沖縄都市モノレール  1000形
 
  沖縄にモノレールができたのが平成15年。混雑ぶりから見ると結構定着した感じがしますが、主力の1000形も混雑対応や延伸で度々増備されています。今回取り上げる13編成は平成22年に増備されました。…とは言ってはみたものの、あまり外観の差異はなく、近年は画像のとおりJA共済のラッピングで「あ、平成22年増備車だ!」と判別がつく格好です。
元々の塗装が少し暗めのメタリックということもあって気が付かないのですが、随分つぶらな瞳で優しい雰囲気が伝わってきます。走りも優しい感じで、オルゴール調のBGMが沖縄へ来た!という気分を一層高めてくれます。
今後3両編成への増強が予定されていますが、中間車の仕様がどうなるか、興味津々です。
(取材・撮影 沖縄都市モノレール線・てだこ浦西)

 

 

 


車内全景です。大きな窓が印象的な車内は登場時からの編成と大きな雰囲気は変わらないものの、早くも細部の変化に気が付く人もおられるのではないかと思います。2ドアロングシートです。
開放感があるのは良いのですが、この開放感が今までのモノレールとは一味違う雰囲気…空いていると「通勤電車」の車内というより「アトラクション」のような感じがして、ちょっと落ち着かないかなぁ…という印象です。ワクワクする感じとも違うこの気持ち、一体…。

 
車端部です。左の画像はてだこ浦西方車両の車端部、右の画像は那覇空港方の車端部で、車椅子スペースが備わっています。また、この編成から貫通扉がつきました。幅が広い片開き扉で、ガラスには縦線の装飾も入っています。
シルバーの機器箱と妻面のクリーム色の組み合わせは外観のメタリックな印象を少し打ち消すような組み合わせで、何かこの色に郷土愛が隠れているのかとキョロキョロしてしまうのですが、連想できるものが見当たりません。貫通扉の設置にあたり通路幅が従来の車両より少し狭くなっていますが、てだこ浦西方、那覇空港方それぞれで見え方が違うのは面白いところです。


車椅子スペースです。手すりに非常通報機、車椅子の固定器具に荷物置きとなかなか充実した設備が整っています。混雑した車内では立席スペースとしての意味合いもありそうですが、手すりは窓の下のみ、上にも欲しいところです。
消火器入れはより車内から目立つ位置に変更になりました。貫通扉が設置されたので動かした…という事情もありそうですが、ケースは灰色で、目立ちたいのか引っ込みたいのかどっちなのよ?!とツッコミを入れたい今日この頃。


乗務員室との仕切りです。これを見てあれ?!と思った方は正解です。
この編成に限って、先頭のクロスシートがありません。なんということでしょう、荷棚と立席スペースに充てられています。クロスシート設置時は床を一段高くしていましたが、さすがに立席スペースではその段差は設けられていません。つり革も仕切りまでしっかり伸びています。
この荷物スペースと立席スペースは後から増備された編成では見られないことから、試作したものの…という評価だったことかと思われますが、こういう判断をするかもしれない、というメッセージとしても受け取れます。そう、混雑時は奥までしっかり詰めましょう。

 
荷物棚と立席スペースです。荷物棚は広告枠を移設したとはいえ、後付け感がだいぶ目立つ仕様です。仕切り窓にぶつかるのではないか?!と心配してしまいますが、しっかりアクリル板でガードしています。この荷物棚、運転席の後ろではなく斜め後ろに設置されています。運転席から車内への視界を確保した格好です。
その運転席の後ろは立席スペースです。ここの白い壁は何かと汚れが目立つ編成が多い中、この編成はあまり汚れが目立ちません。縦にJの字に伸びた握り棒が独特です。


天井です。白く塗られた吹き出し口は素材が変わったようですが、なかなか見た目の違いはわかりません。その両脇には蛍光灯がスタンバイ。増備車から吊革の本数が増えています。
中吊り広告がツヤツヤで縦が短めですが、天井の低さはあまり感じません。


床です。点検蓋が目立ちますが、シマシマの床が奥行を感じさせます。首里城の正殿を彷彿とさせる…と言うのは言い過ぎかもしれませんが、横断歩道から730キャンペーン…という妄想よりは、若干現実的だと思います。

 
ドア周りです。両開き扉で、こちらも大きな窓ガラスが印象的です。そこを大きく塞ぐステッカーが残念で、かつて札幌市営地下鉄に貼られた大きなタヌキのドアステッカーを思い出すにつけ、南北でドアステッカーの大きさを争っているのか…と思わずにはいられません。
ドアそのものは化粧板の白とは一寸違う灰色で、なかなかキレイな色だと思います。近年は挟み込みを注意喚起する縦のステッカーが貼られています。
手すりは戸袋の枠と一体になったものをこの編成まで採用していました。

 
てだこ浦西開業を機に…というわけではないと思うのですが、全編成液晶ディスプレイの表示器に更新されました。右の画像はご利用いただき…の案内を四か国語で表示している図です。決してwindowsの立ち上がりが失敗した時の青いアレではありません(^^;;
反対側は路線図で、千鳥配置になっています。


側窓です。ドア〜ドア間、上下に分かれた窓のうち上の窓は内側に開けることができます。
荷棚はなかなかお洒落です。

 
座席はこの2種類です。右の画像は優先席で、赤いモケットが良い雰囲気です。この編成まではとにかく凝った座席で、大きな窓を優先に設計しました!といった作品です。この編成では12人掛けのドア〜ドア間に3本スタンションポールが設置され、さらに座りやすい環境を提供しています。
座面の奥行きに対して背もたれが小さく、窓を座席の間のスペースが災いして後ろの窓や壁に寄っかかれない、姿勢が自然に良くなる座席です(^^;; 腰から膝裏で体重を受け止める格好ですが、膝裏から伝わる座面の硬さにパンチがあります。また、座面から背もたれにかけての緩やかなカーブにもまるで余裕がありません。この硬くて面白い造形が私がアトラクションだと思ってしまう一番の所以で、割と柔らかいクロスシートが備わっている路線バスと比べると、どうしてもちょい乗り感が漂ってきます。
てだこ浦西から那覇空港まで乗り通すと、そこそこ良い時間かかるのですが…

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