横浜市営地下鉄  グリーンライン10000形
 
  いきなり地下鉄らしくない画像で始まっていますが(^^;; 港北ニュータウンを中心に日吉から中山にかけて2008年に開通した横浜市営地下鉄グリーンライン。その主力車両が10000形になります。
4両編成の車両は小型で、ブルーラインとは全く異なるデザイン、大きさで登場しています。走行条件なども異なる事から相互で乗り入れることはできません。
先行投入車は側面に青いラインを配しており、地上区間の一つであるセンター北〜センター南間で留置されている姿をよく目にしました。その後、グリーンラインという愛称が決まってから緑のラインに変更になっています。画像だとわかりにくいですね(^^;;;
通勤通学のバイパス路線としての役割が大きいだけに、今後定着するかどうか、動向が楽しみです。
(取材・撮影 横浜市営地下鉄グリーンライン・日吉〜センター南)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。
小型断面ということもあってスペースのやり繰りがなかなか大変そうな車内は3ドアロングシートになります。
グリーンライナーという愛称が決まる前に車内デザインが決まったのでしょうか、青系のモケットや床が目立ちます。ブルーラインの3000形で見られる暖色系のデザインとは完全に異なります。


シンプルな乗務員室との仕切りです。パンタグラフの関係で天井がさらに低くなっており、吊革は設けられていません。運転席は進行方向右側にあり、その後ろに小さな窓が設置されています。前面展望はまさに水族館の水槽を覗くような感覚になってしまいます。ワンマン運転なので後方展望は無人のコクピット。そちらを覗くのも楽しそうです。
新型車両なのでもう少し整理した配置にできたような気もしますが、機器類の配置上仕方がなかったのでしょうか。4両編成故にどのドアからもまんべんなく乗り降りが便利なグリーンライン、仕切りに横に伸びる握り棒をつけて欲しかったところです。

 
車端部の構成は3パターンあります。中間車に見られる車端部は車椅子スペースの有無が差になり、車椅子スペースつきの車端部は編成の中央が該当します。
今でこそ様々な鉄道会社で取り入れられるようになったガラス張りの貫通扉、この10000形でも導入されています。4両編成なのでまさに端から端まで見渡せます。その分妻窓は省略されています。

こちらは先頭車の車端部です。車椅子スペースつきで、1両あたり1箇所は車椅子スペースがあることになります。中間車は座席が原則3人掛けになりますが、先頭車は2人掛け+荷物・機器スペースという組み合わせになります。この荷物スペースが偶然出来た物なのかどうかはさておき、ちょっとした物を載せるにはちょうど良いようで、うまく使われているケースも何度か見かけました。
ガラスの貫通扉は重たいものの動きはスムーズで、開けた扉から手を離すと勝手に閉まってくれるのは嬉しい配慮です。


車椅子スペースです。吊革もバンドを短めにして立客に配慮しています。
新製時から設けられているということもあって設備は充実しています。非常通報機も中にLEDを組み込んでいるようで、明るい車内でもパッと目に飛び込んできます。床も他の部分とは違う滑り止めの素材を使用し、スペースも明確に示しています。
ただ、車椅子スペースまで「全席優先席」のシールを貼るのはちょっとやりすぎかな?と思ってしまいます。車椅子スペースに席はないですし、座るとしても地べたですし(^^;;; うーん、お役所仕事だなぁ。


天井です。ツルンとした部分をご覧頂いていますが、ところどころラインデリアもあります。また、僅かながらパンタグラフの関係で天井が低くなっているのは前述の通りです。
吊革は高さを二段階に設定しており、その外側には蛍光灯が設けられています。蛍光灯にはカバーはなく、周りに手で触れないよう棒が設けられています。かつてはブルーラインでカバーつき蛍光灯を設けた車両があったのですが、より必要な車両にまで波及する事はありませんでした。ちょっと残念です。


床は青い柄でしましまツートンです。
車内の広がりを魅せることができるということもあり、なかなか斬新なアイデアだと思います。
また、ドア周りには黄色の滑り止め素材を使用しています。


ドア周りです。小型断面故にここの空間の作り方が一番難儀したのではないでしょうか。
鴨居部分に十分な広さが取れないため、液晶のディスプレイは戸袋部分に設け、空いた鴨居部分には車内設備の案内ステッカーを掲出しています。きっとLED表示器だったら鴨居部分にうまく収まったと思いますが、これも時代の流れというものでしょうか。荷棚を削る事によって液晶ディスプレイの空間をなんとか確保した、といった印象です。
従って頭でっかちなドア周りになってしまいました(^^;; ドアそのものは銀色の無塗装になっています。点字シールが貼ってあるのも新型車両ならではの光景です。

 
液晶ディスプレイです。乗務員室背後のドアを除く各ドアに左右1台ずつ設けられており、向かって右側のモニターは右の画像のように停車駅案内、次駅案内などの列車情報を、左側のモニターには神奈川新聞NEWSなどの情報・広告画面となっています。元々そのような情報を流すのはブルーライン3000形で行っており、まさに「得意分野」といえるでしょう。特に神奈川新聞NEWSは文字を流すだけのNEWSですが、その背景画の美しさはぜひチェックして頂きたいところです。
列車情報画面はJRなどでも見かけるデザインですが、ドア開閉案内で「はまりん」が顔を出します。


側窓です。一枚窓は特に地上区間では見応えありますが、ステッカー貼りすぎです(^^;;
カーテンは一切ありません。


座席は3種類。まずはドア〜ドア間の7人掛けからです。片持ち式ではないもののバケットシートを搭載しており、一体感を出すためか青い柄のモケットはバケットの区分けとは切り離したデザインにしています。また、JR209系ほど露骨ではありませんが背もたれの傾斜角を2段階にわけており、背もたれと腰との接地面を明確にしています。
座面はほぼ真っ平らなので背もたれの絶妙な角度とは裏腹に余裕の無さを膝裏で感じることになります。短距離だから良かったとつい思ってしまいそうです。

 
左の画像は3人掛けロングシート、右の画像は2人掛けロングシートです。前者は中間車、後者は先頭車で用いられている座席で、それぞれ消化器の収納方法が異なっています。2人掛けのロングシートはちゃんと座面下のヒーターは効くのでしょうか?この消化器収納方法では何かと気になる「疑問」ではあります。
どちらの画像にも優先席のステッカーが登場していますが、横浜市営地下鉄は全席が優先席のため、優先席と普通の席を区別する特別なモケットは作っていません。故にモケットは1種類のみ、あとはどこに座るか…という選択になりますが、おすすめはやはり2人掛け。どっちに座っても身近なところに手すりがあるのは本来の優先席利用者からしてみたら嬉しいところです。


ところで…意匠の全くよくわからないこの袖仕切り。化粧板と握り棒、アクリル板で構成されています。このポジションに透明の板をはめ込む例はあまりありません。もちろんこのデザインはこの系列限定のものになります。
最近流行の大形の袖仕切りを用いると広告枠に干渉してしまうのでしょう。なのでこのような形にしたのかもしれませんが…座席のデザインと全くあっておらず、肘掛けの役目も立客や風からの防御も中途半端になってしまっているのは新型車両として非常に残念です。


最後に貫通扉の前に立って一枚。見難いですが貫通扉には「はまりん」がいます。
衝突防止も兼ねたイラストですが、ポーズが異なっておりなかなか芸が細かいです。お子様と乗った時にはぜひ「あ、あそこにはまりんがいるよ!!」と教えてあげて下さい(^^;

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