和歌山電鐵  2270系[うめ星電車]
 
  平成28年の春から新たに走り始めた「うめ星電車」です。
これまでいちご電車、おもちゃ電車、たま電車と数々の楽しい車両を作りましたが、第4弾はちょっと間が空いての登場になりました。
真っ赤な車体にロゴを散りばめる手法はこれまでの列車とはちょっと雰囲気が違い、大人の雰囲気がちょっと漂う外観になりました。そそ、真っ赤な車体も誇張しない程度にメタリックを用いている点も上品です。誰ですか?消防車みたいとか、名鉄みたいとか、近鉄みたいって言っている人は…!冗談言ったのをきっかけに真っ赤な顔でげんこつ貰って頭の上に星が瞬く前に、とっとと乗ってしまいましょう。
和歌山電鐵全線で活躍中です。他地域の観光列車とは異なり、朝晩も乗れるのは嬉しいところです。
(取材・撮影 和歌山電鐵貴志線・和歌山〜貴志)

 

 

 

 
車内全景です。左の画像は貴志方先頭車、右の画像は和歌山方先頭車です。このコンテンツ、基本画像が並ぶときはこの組み合わせでお届けします。他地域の観光列車でも見られるような木の色を中心にリニューアルした感じです。天井周りもリニューアルしていることもあって、これまでで一番種車の雰囲気が残らない車内になったのではないでしょうか。一方、他地域の観光列車を意識したと思われる部分もチラホラ…。「ななつ星」のデザイナーと肩書きが高級志向に向いたことも一因かもしれませんが、和歌山電鐵の他列車との差別化もうまく図れていると思います。
ロングシートのまま改造したことから、あまりごちゃごちゃした感じはしません。

 
乗務員室との仕切りです。基本的な構成は変わらず、ロールカーテンなどに遊び心を取りいているのは流石です。一つ面白い試みが戸袋窓の鏡張りです。通勤車両でここまで鏡が大きく張られている車両は無いだけでなく、両面とも鏡張りなので座ると自分の顔がずーっと続くという、オーソドックスながらもこれまでの鉄道車両にはなかった試みを採り入れています。恐らく星の空間をイメージしたものかと思いますが、自撮りが流行る昨今、鏡をもう少しデコレーションしたら格好の撮影ポイントになることかと思います。あ、化粧直しは勘弁、私も恥ずかしくて積極的には座れないっす…(^^;;

 
車端部です。車両によって暖簾の色を分けるなど細かい作り分けはお手の物ですが…さすがにショーケースの展示方法はもう一ひねり欲しいなぁと思うところです。おもちゃ電車やたま電車のような子供(小さい子供…ですよ!)が喜ぶ仕掛けの代わり座席と思えばある意味乗客増に応えた形にも見えますが…うめ星を題材にしている以上もっと多様な展開が期待できるだけに、現状では目の肥えた小さな子供が飽きないアトラクションの充実をぜひ!
 
そのショーケースは貴志方車両に、車椅子スペースは和歌山方車両にスタンバイ。握り棒とテーブルをうまく組み合わせるのはアイデアものですが、車椅子のシールの位置がテーブルの下で…もう少しキラキラ輝きそうな位置に貼った方が良いのでは?!
握り棒の展開は整理券発行機の周りにも見えますが…オレンジの箱は久々に見た気がします。いたずらに周りと同化せず、わかりやすい色遣いは本当に上手いと思います。

 
天井周りです。和歌山電鐵ではこれまであまり改造を見なかった天井、今回は気合を込めてLED照明にし、木にプリントした装飾で周りを覆いました。天井の改装はLED電球が列車内にも普及してから続々と水戸岡先生デザインの車両でお目見えしていますが、某巨匠が撮影した画像を見て思わず叫んだあの名詞が未だに忘れられない、酸っぱい気持ちの天井です。和歌山方車両の梅の図柄は小さい子供にもわかりやすく、遠近感も出てなかなかの迫力ですが、絵にすると飽きの問題、メンテの問題も現れるのもまた事実です。和歌山電鐵、維持管理頑張って!!

