東京モノレール  2000形
 
  今はすっかり美白の人となってしまった2000形ですが、登場時はブラックフェイスのキリッとした表情にところどころ赤と青でアクセントを添える、なかなか格好良いスタイルでした。コドモゴコロながら「これが未来の東京モノレールかぁ…」とワクワクしたものですが、製造は輸送力増強を目的とした4編成に留まり、見かけることは見かけるものの、なかなか乗る機会には…という存在になってしまいました。
1000形の置き換えは10000形に託されることになりましたが、2000形で採り入れられた車内構成、とりわけ混雑対策は10000形にも引き継がれているように見受けられます。
このコンテンツでは車内外をリニューアルした後、2021年に取材した様子をまとめてご紹介します。リニューアル後も4編成とも在籍し、普通列車から空港快速まで何でもござれの活躍っぷりです。
(取材・撮影 東京モノレール線・浜松町〜羽田空港第2ビル)

 

 

 


中間車の車内全景です。旅客流動を考慮して片側ロングシート、もう片側を固定クロスシートでセッティングしました。後継の10000形を見てから言うのは卑怯かもしれませんが、ドア〜ドア間の荷物、特にスーツケースを収納できるスペースが限られているのには少し心配になってきますが、この車内構成で空港需要に対応できた実績を考えればこの構成でバッチリ!なのでしょう。
ドア〜ドア間のクロスシートは車両によって進行方向右、左…と振り分けられています。


一方、先頭車両は両側ともロングシートで登場しました。浜松町駅の構造というよりも羽田空港ターミナルの3駅が両先頭車付近に階段があることを考慮しての構成かと思われます。私はよく第2ターミナルを使うのですが、進行方向前の階段は関西、九州方面、後ろは東北、北海道方面…の感覚でいる手前、とっさの京急で慌てふためくことになります(^^;;; 後年車椅子スペースの反対側に機器スペースができましたが、この機器スペースは10000形、1000形にも設置されています。


乗務員室後ろ、ドアまでの区画は床が1段高くなっています。リニューアルで段差に対する注意書きが増えたような気がしますが、確かに「電車の中に段差があるなんて…」という人の方が多いと思います。画像向かって左側、運転席側の照明は若干暗いので混んでいる時は足元に注意です。
1000形の構成を一新した2000形、荷物置きと窓側に向いて座るロングシートを4席配置しました。取材班は顔に自信が無いので窓側を向いて座るロングシート、それも混むと窓と座席の間に立客が入るロングシートは苦手で、顔に自信がなくても(^^; 前面展望がし難い、混雑すると通路たる部分を形成しにくくなる、手すりは窓の上にあるものの何かの拍子につい窓に手をついてしまいそうになる…と、沿線のジュースの看板の如く気になるところがポンポン出てくるわけですが(^^;;; 10000形はクロスシートに戻りましたとさ。


先頭車には車椅子スペースが備わっています。混雑状況を思えばここにも荷棚と同じくらいの高さに手すり欲しかったところですが、窓の下辺に合わせた手すり、車椅子の固定器具、非常通報機が備わっています。非常通報機が窓の下でやや目立ちにくいせいか、ちょっと離れたところに案内表記を貼っていますが、それも窓の下…(^^;;
ちょっと高い位置にはなりますが、ロールカーテンが備わっている点はなかなか嬉しいものです。


車端部は基本的にはこの構成になります。クロスシートは全ての車端部で東京湾側に設置されているため、車端部によってクロスシートが右左入れ替わりますが、それ以外の座席配置などは同じです。
登場が1990年代後半ということもあり、妻面に貫通扉がありません。従って貫通幌が躍動する姿も、急な勾配もクリアに見ることができます。風の通り抜けが強そうな印象を受けますが、乗車した時はドア〜ドア間に座ることが多かったせいか、あまり気になりませんでした。
今回の取材、広告枠の下地の緑色が何回か画像の中で登場します。クロマキーではありません(^^;;; 登場時からこの緑色は変わらないのですが、下地が見えているということは広告の出稿が少ないわけで…嗚呼、冷たい風が沁みます。


天井はドア〜ドア間のラインフローファンを中心に据えた画像でお届けします。車端部は天井高の関係か吹き出し口のみの設置になります。一方、車端部では天井直付けの吊革をこの形式でも見ることができます。その吊革、優先席付近は黄色いものを使用し、ここにも広告枠を意識したパーツがつけられています。1000形では吊革までバリエーションがありますが(^^;; 2000形は見た限りこのタイプのみのようです。


床は紺をベースにしたモザイク柄で、なかなか美しいものです。ドア周りは黄色いシートで区別しています。
10000形、1000形とは趣きの異なる柄は登場時からのリニューアルで登板したものになります。モケットとの相性もなかなか良い反面、段差の呼びかけが賑やかになる理由もなんとなく床にあるのかなぁ…と余計なお節介までついついしてしまいます。

 
ドア周りです。登場時は右の画像のとおり路線図を入れるだけ(!)でしたが、その後千鳥配置で路線図式の案内表示機、そして液晶ディスプレイが設けられています。10000形のように最初から液晶ディスプレイを入れる予定があればここまでキツキツにならずに済んだ鴨居部、荷棚の上のターミナル別航空会社一覧はもう少し見やすい位置に貼った方が…(^^;;
片開き扉から両開き扉になりましたが、大きい窓、白い化粧板に変化はありません。確かに片開き扉の1000形よりも気持ち全開状態が早いと思います。

