和歌山電鐵  2270系[いちご電車]
 
  赤と白でキリリと決めた姿はすでに南海時代とは別の車両に思えてなりません。
2006年、南海電鉄から和歌山電鐵として貴志川線が譲渡されてからの取り組みは全国的な話題になっていますが、その先駆けになったのがこの「いちご電車」です。
2両編成のワンマン電車というスタイルは他の車両と一緒ながら、他とは明らかに違うお洒落なスタイル。もともと和歌山県貴志周辺がいちごの産地であることから命名されたとのことで、シンボルになって初めてわかることもあるんだなぁと妙に感心した次第。
「おもちゃ電車」とともに終日運転されており、運用は公式サイトで確認することができます。
(取材・撮影 和歌山電鐵貴志川線・和歌山〜貴志)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。2ドアロングシートの車内は暖かみに包まれています。木のぬくもり、モケットの鮮やかさに理由を求める点もさることながら、夜の撮影だったこともあり、一般車で使用する蛍光灯よりもオレンジがかった照明が功を奏しているようです。正直この空間で家路を急ぐということ自体、羨ましくもあります。

この後和歌山電鐵に登場する「おもちゃ電車」「たま電車」とは異なり、わりとベース車の面影が残っているかと思います。ロングシートならではの収容力の高さもそのままで、なるほど終日運用に就く理由もわかるものです。


飾り気のない運賃表示機とおもちゃのような運賃箱の対比が面白い乗務員室背後の仕切りです。
南海電鉄時代にワンマン化改造を施しており、「いちご電車」ではカーテンの生地を変更しています。そのカーテンには意外な名前が…でも、ポップな柄なので周りの雰囲気に見事に合っています。
吊革が先頭まで伸びていますが、恐らく種車の吊革の配置をそのまま使っているものかと思われます。そこの吊革も含めて握る部分を木に変更しており、触り心地を良くしています。

 
車端部の様子です。左の画像が和歌山方先頭車の車端部、右の画像が貴志方先頭車の車端部になります。どちらも車椅子スペースが設けられていますが、車椅子スペースの脇にカウンターテーブルを設けており、パッと見車椅子スペースには見えません。
ここは椅子も改良を施しているだけでなく、木の戸棚を設けている車端部もあります。オシャレですが、ちょっと使い道が思い浮かばない棚よりも座席の方が実用的な気がします。

 
車椅子スペースも床はフローリングで。角度を変えて撮ってみました。
広告から推測できますが、2両とも同じ構成でできています。カウンターテーブルの下にさりげない握り棒を通しているのはgoodアイデアで、無機質なダランとした空間を見事にデザインしています。反面、仕切り壁がなかったり、壁にヒーターが無かったりするので冬は寒い風がそのまま抜けてしまいます。


貴志方先頭車の車端部に設けられた棚です。引き出しが開かないよう鍵がかかっているのでしょうか、現状では温もりのあるデッドスペースにしか見えないのが残念です。寄付をした方のお名前が上の引き出しに書かれていますが、まさかこれを設置するために作ったわけではないでしょうね…(^^;;;
引き戸の中に人形やいちごに関するトリビアを入れておいて、開けてビックリ!なんてからくりを作ると「いちご電車」の楽しみが増えそうな気がしますが…いかがですか?


天井は蛍光灯や吊革こそ変更があったものの、冷房の吹き出し口をはじめほぼ現状維持といった格好に留まっています。改造前の時点である程度スッキリまとまっていたので、そんなにいじる必要が無かったのでしょう。

ただ、ドア付近に照明が増設されており、その照明がまた良い味を出しています。
変に気取ることなく、直線的な天井のデザインにさりげなく溶け込んでいます。


一方、再三再四取り上げている床はフローリングになりました。日常生活では当たり前のように用いているわけですが、この何も飾らないフローリングが味があってステキだと思います。
ぜひ、靴の裏で木の感覚を味わっていただきたいところです。

 
ドア周りも実に目立つ!赤!!とここまではJR九州で魅せた技ですが、いちご電車ではさらに白抜きでいちごのアイコンを載せています。特にでかい片開き扉に対して実に可愛く見えます。
惜しむべきは鴨居部の広告枠。どうも周りが銀を排して中の広告も赤で色を統一している中で、広告枠の銀が照明に反射してうるさいのです。特に車端部寄りに設置されている両開き扉の鴨居部。せめて茶色で塗って欲しかったなぁ。


側窓です。種車と変わらずの1段下降窓に、新たに簾を彷彿とさせるロールカーテンがつきました♪
…えぇ、場の雰囲気が一発で変わります。


座席は長〜いロングシートからです。基本的には種車のモケット違いといった様子で、袖仕切りや座席下のヒーターなどはそのまま使っています。故に奥行きの深い座面やバウンドが豪勢な座面はそのままで、おもちゃ電車のように「座っているのが微笑ましく見えるバケットシート」のような窮屈さがありません。見た目は少しインパクトが小さいものの、閑散とした時間帯は寛げるのではないでしょうか。


この座席のエライところが、このところどころに挟まっている肘掛です。
これがあるおかげで長い座席の真ん中でもゆったり座ることができます。肘掛の短さは別ですが(^^; 木へのこだわりも垣間見られます。

木へのこだわりといえば、車端部の座席もガラリ変わりました。
画像は和歌山方先頭車のみ設置されている長い木の座席で、別に文書に引っかけて長生きできるわけではありません(^^;;;
背もたれのゴツさが特に災いしている格好ですが、長い時間の着席はちょっと敬遠したいところ。とはいえ、座布団が可愛いのでついついフラフラーっと吸い寄せられる魅力を感じます。


車椅子スペースの隣にも同じ座席が短いバージョンで設置されています。
座席下のヒーターは以前と同じものを使用しているかと思いますが、そのカバーは垂直かつ座面の端に近い位置で設置されており、特にお子様が足をバタバタさせるとぶつかりやすい位置に木を用いているような状態になっています。なんということでしょう、これではメンテナンスが後々大変な予感がします。格子は確かに遠くから見るとキレイなんですけどねー。


いちごがいっぱい。このモケットは普通に自宅や車の椅子に使いたいくらい可愛いと思います。
デザインの目的がはっきりしているので、余計デザインに対して理解が得られやすいということもあるのでしょう。

理屈抜きに可愛いと思います。



妻面には暖簾が掲げられています。走り出すとふわっと揺れるその動きが電車の中ではまだまだ新鮮です。
いちご電車は、みんなの電車。一期一会の新鮮な出会いを甘酸っぱく見守っているようにも感じます。


…考えすぎですね、はい。

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