 
フローリングの床です。割と明るいトーンで2両とも整えました。天井のような展開を床にもしたら踏み絵さながらの酸っぱい展開でしたが、そこは紀州が手塩に掛けて育て上げた梅だけに、ブドウを裸足で潰すような真似はできません。

 
ドア周りです。水戸岡マジックはこのあたりの景色で早くもうっとりさせてしまうような感じで、やはり床から天井まで一体で改造した甲斐があるものです。ただ、ドア周りの空間が狭いため、土日など乗客が多数乗る時間帯では両開き扉の威力も少し無駄になってしまいそうな構成です。整理券発行機のドアの位置に対して出すぎで、握り棒が本来の目的以外にも整理券発行機と喧嘩しないため、という要素もチラリ見えてきます。
ドアの化粧板は周りに合わせてアイボリーに図柄が入った物で、縦長の窓ガラスが周りの雰囲気に合っているように感じますが、これは種車のデザインを活かしています。

 
ドア周り、続いては乗務員室背後の片開き扉です。こちらも両開き扉に準じたデザインですが、両開き扉に対して横方向に間延びしている感じは否めません。いっそのこと、たま電車のように色を変えたり、ちょっと窓の大きさを変えたりするなど、遊び心をもう少し採り入れても良かったのでは…と思う部分です。
また、ドア脇の空間は若干空いていますが、隣のロングシートはひじ掛けも袖仕切りもないので、その部分に立席が出ると正直窮屈に思えてしまいます。特に和歌山駅のホームは改札が和歌山方車両寄り1か所で偏っているので、もう少し通勤電車としての質を高めて欲しかったです。

 
窓周りです。障子が入るとは思いませんでした。ただ、この障子は実際に使ってみたところ上げ下げがしにくく、寄木細工に手を触れてしまわないか、破けてしまわないか非常にドキドキします。ここもメンテナンスは勝負どころで、ゆくゆくは簾になるのかなぁ…なんて勝手に思っていたりします。それにしても、通勤電車でこの額装はなかなか見事です。

 
ここからは座席です。まずは貴志行き進行方向左側のロングシート、左の画像が先頭車、右の画像が2両目、すなわち和歌山方車両の座席です。幸いなのはモケット張りのクッションが入った椅子を中心に配置していることで、木の硬い印象を少しでも和らいでいる点です。美術館や喫茶店の座席であれば美しいスタイルの見事な座席ですが、加減速に揺れ、時に満席ギュウギュウになる通勤電車の座席としては酸っぱい見方にならざるを得ません。まずは背もたれやクッションの長さでやんわり着席定員を示している割に、加減速の大事な支えになるひじ掛けや袖仕切りが全くないのは如何なものでしょうか。

 
続いて貴志行き進行方向右側、ドア〜ドア間のロングシートです。背もたれの後ろの隙間にたまるであろう埃のフォローもしっかりして欲しい上に、座面の奥行きが座席によって深かったり浅かったり、時に足によって浅い深いが変わってくる座席は正直普段使いとしては落ち着きません。
右の画像のロングシートは確かにこれまで見てきたロングシートの中では美しい方に入ると思います。でも、大事なものがゴソッと抜け落ちている気がします。普段使いの方の前では決して言えませんが、私は鉄道車両の過酷な環境でも十分通用する、寛ぎと美しさを極めたロングシートの登場を心から待ちたいと思います。

 
車端部はこのようなソファ形状の座席も登場しています。が、やはり座面の形状には疑問です。また、唐突に単色モケットというのも驚きますし、座面が真っ平なのも物足りません。ただ、この座席が何人掛けかはわかりませんが、妻面に幾ばくかの余裕が見えるのは嬉しくもあり、やはりここでもひじ掛けが無い…必要なのはテーブルではないんです、ひじ掛けなんです…と酸っぱい顔をして喉まででかかった言葉を引っ込める私がいます。

 
絵になる材料をふんだんに取り入れたうめ星電車。ただ、銘板をシールにするのは少々味気が無いです。ここも木彫りだったら格好良かったんですけどネ。画像では化粧板と合わせてお楽しみください。


吊革です。実は水戸岡鋭治先生デザインの車両で好きな部分の一つが吊革の触り心地です。画像では1本だけ梅の形をした吊革が写っていますが…この手のサプライズは他の鉄道でも見られるようになってしまいました。

 
最後に、子供にも理解してもらえるであろうモケットと赤ちゃん用のベッド?かご?です。

ここまで来てまさかのカミングアウトですが、実は、ある部分の画像が載っていません。正確に言うと、撮り忘れてしまいました。
さて、撮り忘れたのはどこの画像でしょう?正解者の中から抽選で南高梅を…プレゼントするようなうめー話ではありません。ああ、宇宙船に乗ってうめ星に帰りたいくらい恥ずかしや、恥ずかしや。

…またそのうち、食べに行きます。
 
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