東京急行 池上線・多摩川線7700系 | ||
この東急の蒲田駅って京急の品川などと一緒でどこか独特な雰囲気がするわけですが、今回はこの高い天井の蒲田駅を軸に多摩川〜五反田まで走る7700系の車内をご覧頂きます。 元々7000系としてデビューしたものの、機器の老朽化や車体の大型化などの関係で昭和62年にまずVVVF化されます。その後目蒲線に転籍し、冷房化改造を受け、その際車内も1000系レベルに整備されます。 さらに池上線のワンマン化に対応する編成が登場し、それらは画像のような「歌舞伎塗装」で区別されていたわけですが、その後目蒲線から切り離された多摩川線もワンマン化となり、現在は池上線・多摩川線の共通車両として活躍しています。・・・ふぅ、なんだかややこしいなぁ(^^;;; 都会を3両で駆け抜ける姿は気分爽快。しかし、山手線や京浜東北線から乗り換えるとあまりのギャップに戸惑いが…(^^;;; (取材・撮影 東急池上・多摩川線/雪が谷大塚〜多摩川) |
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車内全景はいつもよりもショート・ショートにお届けしています。 東急を普段から利用している方はきっと「あ、やっぱり東急だ〜」と思うはず。座席モケットなどのカラーコードが当時の9000系や現在(モケット交換後の)8000系や8500系と全く同じ。もう全面に「東急というのはこういう雰囲気なんだ!!」と、押し出しています。しかしながら・・・そこに7700系独特の雰囲気が加味されれば、東急っぽさから一歩離れて「あ、やっぱり池上線や多摩川線の7700系だ〜」と思うはずです。側窓が2段窓、そして微妙に長い座席を生み出した18m3ドアというスペック。さらには車掌が後ろにいないワンマン運転も。沿線の風景も含めて、きっと田園都市線や東横線では味わえない雰囲気が出ていると思います。 乗務員室との仕切りを少し遠めに見ています。 ブラインドが無いわけではないと思いますが、途中トンネルを通るため、中央の乗務員室への扉、そしてその左隣にある計2枚の窓ガラスには着色ガラスが使われています。 少し乗務員室への扉が中央から右にずれているのが気になりますが、ワンマン機器を搭載しても前面展望ができるくらいの大きさの窓が設けられるようです。あ、ちなみに言い忘れていましたが(^^;池上線と多摩川線は「都市型ワンマン」になります。いわゆる車内での運賃収受は行わずに、車掌業務のみを運転士が兼務するというものです。従ってワンマンとはいえど運賃箱や運賃表示機は登場しません。この路線、3両でも結構お客さん乗ります。 中吊りで見えない部分には号車札や禁煙プレートがあります。 逆サイド、車端部の様子です。1箇所だけ車椅子スペースがありますが、他の3箇所はこのように両側に4人掛けのロングシートが設置されています。窓は2段窓なので真ん中に桟が入り少しうっとうしいかもしれませんが、貫通扉が3両ともついておらず、貫通路を通じて車内の端から端までゆーっくり見渡す事ができます。この開放感はなかなか良いと思いますが、車内を風が吹き抜けるので冬は少し寒いと思います。 天井を見ると、そこには丸みを帯びた世界が現れます。 元々非冷房車だったこともあり、極力車内を広めに作ったのでしょう。その車内にポツリとあるのが扇風機。非冷房時から今日まで涼風をお届けしているわけですが、メーカーはなんと、かの有名な…東芝製!そうです、あの筆記体の「Toshiba」です! ♪ちゃっちゃっちゃーちゃちゃちゃーちゃー 光る、光る東芝〜(以下自主規制 本日は前奏つきでお届けしました(^^; 弘南鉄道など7000系として譲渡された車両の中には「東急百貨店」などの宣伝が刻まれた吊革を使っている車両が今なおありますが、東急7700系の吊革には何も宣伝は刻まれていませんでした。ちょっと残念。 こちらが冷房、少し下から見上げた格好ですが、いかにも効き目がありそうな器です(^^; 台数は多くはなく、扇風機のサポートが不可欠ですが、「屋根に重いものを載せると車体が壊れる」といわれるほど車体の枠組みが少し弱い存在でもある7000系の生まれ変わりがしっかり冷房を載せているだけで、「お、やればできるじゃん!」