 
液晶ディスプレイの鴨居部でも路線図は掲出していますが、文字が小さいので反対側を見た方がわかりやすいと思います。その液晶ディスプレイは次駅案内を行先やご案内などをフレキシブルに流しますが、一番見ていただきたいのが終点の後に表示される「TOKYO MONORAIL」のロゴ。スピード感あふれるロゴは横長の画面にピッタリです。


次駅案内を出した状態の液晶ディスプレイです。画像では種別が少し見難いですが、実際に見るときれいに発色されています。そしてターミナルが分かれていた頃がすっかり懐かしくなってしまいそうなスターフライヤーに関するご案内。これも自然と元のターミナルに足を運びそうな人がいてもおかしくなさそうです…。


窓です。大きな窓は景色の良いモノレールのウリですが、ドア〜ドア間で1か所LEDの行先表示器をセットした関係で、少し窓の大きさが小さくなっています。その部分も広告枠に使ってしまおうという作戦に抜かりの無さが垣間見えますが、ロールカーテンをちゃんと表示器の下に設置したのはエラい!です。
この窓周りを含めた化粧板の色、荷棚の装飾は登場時から変わっていない部分になります。

 
ここから座席です。落ち着いた青と赤のツートンの座席が2000形のウリでしたが、今や波模様の鮮やかなモケットがお出迎え。
10000形っぽく見えないのですが、格好から入れば…とばかりに10000形と同じ模様のモケットを採用しています。
中間車のドア〜ドア間9人掛け、先頭車の同ポジションの6人掛けのロングシートからご覧いただきます。
モケットの変更程度なので袖仕切りの形状に変化はありません。ただ、先頭車の座席は機器スペースを置いたため短くなっています。袖仕切り内側はモケット張りなので、このスペースにもモケット貼ってくれれば良いのに…(^^;;
1990年代の新車ではそこそこ見られたバウンドをあまり感じないタイプのバケットシートで、型枠にはまりながら座り、立つときに「よっこいしょ」と思わず言ってしまいそうなモノです。


優先席モケットは黄緑の波模様、ロングシートの優先席は先頭車のみの設置です。以前は座席モケットを全席共通にしていたためステッカーで判断することしかできなかったものですが…これならわかりやすくなりました。
独特の形状の袖仕切りは他の袖仕切りよりも高さが低いのは仕方が無いとして、縦方向の手すりはあっても良かったのでは、と思うこともしばしば…。

 
車端部、中央部分には4人2組で背中合わせになるロングシートがあります。いわゆるトロッコ列車にあるような後ろを気にしながら座りそうなロングシート、10000形では5人掛けの区画ですが、2000形は4人掛けです。2000形はドア側の荷物置きがその分広い格好ですが、思えばこの荷物置きのイラストも登場時にはありませんでした…。
ほんの少し座面が高いかなぁ…と思うとともに、リニューアル前は特に座面のラインが歪んでいる座席もごく稀に見られて、疲れがダイレクトに伝わる座席でした。そう、この車両が登場した時は「24時間戦えますか〜♪」の歌はもう世間からは飽きられていたのです。

 
乗務員室背後の4ん掛けも車端部と同じ4人掛けの窓を向いて座るロングシートが登板しています。違いは…片一方が壁になっていることくらいでしょうか(^^;;; それにしても、なぜわざわざ暗い方から撮る…(-_-

 
車端部、東京湾側のクロスシートは3席設置されています。こちらはなぜか背中向き合わせのクロスシートでも間を離して設置しています。そして、妻面に近い座席のガッカリ感たるや…長く乗ってもじっとこらえる前に着きますので、隣にちょっとした荷物を置ける悦びを噛みしめましょう(^^;;;
車端部のクロスシートは足元が狭く、特に妻面のおまけ席(^^;のおまけ感を増幅させているくらい狭いです。一方、肘掛けが無いので空いていたら足を通路側に逃すこともできます。制約の多い空間を如何にうまく使うかは1000形からの悩みの種だと思いますが、妻面のおまけ席(^^;;;を1人掛けで設定したのは良い判断だったと思います。


中間車、ドア〜ドア間のクロスシートです。4人掛けを3組設けていますが、戸袋部分に窓が無いため、眺望が今一つの座席もできてしまいます。フレーム自体は登場時からの変化は無いものの、紺色だった肘掛け下のフレームは白色に模様替え、結構フレームが目立つ座席になりました。端の席の手すりがヘッドレスト上に移りましたが、実は1000形とフレームの差はあまりないのでは?と思います。

 
横からの画像です。右の画像は優先席のクロスシートになります。各車両とも中間車は端の2席だけが優先席になります。
乗車時間が短いのであまり気にしすぎても仕方が無いのですが、座面のバケット形状が1000形よりも強調されているような印象です。背もたれも縫い付けの幅が広めで、模様に溺れてしまいそうになっても十分目印としての機能は果たせています。
定員どおり着席すると窓枠の出っ張りが無性に気になりますが、そこまで神経質になる乗車時間ではありませんので、まずは乗った後、お手元のスーツケースを暴走させないようになんとかしましょう(^^;;
 
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