都営地下鉄  新宿線10−000形[2段窓車]
 
  ややトリミングした画像で失礼します(トリミングしないと2段窓かどうかの判断がつかない(^^;; )。このような木々で潤う場所も走っていました10-000形、今回はいわゆる1次車・2次車と呼ばれる2段窓車の車内をご案内致します。
1978年から1980年にかけて試作車の結果も踏まえて新宿線に登場したのが2段窓車。当初6両で登場したもののその後1段窓車が2両編成に入り、8両での運転となります。
その後も本八幡まで延びた都営新宿線と京王線・京王相模原線で運転を続けていたものの、ATCの更新と老朽化のため10-300形に置き換えられつつあります。先頭車のみ置き換えるという編成もあり、編成の凸凹ぶりが話題を呼んだ時期もありましたが、まもなく終焉です…。
(取材・撮影 都営新宿線・本八幡〜京王相模原線・若葉台)

 

 

 

 
車内全景からご覧下さい。左の画像が中間車の様子、右の画像が先頭車の様子です。右の画像の方は若干露出補正を上げて撮影しています。個人的な見た目としては左の画像の方が実車に近いような気がします。4ドアロングシート、20m車内は軌道共々京王線に合わせています。
後ほどご紹介しますがモケットや床などの細かい模様が印象的な車内です。ただ全体的にはやや重みを感じてしまいます。この重みが良くも悪くも都営新宿線の「カラー」なんだな、なんてつくづく思う次第で、10-300形には出せまいなんて意地張っています、自分が(^^;;;


先に乗務員室との仕切りを見ておきます。後ほどご覧頂く車端部もそうなのですが、全体的にカクカクした印象で、外観のそれを覆すことなく直角ポリシーを貫いています。何かのB級映画のセットではありませんので念のため(^^;
乗り入れ先の京王線6000系とは異なって左右の窓の大きさは同じで(細かく言うと1段窓と2段窓の違いこそありますが…)蛍光灯もしっかり端の方まで届いているので暗いことはありません。


その先頭車の一番乗務員室よりのドアの逆サイドには車椅子スペースが設置されています。その隣には4人用の座席です。外観からは車椅子の青いマークよりも真ん中に桟が無い固定窓の方が目立つと思いますが、「都営の車両の先頭部分は車椅子スペース」だと思って頂ければ間違いはありません。逆に京王の車両は車椅子スペースの未整備車が多く、うまく連携した整備ができていないのが残念です。
低い位置にバーが設置されている他、車椅子固定装置もあります。

なお、車椅子スペースの脇のドアのみドアエンジンが座席の下から鴨居部に移ったため、鴨居部が若干出っ張っています。画像左上がその様子になります。さほど出っ張っていないようです。

で、この鴨居部を撮らないまま2段窓の先頭車は無くなってしまいました……。無念。


話は車端部へと飛びます。ドア付近の吊革増設が行われていないためパッと見スッキリした車内に見えがちですが、実は広告が多くてなかなか賑やかな空間になっています。優先席扱いの車端部は画像のように輪をかけた賑やかさ。このような車端部の使い方ならまだ妻窓が無い方が落ち着くかもしれません。
貫通扉は無い部分とある部分に大別でき、画像は無い部分の車端部になります。隣の車両に貫通扉や戸袋があるわけですが、裏表両方とも化粧板が貼られ、貫通扉の雰囲気が周りと合うように工夫されています。


天井です。空調はスポットの他ラインデリアを使用したものが所々設けられています。ラインデリアが無い部分には2本の白線が敷かれており、一体感を生み出す工夫もしています。
その両脇には蛍光灯。剥き出しの状態でこんばんは。そして吊革にも注目していきましょう。

こちら、1段窓車でも登場しましたが2段窓車でも線路と平行方向のバーに設置された吊革は全てこの形です。
広告枠が入る部分と握る部分が一体化したもので、10-300形の増備により都営地下鉄でもその数が減りつつあります(^^; こういう「棚からヒトツカミ」ならぬ「棚から牡丹餅」ネタは好きなんですけど、自分が好きだからという理由だけでは保存できませんよね(^^;;

