土佐くろしお鉄道  TKT−8000形(ロングシート車)
 
  予備知識がないままに飛び乗ったローカル線。他の車両と同じ構成なのに、車内が他の車両と全然違ってビックリ…そんなあるある、ありませんか?そして、そのような車両の傍らには大体「宝くじ号」の文字…
今回紹介する土佐くろしお鉄道のロングシート車もイベント車両としての増備でした。1988年に5両、97年に2両、そして1999年にこの車両が登場しています。現在は他の車両同様に塗装が変わっていますが、市町村モチーフの塗装ではなく、だるま夕日号の愛称がついた、やなせたかし氏が描いたキャラクターも登場する外観にチェンジしています。だるま夕日というよりも、お餅に見えて仕方がないのはきっと、あの作品がパンだから…でしょう(^^;;
この日は普通列車の運用に就いていましたが、ホームページには貸切案内として、この車両の床に畳を敷いて、座卓を置いている画像もあります。
(取材・撮影 土佐くろしお鉄道宿毛線・中村〜宿毛)

 

 

 


車内全景です。前後2ドアの車内は端から端までロングシート。TKT-8000形独特の大きな側窓もそのまま、天井のハンドメイド溢れるイルミネーションこそ賑やかですが、他の車両同様シンプルにまとめられた印象は外観とは大きくかけ離れています(^^;;
車内の端から端まで伸びる吊革に広い通路。そこに通勤通学の需要を感じるかと思いきや、天井には観光バスで見るようなシャンデリアがチラリ… イルミネーションもいいけど、そっちの輝きも見たいものです。


窪川方の乗務員室周りです。このあたりは他の車両と同じように半室構造の運転台や折り戸がスタンバイ。この車両だけのカバーつき蛍光灯はドア付近にも備わっています。いつの間にか運賃表示機は液晶ディスプレイに置き換わり、整理券発行機も一新されていますが、デザインは公式サイトに通じる、少しこだわっていると思える一面も。格好良いのも良いけれど、この車両においては外観のような可愛さも欲しいものです。
右の方、座席の端に見えるコードはイルミネーションのものです。


宿毛方にはトイレと車椅子スペースが備わっています。この画像、イルミネーションの網の奥に丸い物がぶら下がっていますが、これがこの車両のウリ、シャンデリアです。車椅子スペースのお客さんにも煌びやかな様子が伝わる配置ですが、乗務員さん、気になりませんか(^^;;
相変わらずこれでもか!と貼り紙の多いスペースです。

 
トイレと車椅子スペースです。トイレは他の車両と同じスペースで展開しています。車椅子スペースは手すりと固定器具がスタンバイしていますが、固定器具は後から設置したようです。近年、さらに黒いカゴに結束バンドが何本か収まっています。自転車をそのまま車内に持ち込める「とさくろサイクリング」で使うようです。ホームぺージに使い方が出ていますが、手すりと自転車、あるいは自転車どうしを結ぶようです。土佐くろしお鉄道では主要駅で輪行袋を貸し出すサービス(無料!)もあるそうで、宿毛駅での乗り降り、揺れによる自転車の接触やボディの擦れが気になる方はそちらを利用するのも一考です。


天井周りです。1988年に製造された車両と1997年以降に製造された車両で天井の形状が異なっており、この車両も1997年製造の2両と同じ、冷房の吹出し口が窓側に設置されたタイプになります。
この車両に限っては蛍光灯にカバーがつき、シャンデリアが3か所に設置されているだけでなく、荷棚の形状も他の車両とは異なる、少し飾り気を感じるタイプのものを採用しています。そして、他の車両と同じく、主に大きい側窓の部分には荷棚がありません(^^;;


床です。土佐くろしお鉄道の他の車両ではあまり見ない、深緑色。他の車両の色合いが明るめで調えている中、独特です…。
優先座席の紹介は床にもあります。

 
折り戸の側扉です。TKT-8000形を鉄道趣味誌で確認するとキハ31の名前が出てきて驚いたモノですが、側窓、そしてこの折り戸には大いに関連性を感じるものです。ただ、こちらのドアには半自動ドアについての案内はなく、恐らくそのような使い方は想定していないと思われます。
ステップが備わっており、床にも黄色い枠を書いて注意喚起をしっかり行っています。


土佐くろしお鉄道TKT-8000形の特徴と言えば大きな側窓です。この部分に転換クロスシートが…と思って乗ると、皆さん窓を背に座っていてビックリ(^^;; でも、空いていればロングシートから見る景色も尚良し。窓枠には貸切列車で使う照明もありますが、それこそロングシートの頭上…大きさは控えめです。
小さい窓は下から上に開けることができますが、こちらも近年珍しい存在になりつつあります。

 
この形式の長〜いお付きあい、ロングシートです。トイレのある側は20人掛け、反対側は24人が一度に座れ、座面には着席位置を示す縫い付けもあります。蹴込み板の白は他の車両と一緒で、オレンジ色の柄のモケットとは良くあっています。
バケット形状ではないので思い思いに座ることもできますし、何なら柔らかい座り心地は忘れていた何かを思い出させてくれるようなモノがありますが、少し落ち着かないように感じるのは…JR四国のキハ54形のように、途中に肘掛けが入らないからかもしれません。
袖仕切りはパイプ形状の簡素なもので、これは他の車両と一緒です。

 
最後にこの車両の特徴を。素敵なスピーカー、そしてシャンデリアです。
サロンバスに乗る機会も年々減っている中で、光っているところを見たらテンションが上がるんだろうなぁ…と思う、素敵なシャンデリアです。…誰ですか、何かの像の頭に見えるとか、松平キャスターがやっていた夜7時のニュースのオープニングに見えるなどと言っている人は?!
…光っているところ、いつか見てみたいなぁ…。
 
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