とさでん交通  200形(冷房改造実証試験車)
 
  ネットのニュース記事などを見て便宜上この名前をつけていますが、2019年の夏、200形210に乗った時のお話しです。
昭和25年から30年にかけて製造された200形、14両中2両だけ冷房改造車で、最近は前面に「冷房がありません」と断り書きまで書いた車両も…いや、時々「ごめん」と謝っているのだからそこまで…と言いたいところもありますが、昨今の猛暑で非冷房の車内に出くわすと、いの一番に言いたくなるのが「しんどい…」そんな意見も頷いてしまいます…。
暫し家庭用エアコンが車内空間の救世主になるケースは「かもしか」や「里山トロッコ」など度々ありますが…2018年、非冷房車のうち210に家庭用エアコンを設置、前述のとおり実証試験が始まったのでした。
その後のことについては特段聞かないものの、後日函館市交通局にも家庭用エアコンを載せた車両が登場したのは、この実証実験の成果かもしれません…。
(取材・撮影 とさでん交通桟橋線・高知駅〜桟橋通5丁目)

 

 

 


車内全景です。天井周りに広がりのある空間は非冷房車ならでは…と言いそうですが、良く見ると車内右側、奥の方に白い躯体が見えます… 家庭用冷房機は前後2台に設置されており、車内中ほどは小型の通風機が頑張る構成です。
前後扉の車内は細い桟がそのまま残っていてノスタルジーを感じる一方で、床はキレイにシートを貼って一新、まだまだ活躍して欲しいという思いも感じます。

 
乗務員室との仕切りの画像です。左の画像は高知駅方、右の画像は桟橋通5丁目方の仕切りですが、600形のような前後での差はこの形式ではあまりなく、むしろ吊革を撤去してまで堂々と場所を確保している家庭用エアコンの存在感がやたら気になります(^^;; 仕切りの向こうは運転台ですが、客室も暑ければ乗務員室も…ということで、右側には小さな扇風機がスタンバイしています。
画像を見ると結構ステップの切り欠きが大きいように見えますが、他の200形でもこれくらいの大きさの切り欠きが見られます。きちんと黄色い滑り止めで縁取られている点が好感持てます。

 
焼肉の網に見えて仕方が無い(^^;;;通風機を真ん中にセットして、両脇に間隔をあけながら蛍光灯を設置した天井周りです。心なしか蛍光灯の灯具がなかなかお洒落ですが、全体的に武骨な印象なので浮いているようにも感じます(^^;;
そして、家庭用冷房です。取材した2019年の夏は霧ヶ峰が頑張っていましたが、2022年、白くまくんに変わったとの報。配管の色も若干変化があったようです。三菱から日立…というと何かの制御装置を変えたのでは…と思ってしまうところですが(^^;; 白くまくんといえば2代目のイラストレーターが原田治さん、原田治さんといえば東急のドアステッカー…と、鉄道とは浅からぬ縁があって勝手に驚いています(^^;;


薄ら木目の隙間が見えますが…点検蓋の部分を含めてキレイにシートを貼った床です。これだけでもくたびれた様子が幾分か和らぐものです。

 
前後扉の200形、入口、出口の扉とも同じものを用いています。いわゆる塗りドアですが、表面がツルンとしていて、あまり年季を感じさせません。年季を感じさせるのはむしろ隣の手すりの方です。入口部分はタッチするタイプのカードリーダーと整理券発行機があり、出口には運賃箱がありますがあまり窮屈さを感じさせません。
ドア左上の赤い箱のボタンは非常停止ボタンで、さすがに降車ボタンと間違えないようにしっかりフタがしてあります。とさでん交通の他の車両、特に前中扉車では中扉、つまり入口に設置されているケースが多く、却って目立っているようにも感じます。


保護柵が外側についた窓周りです。塗装変更で緑色の保護棒になり、車内の薄緑、カーテンの緑…と緑だらけの窓周りです(^^; この210号では2段窓を採用していますが、ガラス周りの枠は銀色でここも200形のバリエーションを増やしている部分の一つになります。うーん、廃車が進む前にもっと追いかけたかったものです。

 
前後扉なのでロングシートは長〜い1種類のものだけです。片側中ほどに優先席を設けていますが、座り心地に差はほとんどありません。座面にはしっかりバネが入り、背もたれはほぼ垂直という昔ながらの路面電車の座り心地そのもので、着座位置が高めにセットされているのが特徴です。車両によってはだいぶくたびれている座席も見られますが、この210に関してはあまりくたびれた様子は見られませんでした。
気になったのが袖仕切り。以前から度々とさでん交通には乗っていますが、200形で板状の袖仕切りを見たのは実は初めて、他の車両は製造時期に関係なくもっとレトロな出で立ちの袖仕切りで… 最初からこの袖仕切りだったのか、何かのタイミングで更新されたのかは大いに気になります。

この板状の袖仕切りの方が良いのですが、あのレトロな出で立ちも恋しいもので…(^^;;。


次とまりますの二乗。大事なことなので2回言いました…の元祖はここにあるかもしれません(^^;;;


そして、何回見ても違和感しかない三菱のエアコン霧ヶ峰。
よくよく見ると、先ほど天井の項目で掲載した画像とは奥の方に若干の違いが…(^^;;

確かにエアコンがあるのと無いのとでは居心地が大きく違います。
しかしながら、家庭用エアコンに限界があるのも事実で、車内中ほどと車端部で僅かに暑さ、涼しさのムラが生じていました。どうしても屋根の補強ばかり目がいってしまいますが、空気の通り道、陽射しの入り方…考えることはいっぱいありそうです。

そして、テレフォンショッピングで言って欲しいものです。
「このエアコン、今ならさらに鉄道車両への設置取り付け費も無料になるんですョ♪」
「安い〜♪」
…お粗末様でした。
 
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