東京急行電鉄  2000系
 
  9000系そっくりの顔ですが、田園都市線の増発用として3本在籍するのが2000系です。1992年に製造されています。
そっくりなどと書きましたが、それもそのはず9000系と部品などの共有化を図っており、側窓の大きさなども揃えてあるとのこと。近年はスカートを取り付けたり、前面の方向幕をLED表示器に変更したり、登場時の面影が少しずつ減っていっています。登場時の面影・・・というだけで、特に9000系らしさが減っていっているわけではありません。
現在も田園都市線や東京メトロ半蔵門線で活躍していますが、少所帯故に東武伊勢崎線などには乗り入れることが出来ず、それが仇となってしまい日中は車庫で寝ている編成の方が多くなってしまっています。果たして、東武線乗り入れ不可を表す正面の「Kマーク」が取れる日は来るのでしょうか・・・?
(取材・撮影 東急田園都市線・中央林間〜青葉台)

 

 

 


車内全景です。画像は先頭車の模様で、スタンディングポールが座席に設けられた3号車、9号車は若干印象が異なってくると思います。更新前の9000系や1000系と同じ色合いで、90年代前半における東急の車両作りのイロハが色濃く反映されているように感じます。4ドアロングシートの車内です。


乗務員室との仕切りです。外観とよく似た、直線的な作りになっています。乗務員室への扉も若干右寄りに設けられていますが、これは非常扉と位置を合わせ、運転席部分を広く取るための手段です。前面展望もこれだけ窓が大きければ悪くないと思いますが、地下鉄線内ではさすがにカーテンが下ろされると思います。
吊革は仕切りギリギリまで設けてあります。


車端部です。まずは両側に座席のある区画から。優先席は周りに黄色い帯が貼られており、吊革の色も変えるなどの工夫が施されています。でも、よく目立つシルバーシートマークのモケットはそのままです(^^;;
妻窓がある分開放感は得られますが、無塗装の銀色扉がおとなしめに見えるなど、作り慣れている雰囲気は十分に感じます。


それに対して、これはいかがでしょうか。3・9号車にある車椅子スペース部分の車端部です。貫通扉が非常に斬新な事になっています(^^;; とにかく三角形に切り取られた窓の部分がこの形式の一番象徴的な部分といえるでしょう。思えば小田急もRSEで三角形の窓を作っていた頃で、デザインに特徴を持たせようとする動きが流行っていたのかもしれません。尤も無塗装の銀色というのがなんとも寂しいところではあります(^^;;

この形式は他にも、カーテンに沿線名所を描いた柄を用いたり、モケットも柄物にするなど、雰囲気の改良を試験的に行っていましたが、いずれも劣化が目立ったことから撤去され、車内で今も残っているのはこの貫通扉と3・9号車に設けられた座席のスタンディングポールくらいとなっています。そして時代は流れ、外観も、内装も、画一的なデザインを好むようになっていきます・・・。

ご静聴ありがとうございました(^^;;

 
車椅子スペースです。右の画像のとおり、デッドスペースにモケットが貼られており、ちょっとした止まり木感覚で立客も利用できるのは素敵な配慮だと思います。車椅子をご利用の方もこのポジションを肘掛け代わりに使えるかもしれません。
ただ、車椅子スペースとしては他に握り棒があるくらいで、必要最低限といった雰囲気になっています。


天井です。ラインデリアが大活躍する中央部、そして両脇には蛍光灯というお馴染みのフラットな天井になっています。この形式に限ったことではないですが、ラインデリア稼働中、吹き出し口の中でチラッとラインデリアのステッカーが見えることがあります。三菱電機のロゴも貼ってあり、扇風機のカバー同様にその存在感を多分に発揮しています。


床です。茶色一色。意外と明るい車内では引き締め役も買っていそうです。

 
両開きで重々しい開閉音が印象的な側ドアです。LED表示器が千鳥配置になっている関係で、鴨居部がLED表示器に変更された区画と新たにドア開閉案内が設けられた区画に二分できます。
ドアそのものは無塗装の銀色で、思った以上にドア周りが窮屈かなぁという印象を抱きます。それでも握り棒や吊革は充実しており、混雑に耐えうる設計はドア前でも発揮しています。
それにしても・・・シールも広告も何も無いモノクロ写真で見せられたら・・・東急はおろか、JRの205系あたりとも間違えそうな予感がします。

 
鴨居部をドアと同じ並びでクローズアップしてみました。ドアの上にも握れる部分がありますが、それよりも更に存在感を増してLED表示器が設けられました。
3色のLEDで、二段表示を行いながら行き先や停車駅、次駅案内などをこなします。二段表示である分、文字が小さくなってしまいますが必要な情報をピックアップする機会が増えるので使い勝手はまぁまぁかな、と思います。東証の株価ボード並みの速さになったら大暴落の勢いでツッコミますが(^^;;こちらは誰もが読みとれるであろう緩い速さに設定してあります。


そしてこちらがドア開閉案内です。ドアのチャイム、そして小さな小さな文字で「こちら側のドアが開きます」という表示がでます。非表示状態の画像ですが、文字そのものは上にある東急ハンズのロゴよりも小さいくらいで、スピーカーとしての役割の方が大きそうです。この機会もLED表示器と対になる格好で千鳥配置になっています。


座席です。まずはドア〜ドア間の7人掛けから。バケット化が取り入れられる前の形態で、着席区分を分けるための肘掛けを1箇所挿入した、いかにも東急らしい座席になりました。この肘掛けによる仕切りはやはり9000系で採用されたもので、この2000系の一部車両ではさらに肘掛け部分にスタンディングポールを設けた車両があるとのことですが、残念ながら撮り逃してしまっています。(撮れ次第追加掲載しますが、いつになることやら・・・)

モケットは4人部分が茶色、オレンジ部分が3人掛けになっています。この配色はドア〜ドア間どこの座席も同じです。

 
しかし、車端部の3人掛けになると茶色のモケットも参戦してきます。消化器スペースの有無で若干座席長が異なりますが、どちらも3人掛けになります。

座り心地は東急特有の低反発系の硬さがこの形式にもありました。あまり沈み込まないものの、バケット形状ではないので周りの自由が効く分、空いている時は少しゆったりできる感覚で移動できそうです。


優先席です。内壁や吊革の黄色がちょっと凄いことになっていますが、モケットも負けじとシルバーシートの柄が前面に押し出された紺色のモケットを用いています。シールは劣化ではがれる可能性も僅かながらありますが、このマークは剥がれることのない、優先席表示を最後の最後まで守る強い味方です(なんて書くとヒーロー物みたいですね(^^;;; )
落ち着いた色調の中で見る紺色の空間は、JR西日本の優先座席に匹敵するくらいのインパクトがあります。ただ、どんな目的があるか、その目的が行動に移してもらえるかは掲示物とお客様に頼らざるを得ません。シルバーシートが亡き今、この円形のマークがどれだけ「優先席」のマークとして認知されているか、ちょっぴり気になるところです。



独特な雰囲気の貫通扉がふと目に入ったら、それが2000系の証。普段とはちょっと違う車内に出会えた一日、それが偶然ならばちょっとだけワクワクしてきそうです。自分もまた、そんな一日が来ることを願っています。

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