上田電鉄  7200系「まるまどりーむ号」
 
  上田電鉄は「丸窓電車」としてもお馴染みですが、ステンレス車に塗装してまで再現するとは思いませんでした。7200系まるまどりーむ号です。
2005年に別の編成でお目見えし、7200系の多くの編成が廃車になった後も1編成が残っていましたが、2018年に惜しまれつつ引退しました。
現在は1000系に「まるまどりーむ号」が継承された他、最後に残った1編成はどこかでひっそり保存されているとか…。
外観のこの落ち着いた塗装、2両編成、沿線の雰囲気、とりわけ下之郷を出た後の大きなカーブが鉄道模型的な雰囲気でもうたまりません。この取材は車内学系webサイトの管理人が集うオフ会のヒトコマで「まるまどりーむに乗りたい〜」と散々駄々をこねた私が午後の出庫列車で引き当てるというまさかの展開の下キャピキャピ行われたものですが、どういうわけか令和の時代に引っ張り出してネタにするという有様…。また高架の上田駅に丸窓電車が返り咲く日が来ますように。
(取材・撮影 上田電鉄別所線・下之郷〜上田)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内です。丸窓電車の所以になった車両に近づけるためか化粧板に木目調のシートが貼られており、他の車両と一線を画した仕上げにドキドキしたものです。近年は天井周りの扇風機も懐かしくなりましたが、丁寧に整備されているせいか、この時もくたびれた様子は感じられませんでした。
乗車時はあまり気にならなかった記憶があるのですが、網棚から吊革、そして天井へ一つにつながった金属のパーツの曲がり具合が秀逸で、この系列の大きな特徴でもあります。東急7000系系列の譲渡車では見られないのが不思議なのですが、このあたりのパーツの選択具合はいつか登場時の車内の様子からその推移を見てみたいものです。


2両編成の車内をつなぐ車端部です。扉などは一切なく、幅広の貫通路がどどんと鎮座しています。上田駅の構造やワンマン運転の運賃収受を考えると車内の通り抜けはしやすい方が良いのですが、後継の1000系はよくある幅に狭まっています。結局、種車の都合ということなんでしょうか。
この部分に設けられることが多い優先席ですが、上田電鉄は乗務員室の後ろのロングシートが充てられています。故にあの大カーブをこの連結面で堪能できるのは何よりも面白そうなのですが、取材は残念ながら下之郷始発上田行き…。
木目調の壁は妻面にもしっかり回っています。


運賃箱はチラッと出ている乗務員室の仕切りです。どうもこのチラリズムが定位置の模様で、大きな仕切り扉もそのままの状態で運転していました。仕切りとドアの間は立席スペースになっており、運賃箱はさほど邪魔にはならないようです。
このポジションには整理券発行機も備わっており、無人駅は実質一番前のドアだけ開ければ乗り降りが済む格好です。その整理券発行機も左右両側に備わっているのが嬉しいところです。
そんな色々詰まった仕切りの周りにも吊革が備わっています。

 
天井周りです。乗車した時は盛大に扇風機が回っていましたが、丸みを帯びた天井に分散型クーラー。そして「ながの東急百貨店」の吊革を抜かりなく設置しています。種車の吊革を愉しむのが東急譲渡車の醍醐味ですが、いやはや東急と東急で置き換えるこのケースはまさにレアでしょう。ちなみに、後続の1000系にも何回か乗ったことがありますが、この手の吊革は見たことがありません。


ベージュの床です。やはり経年の割にはきれいだったと思います。


ドア周りです。丸窓は1928年のデナ200形では戸袋窓に設けられていましたが、この系列は戸袋に窓がないことから、3連窓の1つを丸窓に見立てています。よって、この木目の量が目に飛び込んできますが、ドア自体がスッキリしているので結構お洒落にも見えてきます。鴨居部や枠は従来の銀色のままです。
半自動ドアのボタンなどはありませんが、始発駅では乗務員室のすぐ後ろのドアを手動で開閉できるような扱いをとることもあります。その際は手で開けることになりますが、なかなかの重たさだった記憶が残っています…。


窓周りです。貼っている様子がよくわかる1枚です。1段下降窓なのでその気になれば開けられたと思うので、半沢直樹のドラマ映像で度々でてくる「太陽がぐわーっと上がるシーン」のように丸窓が下からぐわーっと出てくるような演出も可能だったと思うのですが、この時試さなかったのが悔やまれます。いや、やっていたら倍返しを喰らっていたかもしれません。サマーウォーズの例えが思い浮かばなくてすみません。嗚呼、さよなら夏の日。
そんな日射しが眩しい時はロールカーテンで丸窓を隠すこともできます。

 
座席はこの2種類です。優先席もモケットの区別はありません。蘇芳色のモケットでこの木目には良く合っていました。1000系のような東急譲渡車あるあるの硬めのクッションではなく、程良く沈み込んでいた記憶があります。浅めの奥行きに質素な袖仕切りという出で立ちにも懐かしささえ感じます。暖房能力を強化したようですが、座面から下は種車のまま、豊橋鉄道に行けば今も見ることができまる意匠でした。


見事なまでにシンプルな袖仕切りです。座面の端よりも少し引っ込んでいる点もポイントです。


ちょっと床に映った丸窓が良い雰囲気だったので、縦撮りで一枚。
 
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