和歌山電鐵  2270系「おもちゃ電車」
 
  和歌山電鐵のいちご電車に続く目玉として登場したのは見た目も愉しい「おもちゃ電車」です。和歌山県内の企業がサポーターになり2007年に走り始めました。真っ赤な車体にカラフルなロゴがチャーミングですが、これぐらいシンプルでわかりやすいロゴの方が親近感が持てそうだと思うのは私だけでしょうか?取材時はクリスマスのシーズン、細やかながらクリスマスの装飾もチラリ。
2021年9月を以て「たま電車ミュージアム号」へのリニューアルが行われるため、おもちゃ電車としての運用は終了しました。リニューアル後の想い出探しに早くも興味津々ですが、せっかくリニューアルするのであれば、こちらの名前を期待したものです…「大人のおもちゃ電車」…(^^;;

和歌山電鐵全線で時間を問わず活躍していました。
(取材・撮影 和歌山電鐵貴志川線・和歌山〜貴志)

 

 

 

 
車内全景です。左の画像、ベビーベッドのある車内が貴志方先頭車、右の画像、ガチャガチャがある車内が和歌山方先頭車です。2ドアロングシートは種車の構成を活かしたもので、いちご電車よりも派手に水戸岡マジックをかけています(^^;; この雑然とした車内におもちゃ箱のような・・・なんて綺麗な例えは言いません(^^; これくらいの改造が普段乗りにはちょうど良いと思うのです。
中吊り広告はクリスマス仕様ですが、おもちゃ電車のロゴが入った本格的なもの。結構この車内に似合っていました。1年で一番見応えのある期間に取材できたのかもしれません。

 
乗務員室との仕切りです。貴志方、和歌山方、どちらも同じ構成です。窓配置、妙なドアの窓も種車そのままで、窓の下のテーブル、運賃箱やドアの色あたりに変化が見られるものの、あまり大きな変化は見られません。この後のたま電車、うめ星電車と並べていくとエスカレートしていく様子が手に取るようにわかりますが(^^;; おもちゃ電車は質実剛健です。
ドアの手前には鏡が設置されています。結構大きな鏡ですが、鏡そのものに装飾はありません。うーん、もう少し遊べるポイントなのに、化粧直しのミカタになってしまっている感じは否めません。

 
ドア付近の木の装飾が横断歩道っぽく見えて仕方が無い車端部です。これ、ドアが両方開いていたらそのまま素通りして反対側に行ってしまいそうですね(^^;;; 左の画像は貴志方、右の画像は和歌山方で、どちらも車椅子スペースが備わっています。和歌山方車両は片側にソファー調の座席がありますが、それ以外は奥行浅めの腰掛か戸棚、おもちゃ電車の核になる部分です。
和歌山電鐵の車両はどれもそうなのですが、整理券発行機が左右両側にセットされているのは動線を非常によく考えていて素晴らしいと思います。意外とこれ、できていない会社が多いんですよねぇ…。

 
片側は全面戸棚、若しくは全面ショーケースになっています。ディスプレイの前には腰掛がありますが、座席としての実用性はありません。カラフルな吊革とおもちゃなら対象年齢なんておかまいなし!というショーケースの愉しさは意外と飽きないものでした。子どもの視線を考えれば、中途半端な座席よりも上からも下からも・・・ショーケースでも良かったのでは…と思ったのも、すっかり過去の想い出になってしまいました…。
控えめなディスプレイは貴志方車両のみの特権でした。

 
車椅子スペースを兼ねた部分です。握り棒とテーブルを備えた区画ですが、これ、車椅子やベビーカーのお客様は利用しやすい形状なのでしょうか…テーブルの下に手すりが隠れているのはお洒落ですが、動線は少々遠回りの上、緊急通報装置やヒーターの類はありません。ショーケースの中に非常ボタンを入れるブラックジョークはありませんでしたが(^^;; 心なしか車椅子マークも隅の方でひっそりと……。
妻面も装飾が施されていますが、貫通幌までは装飾の手が入らなかったようです。


天井です。種車からの変化は吊革くらいで、周りの改造と見比べるとちょっと寂しい感じがします。蛍光灯はデジカメではうまく拾えていませんが、若干電球色に寄せた色合いを採用しています。
和歌山電鐵では天井の装飾は「うめ星電車」で大きく凝りだしました。蛍光灯そのものの調達も気にしなければならない昨今の事情もチラチラ見えますが、次の「たま電車ミュージアム号」での変化が愉しみな(ちょっぴり不安な)部分です。