なんていう気持ちになります。実は冷房搭載の際に車体枠などを強化しているそうで、ニボシと牛乳とレバー、どれに効き目があったのかが気になる今日この頃です。 床はシンプルにブラウン一色。当たり障りの無いカラーセレクトです。 ドアです。東急なのでズボンはいていない疑惑でお馴染みの熊がついています。右の画像は拡大版ですが、いやーものすごいノリノリですね♪ 両開きの扉はガラスの押さえが気にならないスマートなもの。窓も大きく確保されていますが、ちょうど大人も子供も目線にぴったり合いそうな位置にステッカーが貼られています(^^; また、ドア周りのスペースがやや不足気味かな…という印象もあります。座席幅をぎりぎり一杯に拡大した成果だと思いますが、両端に人が立ったら少し乗り降りに支障がでそうなスペースになってしまっています。 座席、まずはドア〜ドア間の座席からどうぞ。茶色い部分は3人掛け、オレンジの部分は4人掛けといった具合で合計10人が座れるようになっています。座り心地は座面の硬さが若干気になりますが、乗車時間があまり長くない池上線や多摩川線ならさほど問題は無いと思います。 この座席、実は着席定員のテクニックが仕込まれています。それは、オレンジと茶色の間にある仕切りです。 袖仕切りと比較しても「肘掛け」としての側面が目立った仕切りになっているのがおわかり頂けると思います。この仕切りを3人掛けと4人掛けの間に2箇所設けることにより、普段は両端の席よりもあまり人気が無い真ん中の席にも座ってもらい、かつ定員どおり3人・4人・3人と区切って着席できるような作戦に出たのです。 この仕切り、個人的には真ん中の席への誘導だけでなく、座ったり立ったりする時の補助になったり、よろけそうになった時の支えになったりするなど、結構使い勝手はあると思いますよ。 ただ、この仕切りそのものはあまり普及せず、やがて立ち客にも配慮したスタンディングポールへと変化していきます。 ところでこの仕切り、最近は外側のコーティングが剥がれてきて、中が丸見えになっている物もあります(^^; ちょっと古びたプラネタリウムの肘掛のような哀愁を漂わせています。(By古びたプラネタリウムがある市の住民。最後にプラネタリウムに見に行ったのは「夏休み特集:宇宙戦艦ヤマト」の時だったかなぁ) 車端部は4人掛けながら茶色のモケットになります。今回取材した編成の中にはオレンジ色の車端部シートはありませんでした。この座席はさすがに余裕があるせいか、3人掛けで使用している姿はあまり見かけませんでした。 しかしながら・・・ずいぶんと賑やかな背景ですね(^^; 実はこの区画、優先席なのです。一部の車端部を除いて、このような指定を茶色のモケットの座席が受けています。そして、この編成にはシルバーシートモケットが存在しません!むむむ、そこは東急らしくないぞ!ステッカーのみの判別になります。 あわせて携帯電話OFFの部分にも該当するので、壁という壁に携帯電話OFFの帯を貼ってアピールしています。おかげでここだけ賑やか!吊革まで色を塗って、何かのお祭りでもありそうな様相ですが、しっかりマナーは守りましょう。 そのような設備に関連して、多摩川よりの先頭車には車椅子スペースが設けられています。 ・・・この存在をすっかり忘れていて、トンネル状のホームになっている多摩川で慌てて撮りました(^^;;; バーが増設されている他、下窓・上窓両方とも固定されており、安全面に配慮したスペースになっています。目立たない車椅子マークですが、その存在は大きいです。 おまけ。昭和38年製造の車両が、歌舞伎塗装を施して今なお頑張るその姿に「若いねぇあんちゃん」と声をかけたくなります。登場1年後にオリンピックを体感したこの車両、果たしてもう一度オリンピックを体験できるのかっ?! |
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