせいか、これまでよりも四隅に丸みを帯びるようになりました。この増備車もドア自体の色は明るい灰色です。左右の画像の違いは鴨居部の案内表示機の有無で、千鳥配置になります。
この増備車で沖縄都市モノレール初!…独立したドア脇の手すりが設けられました(^^;; 安全に直結する装備は誰にでもわかりやすく、使いやすくすることが何よりも大事だと思います。

 
路線図と液晶の案内表示器です。後者はこの増備車で初お目見えしましたが、現在は全ての編成に波及しています。こちらが千鳥配置で設置されています。また、全てのドアの鴨居部で開閉時に光で知らせる予告灯が備わっていますが、こちらは既存の車両への取り付けは特にありません。
案内表示器は次駅案内や所要時間、路線図などを次々と表示していきます。欲を言えば、せっかくのモノレール、観光案内なんかも挟んでもらうとより愉しい移動になります。

 
ここからは座席エリアレポート。ロングシートは2種類です。ドア〜ドア間の10人掛けと車端部の3人掛けです。車端部は赤いモケットの優先席、ドア〜ドア間も含めて模様が散りばめられているのが特徴です。
ドア周りの空間を確保した関係などもあり、ドア〜ドア間の座席はこれまでの12人掛けから10人掛けに変更になっています。しかしながら、いかがでしょうか…ちゃんとした背もたれが備わっているロングシートは…(殴
スタンションポールは3人・4人・3人で区切りますが、座席の切れ目が5人・5人、さらに着席区分まで備えて、これまでわかりやすかった定員着席を別の形で見事に伝えています。

これまでのロングシートとは打って変わって、硬めが基本ながらもそれなりに沈み込んでホールドしてくれる座面、スペースを空けて腰をしっかり受け止めてくれる背もたれ…もうこれだけでルートビアをジョッキで乾杯したくなるくらい嬉しくなるものです。嗚呼、きっと合格点が低い!と某巨匠から喝が入るんだろうなぁ…(^^;;


袖仕切りです。残念ながら大きな板、というだけで窪みなどは特段ありません。
それでもドア付近の立席スペースと合わせてだいぶ居心地良くなったのでは、と思います。


クロスシートです肘掛けの淡泊な感じはそのままに、詰め物をだいぶ入れました…と言わんばかりのずんぐりむっくりな座席になりました。2人掛けでこちらも着席区分が入っています。
ゆったり親子で前面展望を愉しむのも悪くないですが、この座席だとつい長居したくなりそうな予感…ここの座席に関しては前の座席でも良かったのでは?という考えもよぎりますが、背もたれがある程度の高さを確保している点は特にお子様連れの方には安心できるのでは…と思います。

かさ上げした部分に足を躓かないように注意したい一方で、足元が幾分か狭く感じます。足元を広げるような空間を仕切りに作りたかったところです。

で、中間増備車の仕様がそろそろ気になります…(しつこい
これまでの車内からこの車内への過程があって、さらに進化するとなれば…なんくるないさー。
 
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