富山ライトレール  TLR600形[hana PORTRAM]
 
  LRTとして2006年に富山港線から生まれ変わった富山ライトレール。利便性も向上しましたが、デザイン性や数々のイベントも話題になりました。今回ご案内するTLR600形は開業3周年を祝して運行された「hana PORTRAM」仕様になります。
2009年に半年間だけ走ったこの仕様、イベント列車としては珍しく車内にも装飾を施し、外装を子供地球基金が、内装をインテリアショップ「アクタス」富山店が担当しているとのこと。オンタイムでご案内するのは後者が中心になってしまいますが、前者も賑やかなイラストが全体に散りばめられ、見ているだけで楽しい雰囲気が伝わってきました。
運用は特に分けられていたわけではなく、取材も偶然出会って実現したものです。走っている最中、利用客には気になる存在だったのではないでしょうか。
(取材・撮影 富山ライトレール富山港線・富山駅北〜岩瀬浜)

 

 

 


車内全景からです。いやはや、実に賑やかな車内です。通常の緑の座席モケットは一切見られず、色とりどりのモケットが踊っています。1編成あたり前・中2ドアずつ、セミクロスシートの車内です。
元々車体幅が狭いため、通路幅を確保しようと座席配置に工夫をしています。それも「真新しさ」を感じる要素の一つ。明るい車内や大きな窓も開業当初は「真新しい」雰囲気で迎えられたことでしょう。この編成は装飾で窓にもステッカーが貼られていますが、今もそれらのデザインが色褪せる事はありません。

 
乗務員室との仕切りです。模様や装飾こそ異なりますが、機器配置は他の編成と全く同じ。片側出口の近くに運賃箱、中央部分に液晶ディスプレイを設置、右の画像のように次駅案内や広告などが流れます。
特筆できる事として、液晶ディスプレイの下や脇に蛍光灯の写り込みを防ぐカーテンや仕切りがありません。そのため前面展望や後方展望を満喫できます。ただ、富山駅北行きは先頭車両の最前部が一番混雑する場所。仕切り右側は車椅子スペースになっていますが、吊革も短い間隔で設置されています。


車端部です。幅の広い貫通路が2両を一つの空間に捉えるかの如くつながっています。この車端部のどこかに車両デザインを手がけたGK設計のロゴが入っています。近年富山ライトレールを含めてデザイン会社やデザイナーのロゴが車内に設けられるケースが増えています。デザインに対する価値が大きく高まってきているのではないでしょうか。
車端部には埋め込みの小さな蛍光灯も設けられ、お洒落ながらも実用的な空間に仕上がっています。


カードリーダーの設置部分から貫通幌を見ています。この車両だけの装飾ですが、ニョキニョキと茎が伸びています。このシールは実用的な部分もあり、さりげなく高さが書かれており、ざっと身長がわかるような工夫がされています。白でまとめられた無機質な空間に生えてきた彩り。キュートです。


天井です。冷房の吹き出し口は目立たないようになっていますが、装飾によってさらにその存在が薄らいでいます。中央には小さな丸い蛍光灯、両端にはカバーつきの蛍光灯を設け、明るさも十分。網棚はありませんが、室内高が低い上に乗車時間も長くはないので不便さは無いと思います。
吊革はGK設計のグループ会社がデザインに携わったJR東日本E233系と同じものを使用しています。


床は明るめのアイボリー。明るい色のフローリングを想定したのでしょう。
元々濃いめの灰色だったのでこのイベントに合わせて貼ったことになります。簡単かつ安く貼れるのであれば汚れ対策にも一役買いそうですし新たな広告媒体にもなりそうですが、果たして・・・?

 
ドア周りです。左の画像が入口扉、車内中央にあるものです。右の画像が出口扉、進行方向左側最前部にあるものです。基本的にはスタイルは出口・入口で異なる部分はありません。下まで伸びた扉、そして緩やかに傾斜のついた床が特徴的で、ホームの改良とあわせてバリアフリーも実現しています。
プラグドアのため戸袋窓は一切ありません。開け閉めの動作がもっさりしているのはやむを得ないとしても、開閉音が耳障りなのが気になります。もう少し静かに閉まると格好良いのですが…


その前扉の向かい側には車椅子スペースが設置されています。
大きな窓一枚分に取り回しの良い空間は前述の通り立席スペースとしての利用も兼ねています。
折り畳み椅子こそ用意されているものの、座席部分にたっぷり備わっているヒーターが無いのはちょっと頂けません。特にドアの真向かいで寒いのは見てわかる場所なので、余計気になります。
ただ、このコンパクトながらも洗練された空間は通常の色の床でも画になると思います。


車椅子スペースには補助椅子が設けられています。各座席にはこの車両「hana PORTRAM」専用のモケットが充てられていますがこの座席は通常と全く同じ仕様です。また、基本的には立席スペース優先という考え方なのでしょうか、座面が収納位置に復元する力が強く、座面を出してもまたすぐに元通りになってしまいます。
小さい座席なので仕方がないですが、思いっきりよりかかると反対側の座席背面にごっつんこしてしまいそうです。

 
クロスシートは2種類。片側は左の画像のような1.5人掛け、もう片側は2人掛けとして通路幅を確保しています。座席脇にはヒーターの吹き出し口が設けられており、ドアに近い座席の「暖」を確保する一方、冬場は触れると熱いです(^^;;
タイヤボックスなどの制限があるのでしょうか、いずれの座席も「段差」を上がって座らないといけないのが非常に残念です。つまづいたりしないよう気をつけなければならないわけですが、せっかくのバリアフリーもこれでは効果を半減させてしまっているようなものです。

段差が嫌な方はドア付近のロングシートを利用しましょう。

 
座席は非常にお洒落なモケットを使用しています。できれば常時使って欲しいくらい(^^;; 通常背もたれは緑のモケットなのですが、hana PORTRAMは専用のモケット・・・というよりもシートカバーを通常モケットの上に被せて使用しています。0.5人分のカバーがありませんが、それがかえって2人掛けとは違う雰囲気を作り上げています。

座席幅が狭いことが弱点ですが、それは車体幅故仕方がないところです。


ドア脇のロングシートも同じ座席を利用し、並べ方を変えています。外から見るとバックシェルとつかまる主のいない取っ手がそのままドドンと見えます。さきほどの段差が苦手な方はこちらをどうぞ、というか機器スペースと低床化に伴う車内構成の大変さが身にしみて伝わってきます。
座り心地はさておき、今後座面の柔らかさを維持するのがちょっと大変かな?という気がします。こまめなメンテナンスとホンの遊び心にも期待したいところです。

 
最後に側窓です。基本的には大きな固定窓を備えています。LED表示器がある部分だけ窓の大きさが小さくなっていますが、この「hana PORTRAM」はそこにも装飾を施しています。抜かりが無いです。

外にたくさんステッカーを貼り、窓にも容赦なくシールを貼ってますが…中から見ると常時シルエットクイズ状態(^^;; 糊側にもイラストが欲しい今日この頃。また区切りの年にはこういう楽しい電車を走らせて欲しいです。

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