わたらせ渓谷鉄道  WKT500形
 
  わたらせ渓谷鉄道久々の新車です。前よりも角ばったデザインに変わらずレトロな雰囲気を残しつつ、ゆっくり沿線の風景に溶け込んでいっているようです。ゆっくり…なのは増備のスピードも一緒で、最初の製造が平成23年、次の車両が4年後…置き換え目的での増備だとしたら、増備完了までに部品がしっかり残っているかどうかが気になります(^^;;
第三セクターの車両を製造する会社が少ないこともあり、正面は他の第三セクターの車両と同じ顔のように見えることが何かと多いですが、特にこの地域はブラックフェイスに貫通扉でお馴染みのJR211系や東武8000系と並ぶことが多いので…新しさはあまり感じないかもしれません。それでも乗ってみてわかるキレイな車内、紅葉の時期には引っ張りだこになる予感もしますが…観光客への期待に応えられるかどうか、上毛電鉄のような季節感を味わえる車内になるのかどうか、期待したいところです。
(取材・撮影 わたらせ渓谷鉄道わたらせ渓谷線・大間々〜桐生)
 

 


車内全景です。予備知識を全く入れずに飛び乗った車内がまさかのオールロングシートですよ。まさかの…!
従来の車両よりも大きくなった車体断面と座席配置が余計にガランとした雰囲気を作っています。そうそう、後ろを振り返ってもトイレの設置さえありません。ビールを片手に紅葉鑑賞はトロッコにお任せして、こちらは専ら通勤通学に徹する格好です。
置き換えのタイミングが早かった真岡鉄道あたりのロングシート車を参考にしている可能性はありますが、従来のノンビリした空間はどこへやら…。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が桐生方、右の画像が間藤方です。どちらも半室構造になっており、右の画像、向かって右側に車いすスペースを備えています。実質もう片側にも車いすが置けるスペースを設けていますが、固定器具はあくまでも間藤方のみの設置です。
木目調の化粧板がせめてもの無機質な雰囲気を打破する材料にもなっているようですが…なんとなく貼ってみました!というビジネスライクな木目調に癒しは感じません。
でもって、どこかで見たことあるなぁ、この雰囲気〜と思ったら…山口県の錦川鉄道の車両を思い出しました。


車椅子スペースです。横方向の握り棒に固定器具が目立たないように置かれています。目立たないというのは乗務員が基本的には扱うからでしょうか…?握り棒の下、謎の出っ張りが車椅子で手すりをつかみたい時に邪魔なように思えてなりません。

そして、運賃表示器の存在を否定する張り紙…。


天井です。フラットな天井は新型車両ならでは。だいぶ以前の車両よりもスッキリとした格好になりました。
吊革は車内全体に渡っての設置で、灰色という選択肢は新型車両としては久々に見た気がします。優先席は黄色で区別していますが、モケットでの区別をつけていないのでおおむね黄色い吊革のあたり…という見方ができそうです。


床はコルク柄のような茶色一色。紅葉を示したようなモケットと合わせて秋の地面を表現しているようにも感じます。結構好きな色の組み合わせですが、本物の地面と勘違いして「缶ビール!」と言って暴れたり、青いシートを敷いて床に座るのは勿論ダメです。

 
ドアは片開き扉の無塗装で、ステップは段差が低いもののスタンバイしています。半自動ドアも備えていますが3月の時点では使用していませんでした。なお、桐生駅では発車前は入口側のドアのみ開けた状態でアイドリングしていました。
内側のボタンはJR西日本でよく見かけるものを用いています。
まったり開け閉めされるドアで、ドアチャイムもしっかり鳴ります。ドアステッカーはJRの高崎地区でも用いられている物ですが、優先席ステッカーもJRのものと同じ物を使っておけば…との嘆き、また後で触れます。


側窓です。大きな固定窓に交じって開閉できる窓もチラホラ…。
ロール式カーテンが備わっているのは嬉しいですが、ロングシートの宿命とも言うべきか、窓枠に物は載せられません。

 
バケット形状…というわけではないですが、ある程度縫い付けで一人ずつの区分を示したロングシートです。
端の方には優先席もありますが…このステッカー、ちょっと意匠が古くないですか?モケットでの区分は特に行っていません。
排気管で寄りかかる事は可能ですが、あとはおとなしく座るのみ。じわーっと沈み込む座面とは裏腹に、背もたれはほぼ垂直でゆとりを感じません。あと、この手の車内だからこそスタンションポールの設置をしてほしい物ですが…あまり道中の座席の移動、両替は考慮していないのかもしれません。あと、座面がやや高いセッティングになっているように感じます。沈み込みがもう少し緩やかになれば自然に落ち着きそうですが、ちょっと気になります。


下り進行方向左側は排気管がないため、怒涛のロングシートがお出迎えです。
長いロングシート、25人掛けです。定員通り着席できるかどうか、通勤通学の時間帯にアタックして欲しいものです。おっと空いている18人目に白が飛び込んだ〜!なんて具合で(殴
セミクロスシートを導入していた会社がロングシートを選択すると…通学時にうまく詰め込みができなかったとか、クロスシートだと相席になるから敬遠…という背景があったのかもしれません。現実的な選択ですが、旅行客の端くれとしてはなんとも寂しいものを感じます。
 
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