東武鉄道  50050型
 
  2006年に走り始めた、東京メトロ半蔵門線、東武田園都市線への直通用として増備されたのが50050型です。
前面に扉がついたものの、側面の固定窓とオレンジの帯、そして無塗装のアルミが実にお洒落だなぁ…と思ったものです。心なしか、東上線で見かける非貫通の50000型よりもシュッとしているように見えるのは私だけでしょうか。
現在も10両固定編成で久喜や南栗橋から中央林間まで走っていますが、固定窓は開閉可能窓に改造され、前照灯はLEDになるなど、しばらく乗るタイミングが開くと、どこかしら変わっているのでは?!としばし間違い探し状態になることも…そういえば、車内も…
今回は2008年に取材した模様をお届けします。コーポレートマークの部分に社章が入っていた、あの頃の模様です。
(取材・撮影 東武鉄道日光線・南栗橋 他)

 

 

 


車内全景です。4ドアロングシートの車内です。趣味誌で見た時はそこまで感じなかったのですが、とにかく白さが際立つシンプルな車内に思わず購入したての家電を連想してしまった思い出が蘇ります。モケットの藤色も、ドア周りの黄色もそこまで主張が強い色を使っていないのが却って新鮮でした。が…
数値的には車体幅が50000型よりも若干狭いようですが、車内の狭さは全く感じませんでした。


乗務員室との仕切りです。このあたりから東武鉄道の乗務員室との仕切りはだいたいこのような構成に落ち着いていていると思います。運転席の後ろは窓無し、真ん中に縦長の窓、そして乗務員室の扉といった格好です。仕切り窓の上には車両番号が書かれたプレートが設置されていますが、鉄道営業法第33条によって…と書かれたお馴染みの注意書きがこの仕切りにはありません。10両固定編成の両端だからこそ、のシンプルな佇まい。ただ、素材が変わって好き勝手な方向を向くようになった吊革に対し、しかめっ面を向けてしまう取材班でした。

 
車端部です。左の画像は通常仕様のモケットの車端部で、一部車両を除いた中間車で見ることができます。右の画像は優先席仕様で、モケットや吊革の色を変えてアピールしています。大きな袖仕切りに隠れてあまり良く見えない優先席モケットは藤色のモケットよりも目立つ存在のエメラルドグリーンです。
貫通扉はどちらか片側の設置になっています。故にもう反対側は貫通路が丸見え…という状態です。いくら化粧板を家電のような白色で固めていても、貫通路の部分の暗さはどうにもなりません。ここから走行音を拾ってしまうことになり、ちょっと勿体ないなぁ…と思う気持ちは今も変わりません。

 
車椅子スペースは両先頭車から2両目に設置されています。南栗橋方の車椅子スペースは片側が通常モケット、中央林間方の車椅子スペースは片側が優先席仕様のモケットになっていました。貫通扉が設置された面の妻面を見ると…ね、この明るさですョ(^^;;
右の画像は携帯電話の電源オフのステッカーが貼られていますが、吊革は通常仕様の灰色のものを用いています。


その車椅子スペースです。側窓の上下に手すりを設け、妻面にも縦横手すりが備わっていますが、このうち縦の手すりについては座席が設置された車端部にも設置されているもので、車椅子スペースだけに設置されたものではありません。故に、貫通扉の有無によって設置位置や長さが異なります(^^;;
どこまでもシンプルな車椅子スペースですが、当時JRのヘビーユーザーだった取材班からすると、消火器が妻面の壁と「ツライチ」になって、しっかり格納されているところに感動を覚える次第。ただ、もう少し目立つ標記があった方が万が一の時、特に地下鉄線内で起こった時のことを思うと…と思います。


どこまでもシンプルな天井周りです。艶消しの白い化粧板を主に、センターにラインフローファン、両側に蛍光灯を携えて、冷房の吹き出し口がどこかさえもわからなくなるような構成は上手くまとめた感じがします。
ただ、後年乗っていて気になったのが蛍光灯の上の鼠色の配線。ちょこっと飛び出しているだけですが、取材班の観察眼がないせいか配線が見えるシチュエーションは他系列ではあまり見ることがなく、これまた取材班の悪い癖で見れば見る程気になってしまいます(^^;; それを以てして何かを揶揄するような声もネットサーフィンをしているとチラチラ聞こえてきますが、流石にそこまでは言いますまい。


