都営地下鉄  新宿線10−000形[1段窓車]
 
  篠崎まで都営地下鉄新宿線が延長したのは1986年になりますが、その時に合わせて製造されたのはまたしても10-000形になります。この「またしても」が1997年までずっと続くことになるのですが、このページでは篠崎延長や既存編成の8両化に貢献した、クリーム色の化粧板の1段窓車を取り上げます。
先頭の形状などは2段窓車と対して変わりませんがなるほど側面は少しスッキリとした装いになっています。また、先述の通り6両編成でデビューした2段窓車に1段窓車を2両(橋本から2両・3両目)挿入した編成もあるのですが、やはり印象がだいぶ異なって見えます。窓の存在って大きいなーって思うくらい(^^;;
2段窓車は廃車が進行していますが、このグループはまだまだ若く、今後も活躍していくことと思われます。
(取材・撮影 都営地下鉄新宿線/本八幡・笹塚)

 

 

 


車内全景をまずはどかっとご覧ください。オール1段窓編成の車内になります。やはりポイントは窓になり、側窓が一部を除いて1段下降式になりました。しかしながら1986年製造開始にしてはちょっと重たそうな雰囲気がするかな…という気もします。化粧板の色などを2段窓車に合わせた結果がそう感じさせるのでしょうか。
構成としては4ドアロングシート、先頭車両に車椅子スペースが設置されているのも含めて他の車両に合わせてあります。


車端部へと突き進んでいきます。貫通路や機器スペースの関係が大いに影響しているものだと思うのですが、少し雑然とした、ほんのり暗さを感じさせる空間です。また、妻窓も設置されているものの、正方形のでかでかとした広告がその半分を埋め尽くしているため(^^;;あまり機能していません。・・・残念。
ただ、クリームとこげ茶の「合わせ技」はなかなかセンスがあると思うんですけどね…。


乗務員室との仕切りです。右の側ドアの手前には車椅子スペースがやってきます。
少し広めの仕切り扉に窓が3枚設けられています。うち右側の窓はこの車両唯一の2段窓になっています。
こちらも銀の枠が少し目障りな、しかもカクカクしたイメージが先行してしまう空間です。外観は結構丸っこい印象を受けるのですが、そのギャップには驚きです。
そして画面左には車番プレートがあるのですが、その隣の「東京都交通局」に注目。なんといちょうマークの無い丸ゴシックがきつきつの「東京都交通局」なんです。「はぁ、それで?」と言われればそれまでですが、JNRを見つけたときの興奮に似た、昭和の香り捜索体験が意外な形でできます。


しかしながら車椅子スペースはしっかり完備。時代の波にはちゃんとのっています。
立席スペースも兼ねていることから網棚も撤去し、つかまるための棒も窓の下に備えました。しかしながら吊革を支える棒は網棚と同じ高さからでているわけで、果たして網棚を撤去する意味ってあったのでしょうか(^^;;
そして質素なイメージがどうも先行してしまいます。「質よりも量」が改造のモットーだったのかもしれません。


天井です。車内の所々にラインデリアを用いていたり、フラットかつ直線的なデザインは車内全体の重たい雰囲気を忘れさせてくれそうな気さえ感じさせてくれます。1980年代後半に流行った天井のデザインをまさに地で行っています。


吊革は2種類、取っ手が丸のものと広告と一体的になっているものの2つがあるのですが、画像では広告一体型をご紹介します。この吊革は国鉄の通勤電車で流行したもので、ゴムバンドの長さを短くした後、広告枠を握る部分の延長という形で設置し、しゃもじのような形をしたものになります。
現在JR東日本エリアでは絶滅していると思われますが、都営地下鉄新宿線では今なお健在。そして画像のように広告が入っている姿も実際に目撃することがあります。

しっかし、うまくできてるなー。


床はオール1段窓編成では茶色一色。これといった遊びは見られず、実に堅実な選択を行っています。
このあたりがいかにも公営企業っぽい「堅さ」ですよね。えぇ、「都」なのに「賢」です(^^;;;;


ドア周りです。吊革がドア周りにも設置されており、そちらは広告一体型にはなっていないようです。
ドアそのものは化粧板も貼られた本格仕様。ドア窓は銀のフレームがなかなか良い味を出しつつ、かなり大きな面積を確保しています。また、ドアの挟み込み注意ステッカーが絶妙なバランスで貼られている所もポイントです。
登場時期が時期だけにまだLED表示機などは登場せず、鴨居部はクリーム色の化粧板で覆われています。


では座席へと移ります。まずはドア〜ドア間の7人掛けの座席からです。
座面のみ2分割されており、手前から3人・4人と座ることができます。
紺のチェックのモケットは個人的には落ち着いていてすごく好きですが、まだまだくたびれた様子は全然なく、近年張り替えられたのかもしれません。


車端部には4人掛けがスタンバイ。京王線の車両に合わせるための「4人掛け」かもしれませんが、少し窮屈な雰囲気もでてしまっています。7人掛けもそうですが、データイムの京王線方面の急行などでは「立ち客もそこそこいるけど定員通り座っていない」状況に陥りがちのような気がしますが、案外この「設計」がそうさせているのかもしれません。
袖仕切りはパイプ形状。必要最低限の「仕切り役」をここでも採用しています。


車椅子スペースの隣にある4人掛けの座席です。仕切りをパイプで作っている点は同じですが、少し形状が独特のものになっています。窓との干渉を考えた形になっています。そしてその隣の鉄板がややうるさい存在にもなっています。
座り心地は可もなく不可もなくといったところでしょうか。座った時の感覚はなかなかいいと思いますよ。

 
こちらは優先席の方になります。車端部のみの設定で、4人掛けの腰掛は茶色を基本にした市松模様。画像右がそのドアップ画像になります。色そのものの問題でしょうか、紺よりも目立つ座席になりました。しかし、そのモッサリとした感覚がほんの少し気になる今日この頃です。


最後にもう一度全景写真を。
1段下降窓のうち、2段窓の6両編成に中間車として組み込まれた車両は床の色が異なります。灰色にグレーブルーのツートン、フットラインが出現しています。
窓は1段下降型なので2段窓との違いが結構でているのですが、それでも車内空間については極力揃えよう!という主旨なのでしょうか?さて、あなたのお気に入りはどっち?

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