見栄え的には広告として登場している時期は広告枠全体をシールで貼ってくれるとネジが目立たなくなると思うのですが、いかがでしょうか…。おらが会社の宣伝をサクッと書いておけば一石二鳥にもなりそうです。


床です。座席モケットと同時期に張り替えられた事もあり、座席とはなかなかマッチしているのではないでしょうか。重たい雰囲気を消したい気持ちが少し伝わってきそうです。外側は灰色天下、でも内側はせせらぎをイメージしそうなグレーブルーの模様で、フットラインを見事に形成しています。
小川町を通るからこその模様なんていうと……せせらぎをも凍る寒さになりそうですね、こりゃ(^^;;;


気を取り直してドアです。
基本的に直線的なイメージ、その直線的なドア窓に対して丸いステッカーを持ってきている点が斬新です。ただ、側窓も直線的なので全体的なイメージとしては周りと合っているのではないでしょうか。化粧板も同じ色で貼られています。
先述した場所を除き、ドアエンジンが座席下にあるので鴨居部はスッキリした構成になっています。

 
側窓は2段窓で、カクカクとした印象はここでも抱きそうです。
そしてカーテンの柄にご注目。通常のロールカーテンに書かれた絵柄はなんといちょうのマーク!
このマークは知る人ぞ知る……よりは知名度があるかもしれない…東京都のシンボルマークになります。
京王線のシルバーシートマークつきのカーテンに対抗したのかどうかはわかりませんが、カーテンを引くとこの重みのある車内にホップステップジャンプ級の軽い柄が登場ということで、なんとなく愉快な気がするのは…自分だけ?

でも、この技術代が高いなんてことは無いですよね?


座席です。まずは7人掛けの座席からご覧頂いております。
紺を主体とした市松模様のモケットは個人的には好きで、かなり落ち着いた、ツウな車内を演出していると思います。ただ、定員着席を促せていないのが弱点といえば弱点です。それだけ混まない…なんてことは無いと思います。
袖仕切りもシンプルなパイプ形状で、ここの丸みはこの車内では基調な存在なのではないでしょうか。
座り心地はほどほど柔らかく、少しヘタれ具合が気になるものの特に悪い点は無かったかな…という印象。
10-300形よりも寛げると思います。


車端部の4人掛けです。無理矢理4人掛けを持ってきた感じでドア脇のスペースにあまりゆとりがありません。
また、画像をちょろっと見て感じた方もいらっしゃるかと思いますがこのモケットで優先席に指定されている場合があります。窓に貼られたステッカーでご確認下さい。
4人で座ると若干窮屈そうな気がしますが、1人でも多く座れるような設計には感謝です。


こちらは車椅子スペース隣の4人掛け。先ほどとは違ってやや余裕がありそうに見えるのは「両端袖仕切り」の効果ありのおかげだと思います。その袖仕切りは車椅子スペース側とドア側でやや異なっており、車椅子スペース側の方が2本の横棒の間隔が狭くなっています。側窓がある関係で2本にせざるを得なかったのでしょう。
市松イメージを出すために感度を若干上げ気味に補正して撮影しました。市松模様がくっきりでていますが、実車はもう少し暗いイメージになります。


車端部の優先席です。4人掛けの茶色の市松模様。こちらの方がやや明るめにできているので、同じ模様ながらこちらの方が目立つ格好になっています。
個人的には紺の方がいいのですが、こちらも負けず劣らず洒落ていると思います。しかしながら東京都交通局と、或いは京王線との優先席の色のバランスが取れておらず、特に京王線の車両は(この色よりも明るいですが)茶色が多いので、「茶色=フツーに座っていい色」だと思い込んでいると何のためらいも無く座ってしまう人がいる…かもしれません。
「特別な存在」であるならば、それなりに「特別」な色を用意するのも一つの手だと思う次第です。



おまけの1コマです。最近の2段窓車の使い方…ですが、このような編成ももうじき見られなくなるとか、ならないとか…。
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