東急  東横線8000系[更新車]
 
  1969年に登場し、東急の一時代を築いた4ドアの通勤車、8000形。8500形などの原形にもなったり、ワンハンドルを初めて取り入れるなどの新技術を取り入れたりするなど、先駆的な役割も兼ね備えた車両として、東横線や大井町線などで活躍しています。
今回は1990年代に、通勤に主眼を置いた更新工事を行った車両の車内を取り上げます。外観の特徴はこの歌舞伎顔と呼ばれる顔です。単調になりがつな切妻面をデザインで個性的に仕上げています。ただ…外観、内装もバリエーション豊富なのが良くも悪くもこの8000系の特徴、加えてかなりの数の廃車が行われているので今回はその中の一つということで捉えていただければと思います<(_ _)>。
今回取材した中の一つ、8026号車も取材数ヶ月後に廃車、インドネシアへと輸出されています…
(取材・撮影  みなとみらい線/元町中華街)

 

 

 


車内の様子です。パッと見9000系と見間違えそうな感じですが、そこは8000系。細かいところを見て行くと8000系らしさがでますよ〜。車内構成は4ドアロングシート、東横線初の20m車になります。
気になる更新工事の内容ですが、車内では主に化粧板を白に張り替えたり、2・7号車への車椅子スペースの設置、座席の7人掛け化と中間の仕切り、スタンションポールの設置(これは更新工事完了時には取り付けられず、後日取り付けられた車両もあるようです。)などになるようです。定員着席への挑戦がほのかに見られる座席の模様はまた後ほど〜。
それにしても、いつ見ても暖かい車内です。
横浜への観光というイメージよりもGO SWEET HOME♪ってノリになれそうですよね(^^;;


乗務員室との仕切りに突撃してみます。T←→Yの広告がいけてます♪
大きな窓、そして大きくとられた乗務員室への扉が凄く印象に残ります。ザ・3等分と言えそうなほどの大きさに、始めて見た時にはちょっぴり唖然でした。でも、前面展望はかなり楽しめそうですね。
吊革は先頭までガッツン伸びています。渋谷駅の出口に一番近いのが渋谷よりの先頭車こと1号車。結構混むスペースになります。そういえば桜木町があった時も一番出口に近い車両は桜木町寄りの先頭車、8号車でしたっけ・・・。
ちなみに取材後の2005年7月より、8号車は平日のみ終日女性専用車になっています。


一方車端部の様子です。貫通扉は一部の車両のみの設置で、画像のように貫通路の渡り板が車内から丸見えになっている車両もあります。先ほどの仕切りもそうでしたが、窓枠の取り方が随分直線的ですね。その一方で、天井の丸みをかなり感じる事ができるスペースにもなっています。画像からも実感して頂けるかと思います。
消火器は網棚の下に宙吊りになっているタイプ。これ、座る人によっては顔の斜め上に消火器がででんと来る事になるわけで…うるさいといえばうるさいですが、他にスペースが作れないとなれば仕方が無いのかもしれません。


天井の様子です。中心部はさほど目立ってはいませんが、丸みを帯びた天井に分散クーラーと扇風機がどかんと設けられています。分散クーラーは屋根に相当する部分にある室外機と同じ数だけあり、ゴキブリホ●ホ●をひっくり返したような感じで設置されています。吹き出し口を斜めにカットしてできるだけ広範囲に冷風が届くようセッティングしてあります。
その冷房の効果を高めるために登場するのが扇風機。昔懐かしい「東芝日曜劇場」の筆記体"TOSHIBA"ロゴがカバーに入っており、車内全体の雰囲気とは逆行しつつもしっかり8000形が完成した当時の面影を残しています。
ということでご一緒にマイクを握ってどうぞ!(イントロ)♪光る、光る東芝〜(以下自主規制

それにしても吊り広告の「非日常口」。東武のスペーシアの広告で、懐かしいですね。初めて見たときはこの広告のセンスに驚いたものの、二番煎じの某公共ギャンブル事業のCMはしっかりデザイン主に止められてしまいました。権利の関係なのであーでもないこーでもないなんて言えないですが、非日常口がお蔵入りになってしまったのは残念です。


床です。見事なブラウン一色はモケットや化粧板との相性も良好。
フットラインなどは特にないものの、長年の疲労がどことなくそれの役割を果たしてしまっているようで・・・


ドア周りの様子です。先ほどとは打って変わって曲線的な、押さえゴムのあまり目立たないスタイリッシュな窓フレームになっています。そして毎度登場のヘソ出しルック熊さんがいい味出してます(^^)
鴨居部は無塗装で、トア脇の銀の縦押さえと共に「ドアだぞ!!」なんて一体感を出しています。
なお、戸袋窓はありません。


さて座席になります。まずはドア〜ドア間の7人掛けからです。
新造された当初は8人掛けだったそうですが、やはり窮屈だったのと、着席定員に主眼を置くために更新工事の際に手前から3人+4人の計7人掛けに変更、間にちょっとしたアームレストを設け、モケットも色分けを施しました。
9000系でも同様の改造が行われており、そこで成功したから8000系でも・・・という段取りだったようです。そして、アームレストの前の部分にスタンションポールが追加されています。

7人掛けのモケットは3人掛けがオレンジ、4人掛けがマーブルという色、すなわち茶系の物になります。なかなか良いコンビだと思いますが、皆さんはいかがですか?


中間のアームレストです。非常にか細く、1人分の腕が辛うじて乗りそう…といった具合です。プラスチックで覆っているから「肘掛」っぽく見えているのですが、もしそれが目的だとしたら役不足な印象は否めません。ただ、これが定員着席のための「仕切り」だとしたら十分役目を果たせていると思います。尤もスタンションポールでも同じような役割を持たせる事は可能で、実際東急では他系列でスタンションポールに役目を譲って肘掛を撤去した事例があります。で、個人的な感想だと、アームレストとスタンションポールの併用こそが、立客にも座っている客にも優しい、最強の環境だと思います。

 
実はマーブル柄の座席は3人掛けにもあります。車端部の3人掛けの様子です。
先頭車など一部車両ではこのモケットでも車端部をまとめて優先席扱いにしている事があります。
袖仕切りは肘掛も兼ねたタイプで、立客との干渉も考慮された設計になっています。

で、座り心地は・・・良かったらしぃですよ、昔は。リサイクル可能なウレタンにクッション素材を変更してからは、今のようにあまり沈み込まない、不安定な体勢を強いられる座席に化けてしまったようです。正直周りに支えが無いとよろけてしまう事も考えられます。リサイクルの代償としては、結構大きいものがあると思います。


そして本家本元のシルバーシート。やっぱり東急はこうでなくっちゃ。口で説明するまでもなく、ちりばめられたシルバーシートマークにうっとりしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか(^^;;;
モケットは紺地。たまたまですがグラデーションっぽい雰囲気になっていていつも以上にきれいさが増しています。
うん、ここまで説明要らずのあなたは素晴らしい。感動した!(ぇ

 
最後に2号車と7号車に設けられた車椅子スペースです。パッと見座席を取り払っただけのもので、バーが窓下に追加されたり、画像右のようにちょっとしたスペースにモケットを貼ったりしているものの、簡素に見えます。
それにしても・・・画像右のモケット張りの発想は見事です。立客の事も考えたこの配慮に脱帽。止まり木のような感覚で、ちょっと混んでいるときなども気軽に利用できそうです。
 
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