東武鉄道  300・350系
 
  従来「りょうもう」として活躍してきた車両が大きく衣替えをしました。色をフレッシュに、目指すは赤城から宇都宮、日光へ。今回は特急用として活躍する300系・350系を取り上げます。
両者の違いは編成両数のみで、今回は画像にもある4両編成の350系を中心に取材を行いました。朝夕の特急列車としてサラリーマンを載せる顔、そして休日の行楽客を乗せて走る顔。二つの顔を持ち合わせている守備範囲の広い車両ですが、スペーシアの100系や「りょうもう」の200系などよりも地味な役回りが否めません。ただ、尾瀬夜行などの臨時快速列車以外は普通列車の運用には就いておらず、あくまでも「特急列車」としての運用を貫いています。
6両編成は2本、4両編成は3本が在籍しています。
(取材・撮影 東武鉄道伊勢崎線・浅草〜春日部)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。
350系に改造するに当たって外観はリフレッシュを行っているようですが、車内はイマドキの軽い雰囲気の特急車というよりは1800系の頃の堅い面影、背筋がピンと伸びる感覚が今も色濃く残っています。言い換えれば1800系の頃から脈々と受け継がれている優等列車の重厚なイメージを手軽に愉しむには最高の空間だと思います。
1ドアところにより2ドア、回転クロスシートの車内です。

 
車端部のデッキに通ずる仕切りの様子です。営業列車なので案内に気を配ることは最も大事なことかもしれませんが、個人的には視界にデザイン性が全くないただの「案内」を入れすぎるのが目障りです。故に編成案内と春日部駅停車の案内のステッカーはデッキに貼って頂きたいところです。でも、それ以外の部分は概ね好印象で、仕切り扉の窓を不必要に大きくせず、着色ガラスをそのまま用いたのはデッキとの分断を図る意味で素晴らしい選択だと思います。


天井です。ここも種車の面影そのままに、吹き出し口も何ヶ所か設けられています。この丸いカバーと蛍光灯カバーの直線感覚は迷わず「レトロ」というコトバが思い浮かんでしまいます。


床です。通路部分は柄物を、座席部分はベージュでメリハリをつけています。


デッキです。ここは化粧板が貼り替えられており、通勤電車と何ら変わらない明るさを提供しています。手すりも充実していますが、乗務員室の仕切りがただの「壁」で、扉の幅とは裏腹に狭さが強調される、留まることの無いデッキになってしまっています。

 
どのように空間を捻出したかは不明ですが、ちょっぴり幅の広いデッキもあり、編成中1箇所のみですが公衆電話を携帯電話、それも車内はマナーモード、通話はだめ!というご時世において堂々と設置しています。いやはや、こちらもすっかり希少価値的存在になってしまいました。
車内には大きな荷物を置くスペースがないため、スキー板やゴルフバックなどが左の画像のデッキで置けそうですが、「デッキ直結」ということもあり常に心配しそうな気がします。

  
一部車両のデッキにはこのようにトイレと自動販売機がついています。どちらも心強い味方ですが、自動販売機はいわゆる「観光地モノ」かつ「アルコール無し」なので、アルコールの補充は駅の売店をどうぞ。
トイレの中は和式。脇に路線図が貼ってあるのは臨時仕様の1800系と同じです。


ちょっとお洒落な荷棚がポイントの側窓です。座席番号プレートが二種類あるのが気になりますが、下のシールは座席列になります。座席番号は3ケタ表示が基本で、日頃東武を使わない人にとっては確かに探しにくそうです・・・。 ちょっとした小物であれば窓枠に置くことも可能ですが、飲食するのであればテーブルを出した方が使い勝手が良さそうです。

 
座席です。350系に改造した際にモケットを貼り替えているようで、全体的な座り心地が経年劣化によって破綻していることはありません。触り心地も当たり障りありません。
テーブルも壁掛けのものと座席背面の物を用意しています。後者はモケットとのコントラストがはっきりとしていて、見ていてすがすがしく?!なってきます。
正直シートピッチの狭さとリクライニングが無い座席に「イマドキこれっすか?!」という意見もあると思いますが、回転クロスシートの出来としては良い線いっていると思います。


端の席には端の席なりにテーブルがついていますが、フットレストは省略されてしまっています。
昼間の特急であればシートピッチの短さをフットレストが設けられていないことによって相殺できそうですが、夜行列車でここが当たると逆に過ごしにくいかもしれません。

モケットで覆われた肘掛けは隣席が誰もいなければ夜行の時の枕代わりに使う人もいるかもしれませんが、突端の金属はちょっと気になります。硬いですし、冬場はバチッと・・・ね、目覚めバッチリ(^^;;;;


相変わらず芸の細かさ・・・に気づく自分も病んでいますが(^^;; 鉄道営業法に関する案内はさすがにありませんでした。
それにしても、片やこうして特急運用で華やかな第二の人生を送り、片や大胆に通勤電車に改造され、何よりも先立ってしまったことを考えると、この系列における個々の「人生」はまさに波瀾万丈であります・・・。

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