東武鉄道  1800系[館林地区・通勤化改造車]
 
  この業界における「食パン」といえば、「まず食べる人はいないだろうなぁ」という認識で一致しているのですが、その西の食パンに対抗するとばかりに2001年、突如現れたのがこの1800系でした。いやぁぶったまげましたよ、東武がここまで物持ち良いなんて(^^; さしずめ健康ヨーグルト飲料を横にしたようないでたちは、食パンと同じ「元・優等列車」組。急行りょうもう号として上毛地区と東京を直結する使命を担っていたのですが、車内設備の陳腐化などもあって近年200系にバトンタッチ。ある車両は団体専用の使命を新たに授かり、またある車両は300系・350系として同じ急行として第2の人生を大いに楽しみ…そしてまたある車両は…このように下回りが1800系よりも古い5000系列の置き換えに抜擢されてしまったのでした。
面影が残るからこそ、せつないモノがこみ上げてきます…
(取材・撮影  東武佐野線/館林〜渡瀬)

 

 

 


いつも通りの展開、まずは車内全景。やはり通勤化が主体になるので、吊革の増設や座席の撤去、広告枠の設置が行われています。中央に左右5列ずつ残った座席は4人1組の固定ボックス化を行い(1列のみ2人掛けのまま固定)、優等列車の証だったらくだ色のモケットが通勤電車で幅広く使われている緑や青がかった灰色へに変わった事が大きな特徴になります。
一方、天井や丸い縁取りの窓はそのまま。座れば少しはりょうもう気分が味わえる・・・のかなぁ?
自分は「りょうもう」現役時代の1800系には乗った事がないので、イマイチ感覚が掴めませんが…(><)


乗務員室の仕切り、そして背後の立席スペースになります。側扉と側窓の間のスペース、ちょっと上を見上げると天井を2つに仕切るような「クリーム色の壁」が左右にわたって展開していますが、これがかつて客室とデッキを区分した仕切りの跡になります。恐らく配線やドアカバーとの兼ね合いでそのままになっているのでしょう、デッキの空間とまだ隔てられている気がしてなりません。
ツーマン運転が基本なので、乗務員室との仕切りはクリームの化粧板が1枚ベロンとあるのみ。
ご注目頂きたいのが乗務員室に通じる扉。非貫通構造なので旅客の出入りは想定の範囲外、小上がりのように側扉よりも一寸高い所に扉が設置されています。これ、通勤電車として見ると結構珍しい気がします。


デッキです。・・・なんちゃって、立席スペースになります。
ここには側扉が設けられていません。その代わり、独立した側窓と妻窓、そして先ほどのように天井を仕切る、左右に渡る「クリーム色の壁」がくっついています。
この区画、実は元便所。そして自販機も備わっていたようです。側窓は一旦埋められていたものを復活させた区画もあるとかで、あまり作りに違和感がありませんが…やっぱり不自然な感じはします。
そういえば…貫通路の上の広告枠は汚れ具合から予想すると、廃車された5000系系列の転用品だと思います。


こちらも立席スペース。よーくみると側扉があります。
左側にはちょっと物々しい仕切りがドカンとあります。これはどうやら撤去できなかったもので、配電盤が中に収まっているようです。このあたりの改造センスは先輩「食パン」を見事に踏襲しています(^^;;いや、仕方がないといえばそうなんですけどね…。
立席スペースになった場所には吊革と、網棚の代わりに設置された握り棒、そしてヒーターを完備し、どんなに混んでもまかしとけっ!とばかりに待ち構えています。


こちらがそのヒーター。最初見た時にはサンマか何かを載っけるのかと思いましたが(^^;; それをやってはいけません。
ヒーターをわざわざ設けた背景には、この地方の冬の寒さ対策、そして座席、つまり座席下のヒーターを一緒に撤去してしまったことが挙げられます。しかしながら…使用中の時に素手で触れば当然熱いですが(^^; 急ブレーキや不意な揺れで偶然触れてしまった時に、火傷にはならないのでしょうか…その辺の配慮はしっかりできていると思うのですが、少し心配です。


天井はこの形式独特・・・といえば、独特かもしれません。ファンデリアを思い起こさせる吹き出し口、そしてカバーつきの蛍光灯はこの車両の出身を物語ります。一方、新たに設置された吊革は1つ1つ天井から直接ぶら下げる方法を採用、吊革を通すための棒を省いた設計になっています。そのため、吊革の高さが従来の通勤車よりも若干高めです。尚、左右で吊革の設置位置がずれているのは、座席の配置のズレに合わせているためです。


吹き出し口はデパートのそれよりもかなり小さめ、中にはどうやら羽があるようです。室内には大体6箇所くらい設けられており、室外機の数と一致します。ちなみに・・・その"T"のロゴははじめて見ました。


