東武鉄道  634型「スカイツリートレイン」
 
  東武鉄道有数の長距離ランナー6050系から改造と聞いて目がテンになったのも懐かしい思い出…出てきた車両は外観こそ思ったよりも6050系らしさが残っているなぁと思ったものの、いざ車内に入ると…。
スカイツリーの高さにあやかって634型がつけられ、スカイツリートレインとして太田、日光、大宮、会津田島…と東武エリアをくまなく出没!2017年からは団体列車の任務が主ですが、それでも臨時特急などで時々登場する往年のジョイフルトレインのような存在の車両です。その時々登場する時の運用がしばし話題になるもので、2018年の宇都宮線フリー乗車デーの目玉になったり、浅草〜スカイツリー駅1区間だけ走った2021年のサクラトレインは私…も含むSNSで話題になりました(^^;

伊勢崎・日光方先頭車を1号車、浅草方を4号車でご紹介します。
(取材・撮影 東武伊勢崎線・太田 他)

 

 

 

 
左の画像が1号車、右の画像が2号車の車内です。どちらも車端部から乗務員室に向かって撮った画像で、「朝焼け」をイメージしたとされる赤系モケットの2両です。
1号車は下り伊勢崎・日光方面進行方向右手に2人掛けリクライニングシート(「ツイン」だそうです…)が、左手に1人掛けリクライニングシートの「シングル」が備わっています。2号車は同じ進行方向右手に1人掛けリクライニングシート「シングル」、左手に窓側に向いた2人掛けリクライニングシート「ペアスイート」が備わっています。ペアスイートって名称がキュートすぎますが、窓向き固定という点以外の特徴は取り立ててありません(^^;;
種車の面影をほとんど感じさせない車内に仕上げていて、もはや走行音くらいしか…と言っても過言ではありません。
 
一方こちらは乗務員室から車端部に向けて撮影した全景画像で、左の画像が3号車、右の画像が浅草方先頭車の4号車になります。
座席配置は1・2号車と同じです。モケットは「青空」をイメージしたとされる青系で、天井の着色ガラスとも相性が良さそうです。
ちなみに2015年から2021年の6年間で座席番号が「通しの数字」から「数字とアルファベット」の組み合わせに変更になっています。「ツイン」は奇数号車のCD席、「シングル」は奇数号車のA席と偶数号車のD席、「ペアスイート」は偶数号車のAB席です。

以下、3・4号車の青い座席の車両を中心にざっくばらんに撮った模様を634m駆けのぼるくらいの過呼吸気味にお届けします。

 
奇数号車の車端部を左の画像に、右の画像に偶数号車の車端部の画像を持ってきました。右の画像は諸般の事情でだいぶ近づいた画像になります…。
6050系の面影はトイレのランプや戸袋窓くらいのもので、妻面の貫通扉から化粧板まできれいに貼り替えられています。また、奇数号車の車端部はドアの位置をずらすという匠もビックリのリフォームっぷり。妻面に掲げられた総合車両製作所もどことなく誇らしげです。そして延々流れるVTR…(^^;;

 
奇数号車の車端部にはトイレと洗面所が備わっています。車椅子対応のトイレをつけたくて扉の位置をずらしたようなもので、何か6050系や500系でフィードバックさせるような実験的な要素があったのかもしれません。
そそ、「お手洗いをご利用の際は必ず内鍵を閉めてからご利用ください」との案内が何枚も貼られていました。洋式トイレに座ったままオープン…という悲惨な劇場が繰り広げられたのでしょうか。
一方、結果的に大きな窓がついた姿がなかなか珍しい洗面台です。横引カーテンで仕切れるようになっているので、こちらも生中継を防ぐことはできそうです(^^;;

スカイツリートレインは各車両1か所ずつドアが備わっていますが、運用時は奇数号車のトイレ・洗面所に近いドアを開閉します。ドアの隣に洗面所…近鉄特急のようなワクワクドキドキ感があります。(否、一緒にするなという悲鳴が聞こえてきそうですが…(^^;; )

 
車椅子と売店もドア周りに備わっています。売店はそれこそ下り進行方向右手のドアが開くと目の前に広がる格好で…誰ですか「関所」と呼んでいるのは…!!
車椅子スペースは握り棒や非常通報機等が備わっています。また、座席が1段高くなった位置に設けられた関係で、通路と同じ高さに2席(10C・10D)設けられています。乗り降りの度にちょっと落ち着かないものの、これなら車椅子に座ったままでも仲間とわいわい旅ができます。

 
偶数号車の車端部です。6050系のドア位置をそのまま残していますが、このドアは使用しないのがお決まりのようです。
左の画像は御神木を使ったテーブルですが、傷がつかないよう入念なコーティングがされています(^^;; 妻面にはこの御神木の説明もしっかりと。反対側、アコーディオンカーテンの奥はバックヤードのようで、元々あった戸袋窓も埋められています。

 
乗務員室との仕切りです。左の画像が奇数号車のもので、左側はイベントスペース…と呼ぶにはちょっと狭いですね(^^;; 右側が荷物スペースと前面展望スペースです。右の画像、奇数号車はイベントスペースの部分にサロンと称してロングシートが設置されています。サロンと言われても見えるものは小さい戸袋窓と荷物棚…(^^;; でも長居する方がおられるようで、長居を遠慮して欲しい旨注意書きの案内が貼られています。 ちなみに、このサロンのテーブルも御神木…御神木の焼印を見ているとつい汎用の暖簾に書かれた「味自慢」の囲み文字を思い出してしまいます。お腹が空いたので湯葉でも食べに行きますか…(^^;

