東京都交通局  5500形
 
  都営浅草線のニューフェイスとして2017年にデビューしました。と書けば単純ですが、デビュー前から東京都のPR熱が半端ない!特にyoutubeで公開された歌舞伎とのイリュージョンには驚きました。隈取をイメージした顔に秘めた思いは「日本らしさとスピード感」。そんな隈取よりも非常扉の大きさの方が気になって「あれ?実はブサイクでは?」と思って仕方が無い私はきっと5300形よりも鋭く、静かな足音で追いかけられることでしょう(^^;;
8両固定編成で、京急から北総線、京成は成田空港まで乗り入れます。2021年には5300形に代わって5500形で統一されることになる予定ですが、細部までこだわった仕様はその維持が大変。そのうち顔が真っ白になったりするのではないかと思って仕方が無い私はきっと後ろから静かな足音でそろーりそろーり…
(取材・撮影 京成本線・成田空港〜京成小岩)

 

 

 


車内全景です。3ドアロングシートの車内です。随所に和の遊び心を採り入れたようで、化粧板にも薄ら模様が入っています。これがまたお洒落で、お、こだわっているなぁという印象です。インバウンドムードを高める仕掛けだったのかなぁと思うところですが、和の心は私のような荒れたココロをがっちりキャッチ。背もたれのモケットの美しさにずーっと見とれてしまっていました(^^;;
5300形もメリハリの色和えが印象的な車内でしたが、5500形もご多分にもれずだいぶメリハリのある車内です。


乗務員室との仕切りです。竹を並べたような模様を用いていますが、かつて東京メトロ6000系で採用されていたような柄とは違い、遠目から見ると木目かな?と思わせるような色を用いています。
仕切りは右から仕切り扉、仕切り窓に取っ手、そして謎の機器スペースの蓋…と思しき部分の並びです。そう、そこの謎の機器スペースの蓋らしき区切りはJR東日本をはじめとする通勤車で見ることがありますが、この形式に限っては取っ手と鍵穴がついています。ここを開けるときっと、この車両が向かう方向とは別の方向に…(殴
仕切りとドアの間には立席スペースがスタンバイしています。

 
車端部です。左の画像は両側とも優先席で、5人掛けの座席が展開します。右の画像は中間車のうち前から2両目・4両目・6両目の後ろ側と3両目・5両目・7両目の前側に設置されたフリースペースつきの車端部で、右の座席は2人掛けです。
こちらも竹を並べたような模様を採用しましたが、貫通扉は無塗装の銀色でちょっと目立つ印象です。その両脇には握り棒を設けています。床は特段塗り分けていないものの、その握り棒や吊革などを黄色に塗り分けていることから、結構遠くから見ても目立ちます。
5300形ではちょっと混むとわかりにくかった消火器は妻面、扉の奥にしっかり置いてあります。

 
当初は車椅子スペースは両先頭車、乗務員室の後ろに設置され、中間車はフリースペースとして案内されていたと思うのですが…いつの間にか中間車のフリースペースにも車椅子やベビーカーのマークが並ぶようになりました。尤も環境はほとんど同じで、握り棒や壁掛けの暖房、非常通報機までレイアウトまでそっくりです。だったら最初から…(^^;;
その握り棒の一端にはモケットを巻いたクッションがありますが、こちらは立席の人がちょっと寄っかかる程度のもので、モケットが貼られた不思議な形の袖仕切りもそうですが、どちらもしっかり腰を預けられるようなものではありません。


天井周りです。ファンデリアが所々に備わっています。白で固めた天井ということもあって照明が多少まばらでも十分な明るさを確保しています。その照明の下の吊革ですが、珍しく茶色の取っ手を用いています。自然とこの茶色に塗られた吊革が車内の情景にうまく溶け込むので、この選択は良かったのかなぁと思っています。あ、分割してどっかへ飛んで行ってしまうことはありません。
スタンションポールの白もなかなかキレイですが、こちらはキレイな色合いがどこまで維持できるか…ですね。
この系列では天井に防犯カメラを備えています。