床は青一色。ちょっと暗い青かなぁ、汚れを目立たなくさせるための秘策でしょうか。
この床の色は8000系でも見ますが、1800系は改造前からこの色の床だった模様です。座席の設置跡がしっかり消えているのは二重丸。


扉2景。左の画像は乗務員室直後、右の画像は中間車の側扉になります。配電盤がいかに「デッキっぽい感覚」を作り出しているか、そして天井の独立した蛍光灯にもご注目ください。
ドアそのものはクリーム色の化粧板を貼った片扉で優等列車の香りがほのかに漂います。
ドアの開け閉め注意喚起ステッカーは貼られていませんでしたが、画像右の通り弱冷房車のステッカーは貼られています。小さいのがまだ救いでしょうか(^^;
尚、この1800系はドア位置が変則的です。乗る際にはちょこっとご注意ください。簡単な図に示すとこのような感じです。

←佐野市・西小泉方面                館林方面→
[● 4号車  ][● 3号車 ●][  2号車 ●][  1号車 ●]
*●・・・ドアのあるデッキ 3号車は弱冷房車


ドア脇の側窓は開閉可能な窓になっています。しかし、現在は固定化されていて恐らく開く事は無理かと思います。
そのさらに手前には帽子掛けの跡地が…そして通勤電車でおなじみのステッカー・・・すっかりなりきってます♪。


ネジはまだまだいっぱいあります。画像右はテーブルなどの跡、画像左は座席番号や網棚の跡です。
窓の上の赤い枠は「りょうもう」の赤!を示していたのでしょうか…側窓の四隅のRとともに、いいアクセントになってます。
ちなみに画像の赤枠は立席スペースで撮影しましたが、座席上の座席番号プレートも撤去されてます。


座席にいきましょう。りょうもう時代に使われていた座席をそのままリサイクル。回転クロスシートだったのですが原則4人1組の固定クロスシートに改造されています。原則・・・そうです、各車両どこか1箇所に2人1組のクロスシートが残っているのです。画像右がその座席で、中途半端さというか、お買い得というか…。
緑のモケットは通勤化改造と共に施工されたものですが、肘掛の部分は早くも擦りきれ気味の物も。座り心地は色の感覚が「東武スペシャル」8000系と瓜二つのせいか期待を裏切らないものでした。ただ、座席の左右幅が若干短いような気がしました。これは状況と条件のフィーリングに拠る所が大きいのですが、空いている時に1人で2人分の座席を独占したところ座席の広さや開放感はあまり感じませんでした。え、自分の横幅がって?そ、それは・・・(以下自主規制


通勤車という名目で改造されていますので、優先席ももちろん登場。2人1組の区画にはなく、館林よりに左右1組ずつの設置となります。モケットは青がかった銀。先ほどの緑に続いて「東武スペシャル」そのものをモケットで立派に表現。しかしながらこのモケットでのお出迎えには正直参りました(^^;; なんていうか・・・文字にすると、気合入れて、無茶してお化粧しました!どう、輝いているでしょ?といった雰囲気・・・なのかなぁ。それにしても、あと何年活躍するかはわかりませんが、後継車と思しき動きも少しずつ、少しずつ聞こえてきそうな今日この頃。最後の時にはぜひ、内装も復元してくださいね(^^)


最後に窓の画像をしつこくもう1枚。よーくご覧ください・・・といってモニターに激突しないでくださいね(^^; 手前の窓と奥の窓、透明度が上と下で違うのがおわかりいただけると思うのですが、上の暗い部分が窓全体に占める割合、手前と奥で僅かに違うのに注目です。
通勤化改造を受けた1800系はカーテンが設置されていません。そのため、直射日光を少しでも和らげようとして東武鉄道が用意した究極の技が「半透明の黒いシート」でした。あら簡単、これを窓ガラスに貼ればあっというまに着色ガラスの完成!という事で全ての側窓に貼っていったようですが、運用が始まると心無い人々によってシートを剥がす行為が続出。接着力は当然あるので中途半端に破けてしまったシートが次から次へと登場してしまいました。しかし、破れた部分をそのままにしてしまっては心無い人に敗れてしまう!!そこで、苦肉の策がこの画像です。
なんとか貼り付いている部分をそのまま残して、破れた部分をまとめて切断という対抗策を打ち出し、結果として半分透明、もう半分半透明といった感じになってしまいました。
全部撤去した部分も僅かながらあるようで、その部分は容赦なく大きい窓から日の光りが射し込みます。無論「快適さ」を少しでも損ねているわけで、いたずらにシートを破るのはやめて欲しいところです。

それにしても…伊勢崎へのスターだった頃は日光に勝る活躍をしていたと訊くのですが…・・・・・・…
 
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