和歌山電鐵  2270系
 
  和歌山電鐵といえば数々の改造車両に注目が集まりますが、まだまだ半数の編成が南海時代の車両をほぼそのまま使用しています。塗装もそのままなので、社紋やヘッドマークがなければ南海の電車と間違えてしまうところでしょう。
貴志川線向けの改造は南海時代に行われており、電動車を2両から1両に減らしたり、複電圧対応にしたりするなどなかなか大がかりなものになっています。外観もドアの位置が種車からずらされており、他の会社のワンマン化改造車をも圧倒するこだわりが光ります。だからこそ、いつまでも使い続けることができるのでしょう。
車内も南海時代の雰囲気を保っているのでしょうか?
(取材・撮影 和歌山電鐵貴志川線・和歌山〜貴志)

 

 

 


朝撮影した車内全景です。2ドアロングシートの車内です。見事に南海時代の車内そのままです。水戸岡鋭冶先生のデザインはJR九州の415系に代表されるようにさりげなく在来車にも取り入れられることがありますが、和歌山電鐵に関してはまだそこまでには至っていないようです。床や座席を見る限り、南海時代に徹底的にキレイにしているようで、取り立てて急がなくても問題はなさそうです。


乗務員室との仕切りは夜の様子で。このページは意味もなく昼の画像と夜の画像が入り混じります。
運賃箱を設置するのにあたり、新たに片開き扉を設けて導線に無駄が無いようにしています。仕切りもそれに合わせて縦長の窓にするなど、非常に個性的な仕切りになっています。ワンマン運転で使いやすいように、運賃箱と仕切り扉のカーテンが横引きになっている点もポイントです。
先ほども申し上げましたが、この改造はつくづく努力している、素晴らしいと思います。同じ和歌山県の紀勢本線を走るJRの105系も見習ってほしいです。


車端部はいずれの車両も車椅子スペースが設置されています。蛍光灯の色が違う関係で奥と手前で雰囲気が違いますが、あくまでもこれはイレギュラー。モノトーンな車内には純粋な白色の方が似合う気がします。
貫通扉は通り抜けも考慮して設けていません。妻窓はそのままなのでなかなか解放感があります。

そそ、これも導線を配慮すれば当然のことかもしれませんが、整理券発行機が左右両側についています。このあたりもこだわりですね。やはりどっかのJRに見習ってほしいです。せめて姿勢だけでも…ねぇ。


車椅子スペースはシンプルな形状に整っています。側窓の下に横棒が設置されていますが、それ以外には特に何もありません。水戸岡鋭冶さんが手がけた車椅子スペースの空間デザインの秀逸さを見ると、どうも殺風景と言わざるを得ません。そこまでデザインしなくても良いので、せめて温風の吹き出し口があればいいなぁというのが正直なところです。


天井は南海時代から何ら変化はありません。水戸岡鋭冶さんのデザインも蛍光灯の色や吊革くらいしか手が入っていない部分なので、ここはこれからも変わらないと思います。

吊革がずらっと車内の端から端まで伸びているのも南海クオリティ。南海電車の他系列でも見ることができるので、ごくごく普通に設置されているのでしょう。南海の言葉を何回挙げたかは知りませんが、このあたりのさりげない気配りもさすがです。


床は明るめの木目調。南海通勤車の床は明るめの木目調と暗めの木目調の2種類の柄を用意していますが、取材した編成は明るめのバージョンでした。今後、暗めの木目調があるかどうかは足を運んでチェックしてみます。


ドア周りは車端部寄りの両開き扉からご覧いただきます。
整理券発行機の飛び出しが気になりますが、衝突防止を兼ねて整理券発行機の周りも握り棒を兼ねた覆いがあります。
化粧板も貼られ、周りに合わせるかの如くカクカクした窓が印象的です。その上の鴨居部に入っている列車案内はさすがに和歌山電鐵テイスト、すなわち「いちご電車」のロゴなどが入っている物を使用しています。
ようやく見つけた和歌山電鐵らしいところ、と言っても過言ではないでしょう。


片開き扉です。南海通勤車ではお馴染みの幅広の片開き扉です。こうしてワンマン機器を手前に据えると、普段の通勤ラッシュを華麗に捌く存在感とは違う、ノホホンとした雰囲気が漂ってきます。ただ、和歌山行きは改札に近い扉が片開きになりますので、この幅は意外と重宝していそうです。


窓は1段窓が整然と並んでいます。シンプルな形状がかえって新鮮に映ります。水戸岡デザインの車両は周りも含めてコテコテですし、和歌山で隣のホームに並ぶJRの通勤車はくたびれた2段窓ですし…

 
座席です。まずはドア〜ドア間の様子です。整理券発行機がある側と無い側に分かれますが、どちらも座席の長さは同じです。シンプルな袖仕切りで挟まれた奥行きの深いロングシートで、南海時代と変わらない沈み込みがウリの座席です。貴志川線の乗車時間ではもったいないくらいの作りで、見た目はちっとも面白くないですが座る方の自然な表情を見ていると、それなりに受け入れられているのではないかと思います。水戸岡先生の見た目は面白いけどちょっと座り心地が硬くて、そこに座るオッサンが疲れた表情で…という図とは正反対で、通勤時間帯に運用に就くケースが多いのもなるほど頷けます。


車端部は優先座席扱いですが、例によってモケットの変更などはありません。袖仕切りも片側だけで、白い壁で二方向が囲まれていることもあり、ちょっと殺風景な雰囲気になってしまっています。
車内全体の改修は必要ないと思います。ただ、この車端部の座席は肘掛をゆったりとした間隔で設けたり、妻面に肘掛兼ドリンクホルダーを設置してもう少しくつろげるスタイルにするのも悪くありません。水戸岡先生に依頼してみるのはいかがでしょうか?


車椅子スペースのある側の車端部は3人掛けで。こちらも優先座席扱いです。袖仕切りの高さが低めになっているため、窓の下で収まる格好になっています。従って車椅子スペースとの分離も図られておらず、ある意味開放的な車椅子スペース隣の座席になっています。大きな荷物などがある時に役立ちそうなスペースです。

モケットは全席揃って灰色一色。これがまたシンプルだけど飽きない。全席シルバーシートに見えるのもウリです…?!

未改造の編成残り3つ。年月を経てどう水戸岡色に染まるかが楽しみですが、
このシンプルな雰囲気も和歌山電鐵が誇るべき空間ではないかと思います。

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