床は意外と遊びが無く、実用的な構成です。ここも遊び心が演出できそうなポイントですが…。


ドアはオリジナリティを炸裂させています。このドア窓はどう見ても忘れられないインパクトがあります。同じ東京都交通局の8500形とは逆に2枚のドアで1枚の窓に見せようというような形状…前面にも通じるこの形状、破損したら交換するのが大変そうです…。
無塗装のドアで、どのドアにも液晶ディスプレイが2面ついています。手すりはさすがに銀色のままで、ドア同様目立つ格好です。


存在感が大きい鴨居部はベージュで塗られています。ドアコックの蓄光シールの右隣にはWIFIの説明も…なんだかだんだん字が小さくなっていっているので、この手の表示は他の場所に大きく書いてもらいたいものです。
そして、2画面構成の液晶ディスプレイです。右側の画面で次駅案内や路線図等をテンポよく表示しますが、ドアが開く直前のイラストでは特徴的なドア窓もしっかり表現されています。


窓周りです。2つに分割されたドア〜ドア間の窓は一部の窓が開くようになっています。空気清浄機の説明やLED蛍光灯の採用、防犯カメラ等いろいろと伝えたいことはわかりますが、そんなに窓に貼らなくても…!と思う私はついカーテンを引いてしまいますが、そのカーテンが東京色満載で、インバウンドのお客さんにはかなり大ウケするのではないかと思います。

 
ドア〜ドア間の座席は7人掛けです。前の5300形よりも座席の幅は広がりましたが、座席数が1人分減りました。各車両に拡大した車椅子スペースもそうですが、置き換えの時期は車両の違いが席取り合戦の悲劇を生むことになります。
基本的に片持ち式ですが、一部の座席の座面下には非常用の梯子が備わっています。5300形に続いて「座面下に何か置きたい」衝動に駆られるのでしょう。この部分はちょっと足元が狭く感じられるかもしれません。
モケット…どうですか、この和の躍動感。JR東日本の優先席をほどいた感じ…みたいな悪口を全部捨てて、一発で好きになりました。この手の模様は…と思って調べたらちょっぴり意外な住江織物さんの逸品です。


車椅子スペースの隣の座席は4人掛け。こちらもやはり1人分減っています。この画像の一番手前の座席はちょうど窓枠が頭の後ろに来てよりかかることができます。一方、この袖仕切りは見た目以上に狭さを感じます。肩から腕を逃すところが無い壁になってしまっています。ファンデリアの位置なども考えるとあたり席のはずですが、袖仕切りの一件でうーん…という感じです。
スタンションポールは2〜3席に1本の割合で伸びています。

 
車端部の優先席は青い背もたれのモケットです。このモケットも美しいです。妻面の窪みが嬉しいですが、劇的に空間の広がりを感じるようなものではありません。
さてこの座席、バケットシートですが背もたれの食いつきがなかなかで、形状の凹凸がだいぶ激しい座面も座った時にちょっと柔らかさを感じる「厚みで柔らかさを演出するバケットシート」です。故に5300形の沈み込みがあまりにも足りなくてちょっとホールドを高めたい…そんな方には嬉しいアイテムになるかと思います。
他社も含めてこだわりの車両が行き交う都営浅草線。座席に関しても東京都交通局の本気を少し見た気がします。


袖仕切りです。透明板にも和ごころをくすぐる模様が入っています。これくらい大型であれば多少よりかかられても気にならないと思うのですが、奥のロケットのような袖仕切りももう少し通路側に貼りだせば良かったのに…と思う一方、まさか袖仕切りで「A」とか書きたかったのかなぁ…とニヤニヤしています。我ながら、嫌な性格です。


最近、貫通扉に模様を入れるのが流行っています。この5500形もご多分に漏れず…です。ただ、芸が細かいのでこのクオリティをどこまで保てるかが心配です。○年後、更新するようなタイミングで平々凡々な車内になっていたら泣きますよ。ホント。
 
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