横浜新都市交通  1000形
 
  1989年に神奈川県横浜市の新杉田と金沢八景を結ぶ新交通システムとして開業したのが横浜新都市交通シーサイドライン。で、その初代車両が1000形になります。…なんて言ってもどこをどう走っているかがわかりにくいですが(^^;; 八景島シーパラダイスや三井アウトレットパーク横浜ベイサイドを結ぶ路線なんて言えば少しはどのあたりを走っているか、関東の人ならわかると思います。
5両編成の新交通システムで、中央に両開き扉を配置して左右に窓を設けるスタイルはその後の新交通システムでも良く見る形態になりました。そのスタイルを継承した2000形への置き換えが始まっており、2015年に置き換え完了予定とのこと。乗るなら今のうちですが、かつてヘッドマークについていた鉄腕アトムは一足先に降りてしまった模様です。
(取材 横浜新都市交通シーサイドライン・新杉田〜並木中央)

 

 

 

 
車内全景をご覧いただきます。1ドアロングシートの車内は全長8mの小さな車内。更新工事を行ってからさほど年月が経っていないためでしょうか、あまり古臭い印象はありません。むしろ横引きのカーテンや色合いがちょっと上品に見えるほどで、レジャー感覚で乗るとちょっと飽きるけど生活の足なら飽きない車内に仕上がっていると思います。
車椅子スペースは更新工事によって設置されました。小さな車内では存在感の大きな車椅子スペースは金沢八景方から2両目、2号車にあります。


座席側から見た車椅子スペースです。スペースを床の色を分けて明確にしたのはわかりやすいですが、色のチョイスが周りの床と似ていてあたかも「無理やり分けました〜」と言っているようにも思えます。もう少しはっきりした色にするか、色自体分けなくても良かったかもしれません。非常通報機と握り棒を新たに用意しましたが、戸袋部分なので窓は無く、車椅子スペース自体も海が見える窓の反対側に設置されています。

 
その2号車の車端部はこのように機器スペースが大きく張り出しています。他の車両も車端部は機器スペースになってしまっており、正直小さな車内がさらに小さくなってしまっています。せっかくの妻窓もあまり空間の広がりには貢献していません。
もう少し機器スペースが小さければ網棚が無いこの車両の荷棚として活用できたと思うのですが、黎明期にできた車両なのでそこまで期待するのもちょっと酷かもしれません。そう、後継の2000形では網棚がしっかり設けられています。

妻面の吹き出し口は冷房になります。この手の冷房は新交通システムのみならず東京メトロ銀座線などでもお馴染みです。

 
乗務員室には柵がつけられていて立ち入りができないようになっています。これも2000形では立ち入りができるよう座席が設けられているので、乗車中「行きと帰りで電車が違って運転席に入れない!」と嘆くお子様の姿もありました。でもロングシートに座れば前面の視界はなかなかワイドに楽しめます。夜間など有人運転に備えてカーテンで遮光できるのは路面電車みたいですネ。

無人運転が基本なので運転台にはカバーがかかっています。


天井は冷房が隅に追いやられた分ノッペリとしています。通常の鉄道車両よりも天井までの高さが低いので中吊り広告は設置されていません。一方で蛍光灯が直付けでカバーなどが特に無いのは驚きました。この手の車両ではつけそうなものですが…。
吊革のバンドカバーのプラスチックが黄色いのは優先車両、つまり優先席を車両ごと適用させたことを示す役割を担っています。


床は茶色一色。点検蓋が時代を感じさせますが、それで時代を感じるのは車内学が趣味の方々くらいのものでしょう(^^;;


ドアは両開きです。吊革の支持棒の取り回しが見ていて面白いドア周りです。
ホームドアが先進的なものの、ドア自体は化粧板を貼った標準的なスタイルに落ち着いています。このギャップがまた面白いです。ドアの開閉動作自体は実に静かです。


側窓は固定窓で画像のような薄い生地の横引きカーテンがついています。カーテン自体高架区間が多いシーサイドラインではすごく助かるアイテムですが、太陽の光を遮るにはもう少し厚手のカーテンが欲しいところです。


座席は基本的にロングシート。区画によって長さが異なる程度で、基本的にはこのスタイルに落ち着いています。スプリングの効いたロングシートの座り心地はなかなかなもので、あまり奥行きは無いのですが奥深くまで腰掛けると座面、背もたれともにふわりと沈む感覚がGood!です。モケットも張り替えて間もないこともあってまだまだくたびれた感じが出ていません。よくメンテナンスされています。

 
2号車は車椅子スペースの関係と機器スペースが大きい関係で座席の長さが中間車では唯一異なっています。特に車椅子スペース脇の座席の脇にある座面下ヒーター配管の処理がなかなか武骨です。新型車両の座席配置はなんと各駅に貼られた(!)シートマップで確認することができますが、この車両に関してはシートマップがないのでできれば「この座席は●人掛けです」と表記すると、もう少し座りやすくなると思います。

 
先頭車、乗務員室の後ろの座席も長さが異なります。助手席側に関しては両側とも袖仕切りが設けられています。袖仕切り自体は見覚えがあるのに座席の長さが見覚えがなく、京王6000系5ドア車のような違和感があります(^^;; でも、その袖仕切りに肘をのせてボーっと前を眺めるシーサイドラインもなかなか良い物があります。


その袖仕切りは一般的な、その当時205系などで流行っていたものを使用しています。ドア周りの立席スペースがあまり広くないので、まだまだ使うのであれば風よけのプラスチック板を設置しても良かったと思います。


で、流行りといえば登場時期が気になるものですが…一部の編成では「ギザ10」を見つけた時と同じくらいレアな気分に浸れます。もちろん、トランシスとは異なるガッチリしたレタリングやデザインにも惚れてしまいます。
 
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