登場時の床はツートンの灰色がこれまた絶妙な色加減で、ドア周りの注意喚起を兼ねた配色も薄い黄色でした。この床については2010年に国土交通省から燃焼性の規格を満たしていないとして交換の指示が出ております。交換後の床はグレーがそれぞれ濃いめのツートンにシフトした他、ドア周りの黄色は凹凸をつけて、色を濃くしています。それでも少し壁の部分まで床材を引っ張る加工は継承しています。

 
ドア周りです。LED表示機の設置が千鳥配置となっているため、もう片側のドアは「半自動」「締切中」の表示を出すシンプルな鴨居部を備えたものになっています。シンプルと言えば…ドア脇の手すりが戸袋部分のカバーと一体になったもので、東京メトロ10000系などでも見られたものになっています。
ただ、黄色いテープを貼っていてもあまり気がつきにくい存在で、かつ握りにくかった記憶があります。結局、この後製造された東上線の50070型では手すりが独立することになります…。

ドア自体は白い化粧板を貼ったもので、開け閉めの音が静かです。

 
LED表示機のある鴨居部と無い鴨居部を比較です。このあたりはあってもなくてもあまり変わらない雰囲気に収めた格好で、却って「半自動」「締切中」を示す表示が小さすぎて寂しささえ感じるものです(^^;;
LED表示機は3色の表示で、次駅案内、行先表示など列車に関する情報が流れてきます。30000系のような行先や種別をずっと表示するようなことはありません。あれ、結構わかりやすくて良かったのですが…(^^;;;
なお、50050型はLED表示機からLCD表示機への変更が行われているとのことで…このLED表示も間もなく見納めです。


50050型の固定窓です。登場時は換気装置を天井に載せて、この視界が良くてシンプルな窓枠を有する大きな窓こそ50050型の大きな特徴では?!と感動すら覚えたものです。しかも、これだけ大きな窓に対してロールカーテンがついているのは乗客思いの部分でもあります。
…少し経って開閉化の改造が行われ、大きな窓は見納めとなってしまいました…。
そして、開閉できる窓が重宝される時代が来るなんて、思いもしていませんでした…。人生、何が起こるかわからないものです。

 
座席です。ドア〜ドア間の7人掛けです。
バケットシートを採用した片持ち式座席で、東京メトロやつくばエクスプレスでも見たことあるかも…というような、座面と背もたれが鋭角で交わる、座面が膝に向かうにつれ高くなる座席です。沈み込みが少なく、膝裏への圧迫感が大きく、腰回りの支えが期待できない座席は正直取材班の鈍さで以てしても閉口した記憶が蘇ります…。その後の50070型などの増備にあたってはこの形状が継承されることはありませんでしたが、東京メトロ10000系と同じ道を辿っているのはなかなか興味深いところです。

加えてシンプルで爽やかな藤色のモケットは汚れや擦れた跡が目立つもので…床材同様、モケットも変更されてしまいました。80年代後半から90年代前半にかけての鮮やかなモケットがたくさん出て、その後次々と無難な模様に変更されていった時代の流れを一人思い出すわけですが、優先席と通常仕様のモケットの配色が逆だったら、少し状況が変わっていたかもしれませんネ。

 
車端部の3人掛けです。右の画像は優先席のモケットで、、窓に貼られた優先席のステッカーも懐かしい仕様です。
どちらも片持ち式の座席で、ドア周りの空間を広く取りたいからか、妻面に余裕は感じられません。そして、先頭車の車端部は中間車よりも長さが短く、窓と妻面の間の化粧板が狭くなっています。先頭車の優先席の画像があれば比較できたところですが、残念ながら撮り損ねております…。
後年乗った車両では優先席のモケットに変更こそ無いものの、妻面から1人、2人と区分できるようにスタンションポールが設置されています。なんでしょうかこのサクラダ・ファミリア感…あ、有楽町線は通りませんョ。


袖仕切りです。登場から間もないころだったのでこの白さです。2016年に取材した際には色が剥げ始めている様子が伺えます。
うーむ、液晶ディスプレイの次に手が入るのはこちらでしょうか…。
 
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