 
荷物棚とイベントスペースです。
ドアから一番遠い位置に荷棚とイベントスペース…イベントスペースに自転車を置きたくなってしまいますが、持って行くのが少々億劫になりそうです。そして、ここに座席が設置されなかったのは…元々ドアがあった位置で、構造や窓割で何か不都合なことがあったものかと思われます。

サクラトレインやスカイツリートレインでは活用されなかったイベントスペース、一時期この真っ白な壁にイラストを貼っていたことがあったようです。どうもこのイベントスペースにカラオケセットがあるそうですが、臨時列車でのお披露目はありませんでした。

そうそう、サクラトレインではこのあたりのお客さんは「どっちから降りれば良いのだろう…」と迷う様子も見られました。乗降口をお知らせする表示があると親切かなぁと思います。

 
天井と天井に設けられた液晶ディスプレイです。天井も6050系の頃から大きな変化があり、吹き出し口のリニューアルから照明の変更、そして天井から緩やかにカーブする窓の設置…もう6050系のくすんだ蛍光灯カバーはどこへやら。波型にカットされた意匠がなかなか素敵ですが、天井が明るすぎることもあり、ちょっと目立たないのが残念です。
また、私は天井、特に蛍光灯の外側の反射が少し気になりましたが、これは人によって差がありそうです。


床です。1段高い座席部分の床には黄色で注意を促しています。
その黄色とはあまり関係ないベージュの柄物の床です。それこそ隅田川をイメージした床に…というストーリーを考えてしまいがちですが、私の妄想で堰き止められました…(^^;;;


ドア周りです。窓ガラスの支持方法が6050系から微妙に異なっているようですし、半自動ドアのスイッチが撤去されていますが、両開き扉はそのまま使用しています。鴨居部にはドアチャイムがつけられ、偶数号車のドアは開かない旨案内がついています。
ドア周りには黄色い滑り止めが設けられ、握り棒も完備。このあたりは使いやすさを優先したような格好です。

このドアがスッキリ撮影できないのが私的なモヤモヤポイントで、どうやっても周りの主張が激しい画像になります。


窓です。意外とここにも6050系の面影が残っているのでは?とみています。カーテンレールや1段下降窓の取っ手がまさにそれで、天窓の横幅は種車の窓枠の幅に合わせて…ということであればシートピッチと合わないのも6.34%くらい納得です。
新設した固定窓があったり、種車そのままの戸袋窓もあったりと窓のバリエーションも豊富です。

天井に向けて緩やかなカーブを描いたガラスは画像をご覧の通り着色されたものが用いられています。

 
座席、まずはシングルからです。右の画像が全展開状態です。前後のみ回転が可能で、運用によっては向かい合わせでセットすることもあるようです。
ヘッドレストに弧を描いた形状が珍しい、背もたれがスリムな座席はコイト製です。腰の落としどころは良いとして、ヘッドレストの出っ張りが目立つ座席で、背もたれの薄さ、リクライニング角度浅めのセッティングから察するに、窓向きの固定座席に基準を合わせて設計した印象が否めません。沈み込みが浅め、硬めのフィッティングです。

乗車時間の長い南会津号を恐いもの見たさで試したかったものです(^^;;;


2人掛けリクライニングシートです。こちらも前後に座席回転ができます。プラスチックな肘掛けがモケットの色に合っている軽い印象で、さすがに「新幹線の座席みたい〜」と言っている人は一人もいませんでした(^^;; モケットはスカイツリーのキャラクターのシルエットが散りばめられています。
間もなく登場から10年。肘掛もそうですが、インアームテーブルもくたびれた様子はありません。

 
車椅子スペースの2人掛けは片側の肘掛けを跳ね上げることができます。その分のテーブルを仕切りや壁面を使ってどちらの向きも使えるように万全のサポート。この固定テーブルの大きさは飲食の強い味方になりそうな一方、この向きで座るということは…


偶数号車の窓向き固定のリクライニングシートです。基本は奇数号車と同じ座席で、リクライニングの角度も違いがありません。
この座席で悲惨なのは窓割が合わない区画があるところで…せっかくの窓向きなのに、ちょっと勿体ないなぁと。
足元は画像のとおりそこそこ余裕がありますが、荷物が多い時は荷棚の活用を積極的に考えた方が良さそうです。また、撮影したドアすぐの座席、ドアと座席の間はごみ箱…心理的にはここにも仕切りが欲しかったところです。

 
ソファ席と乗務員室右後ろの前面展望用の座席です。ソファ席は段差なしでアクセスすることができますが、ちょっと形状が微妙かなぁ…と。斜めの区画は荷棚に向かってコンニチハ…
そして段差が客席よりも高めの前面展望席。こちらもソファ席のような低反発が素敵な座席です。座面と窓の位置関係がスリリングですが、それ以上にこの区画の囲まれている感じが妙に落ち着きます…。団体列車に乗り込んだ時は一服の清涼剤のようなポジションにもなります。

…すみません、スカイツリーをプッシュするようなお話しができませんでした(^^;;;

ぜひ。
 
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