床です。なかなか素敵な木の床に心暖まる方もおられるのでは…と思います。スタンションポールも奥の方に見えます。水戸岡鋭治さんのリニューアルで床の木目化は結構好きな部分ですが、メンテナンスのマメさが試される部分でもあります。くたびれる前にリニューアルを受けることになったのはある意味良かったのかもしれません。


ショッピングモールの空き店舗を見ているようなカオスさが漂う両開き扉周りです(^^;;;
真っ赤なドアには窓にロゴが入り、鴨居部の枠が一新されています。いちご電車から徐々に装飾が加速している様子が伺えますが(^^;; おもちゃ電車のロゴ、可愛くて好きだったなぁ…。
種車から形状の変化はなく、丸みを帯びた四角い窓が印象的です。


片開き扉は乗務員室背後に設置されています。ワンマン運転には最適の扉配置ですが、片開き扉も二人並んで乗り降りできそうな幅を有しています。その真ん中におもちゃ電車のロゴ…うむ、やはり貴方の志向は大人向き…(^^;;
扉関係は赤色で統一されているのは「いちご電車」も同じでした。赤=扉という認識付けをしたかったのかもしれませんが、あと登場が10年遅かったらここもカラフルになったことでしょう。


窓周りです。ロールカーテンを下していませんが、カーテンのデザインも赤・白2色を中心にカラフルな装い。窓の開閉やカーテンの上げ下ろしがスムーズにできる仕様、ストレスがなくて良いですね…と、後発の車両をじっと見ながら言っています(^^;;;
意外だったのはそのまま使用している荷棚。ここも色々素材を変えて装飾ができそうな部分ですが、なんということでしょう、ガチャガチャの上まで荷棚がそのまま残っています(^^;;;

 
ドア〜ドア間の座席、まずは貴志方車両、ベビーベッドのある区画からです。
座面下をそのまま用いてリニューアルする方法は他の車両でも見られる手法ですが、この頃のリニューアルはまだ種車の座席のモケット張り替えに留めている座席があり、選べる愉しみ…もとい、安心して座れる座席が用意されていました。そのうち、優先座席には肘掛けが備わっていますが、この手の改造を施すのであれば肘掛け分の座席幅を追加するべきで、見た目以上に狭くなる上に、肘掛け獲得競争が発動してしまうのは却ってマイナスに作用してしまいます。

右の画像、スクエアのパターン柄のモケットはよく見る柄ですが…意外と好きな柄なのでそろそろ壁のクロスとか、布地として一般販売しないかなぁ…と勝手に願っています(^^;;


ベビーベッドの向かいの座席は中央に座面、背もたれを載せ替えた木の座席を置いています。座面の下は有効活用しているのでまさに置いた格好ですが、座面の底つき感は激しく、背もたれの形状によっては背中がシャキーンと伸びます(^^;; 鑑賞用なのでしょうかとツッコミたいところですが、背もたれのカーブに個体差があるのはさすがにちょっと不安になってきてしまいます。もちろん、着席する上で支障がないことはわかっているのですが…。

 
もう一方、ガチャガチャがある車両もドア〜ドア間はロングシートをバラエティ豊かに設置しています。乗務員室に近い席は青系のモケットを採用していますが、2両で青系モケットは概ねここくらいで、優先座席のステッカー以上の存在感を示しています。ちなみに、こちらの肘掛けも先ほどと同じく2つ設けられていますが、全体の座席幅はこちらの方が長く、肘掛けの間隔はこの長い座席を3等分しています。…なんなんでしょう、この気づいてしまうと不公平感が拭えない差は…(^^;;;
もちろん、座席幅は広い方が寛げるわけですが、よりによって多くの方に座って欲しい和歌山駅の改札に最も近い座席が広い方という有様…。

とりあえず、-100あでぇを進呈します(^^;;


個人的にツボなのは動物のシルエットが背もたれになった座席です。こういう見ていて愉しくなる加工は大好きです。
…誰ですか、射的の的と言っている人は?!


ガチャガチャの代わりだと思いますが、和歌山方車両には3人掛けのソファ調座席が備わっています。座面の下の素材の関係もあり、少し座面が高いように感じるかもしれません。立ち気味の背もたれに対してかまぼこ状の座面との相性がイマイチですが、妻面の肘掛けも含めてショーケースを鑑賞するには良いムードだと思います。…あれ、景色は?!


さて、私はこの車両の見どころはガチャガチャの存在だと思います。
何が出るかわからないドキドキを車内で味わえるのは何よりも愉しいし、そこに回転寿司店のビックラポンのような当たり・はずれがつくようになると、乗ること自体が愉しくなってくると思います。ネタにも困らないはずです。

老若男女が愉しめる、最高のドキドキ・ワナワナ課金エンターテイメント空間が再び訪れることを願っています。


 
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