東海交通事業  キハ11形300番台
 
  東海交通事業城北線…
東海道線も、中央線もひっきりなしに走っているのに…ひっそり走る1両のディーゼルカーの可愛さときたら、たまらないですね〜。
開通後キハ40形、キハ11形と紡いできた系譜、現在はJR東海から譲渡されたキハ11形300番台がトコトコ走っています。
譲渡されたのは6両のうち2両、昼間勝川駅に行くと1両お昼寝しており、ちょっと低い位置からつぶさに観察することができます。1時間に1本の列車に揺られ、真昼間高架橋から眺める景色も良し、夜の遠くに名古屋のビル街、手前に高速道路の灯りを眺めながら星空散歩をするのも良し。気が付いたら高い運賃をどれだけ払っていることやら…(^^;; 
画像は小田井駅。階段を延々降りて高架橋を下から眺めると…可愛い車両からは想像もつかない巨大さに驚きつつ、小中井田井駅まで歩くのでした。
(取材・撮影 東海交通事業城北線・枇杷島 他)

 

 

 


車内全景です。JR東海時代からあまり変化はありません。2ドアセミクロスシート、後乗前降のワンマン運転です。
落ち着いたトーンの車内に蛍光灯の色合いが一周回って暖かい雰囲気を作っている印象で、夜勝川で停まっている時に中央線の車窓からはどのように見えるのかなぁ…と思っただけで、ちょっとワクワクしてきそうです。尤もワクワクするのは旅行客だけで、普段使いのお客さんは乗り換えにうんざりしそうですが…(^^;;

 
車端部です。左の画像は勝川方、右の画像は枇杷島方で、車椅子スペースと謎の業務用スペースがスタンバイしています。
乗務員室はどちらも半室構造で、運転席の後ろは固定窓です。このあたりの基本的な構成はキハ11形と同じですが、排気管が端に寄っているのが新鮮です。
これは帰ってから気が付きましたが、整理券の発券機の案内が白とオレンジの2種類用意されています。行先や方向で分けているわけではないですが、「始発駅では折り返し整備ができ次第発券される」旨の案内が貼られています。


ステップが埋められて乗り降りがしやすくなっているドアの脇に車椅子スペースがあります。枇杷島方の設置で、謎の業務スペースの向かい側になります。エレベーター設置駅は取材時点では小田井、枇杷島の2駅だけなので、車椅子やベビーカーで利用する際は要注意です。そんな車椅子スペースは固定器具と手すりが備わっています。オリジナリティを感じられたキハ11形と比べると、ちょっと大人しい設備です。


謎の業務用スペースです。と言っても正体は紀勢本線で揺られたことがある方ならご存じ…トイレです。業務用としてトイレが使えない様子はかつて静岡地区の113系で見たことがありますが、JR東海由来の車両ではなかなか見かけないシチュエーションかと思います。よくよく見ると、トイレ使用時の表示灯も真っ白の状態で設置されています。
乗務員さんのトイレ事情も気になりますが、勝川駅にも乗務員用と思われるトイレが設置されています。


天井です。ところどころラインフローファンが備わるフラットな天井で、カバーつきの蛍光灯が2列に並んでいます。キハ11形0番台では中央に1列の蛍光灯配置で、冷房は窓の上から…という天井だったので、比べる中で最も異なる印象を抱く部分かもしれません。それにしても…落ち着いた空間を作るのが上手いなぁ…と、ただただ感心です。
吊革はロングシート部分のみの設置です。


ベージュ一色の床です。見事にキレイな床で、モケットとの相性もバッチリ。JR東海らしい色遣いだと思います。

 
少しくたびれた雰囲気を放つドア周りです。ステップを埋めた部分に黄色の滑り止めを貼っているのが若作りに見える…なんていったら失礼ですね、1999年生まれ、城北線では物足りないくらいの働き盛りです(^^;
化粧板が貼られたドアはゆっくり開閉されます。半自動ドアのご案内はボタンの上に留まらず、窓にも貼られています。


半自動ドアのボタンです。ボタンの開く、閉じるは色のついたものに交換されているようですが、2010年の時点でボタンの色、ボタンの周りの黒いステッカーは現行と同様の状態でしたし、車両によってはボタン上のステッカーも貼られていました。一応左から内側「ドア」表示あり、内側「ドア」表示なし、外側の順ですが、ドア表示が見難くなってしまっています。
外側の「強く押す」は2010年ごろのJR車ではみられませんでした。


側窓です。ここは先代同様見事な固定窓。ロールカーテンも備わっています。やはり冷房の吹出し口が無い分スッキリしています。
夜景をウリにしたイベント列車もかつてはあったようですが、例えば土日の夜の列車は少し照明を落として、夜景を存分に愉しめる…なんて列車が走っても面白いかもしれませんネ。

 
ここからは怒涛の座席の大冒険。金太も座席も負けるな!ということで(^^;;
勝川方のロングシートからご覧いただきます。バケットシートですが形状はあまりキツくなく、見た目もどことなく211系あたりで見たような…といった感じです。座面は厚め、しっかり沈み込んでくれるスタイルはなかなか良い出来だと思います。
 
枇杷島方のロングシートも勝川方同様に6人掛けと5人掛けのタッグです。トイレに挟まった方が5人掛けです。
JR東海時代は左の画像の6人掛けを優先席として充てていましたが、特にモケットでの区別はつけていませんでした。現在も優先席の設定はなく、モケットは1種類のみとなっています。
5人掛けロングシートはクロスシートとトイ…失礼業務用スペースの間に挟まっていて、なるほど寄りかかる分にはなかなか良い場所だと思います。ただ、乗り通しても20分かからないのであっという間、寝過ごしには要注意です。

 
クロスシートは左右3組ずつです。背面の素材がプラスチックで、ちょっと汚れが気になるかなぁ…と思う部分も。肘掛けの周りは独特の意匠ですが、いわゆる第3セクターで走っているディーゼルカーで良く見るタイプのクロスシートと瓜二つのシルエットです。
真っ平な座面と頭から尻まで見た目以上に凹凸が無い、ストンと切り立った背もたれのデュオは夜景を見る分には良いとしても、寛ぐにはちょっと…といった出来です。何ならロングシートでサクッと乗り降りできる方がこの路線の付き合い方としては合っているかもしれません。

肘掛けの内側のモケット張り、そしてヘッドレストカバーがなかなか素敵ですが、この車両のヘッドレストカバーを外した画像を見たことがありません。先代は黒のレザー張りのヘッドレストでしたが、この車両はめくると果たして…。
 
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