天竜浜名湖鉄道  TH2100形 [キハ20色塗装]
 
  2001年にデビューしたTH2000形。1次車3両のうち1両はこのように国鉄形のディーゼルカーでよく見たツートンの塗装にお色直し。全線開通80年を記念したキハ20色塗装列車として活躍しています。
TH2000形自体現在はTH2100形に改番していますが、1次車3両のうちトップナンバーは湘南色に塗り替えられていて、1次車3両だけで塗装パターンが全く違うというなかなか素敵な状況が展開されています(^^; なぜ1次車が起用されたのかは中の人のみぞ知るという状況ですが、ちょっと思うところもありまして…(^^;;
天浜線は公式サイトの運用情報が大変充実していて、このキハ20色塗装列車の情報も公開されています。故に狙い撃ちも難なくできますが、せっかくなら腰を据えて、様々な車両を乗ったり撮ったりしたいものです。
(取材・撮影 天竜浜名湖鉄道天浜線・西鹿島〜掛川)

 

 

 


車内全景です。初期製造の車両は元々紺色のモケットを有していることもあり、思わず「あ、車内もリバイバルか?!」と思ってしまいそうになります。ただ、湘南色の車両のように木目シートの装飾は行われず、代わりに装飾されたのは…鉄道ファン養成講座のような天浜線の歴史と今、走った車両の紹介などのアピール。これがなかなかマニアックな視点で、結構読んでしまうものです。全景の画像でも早くも懐かしのディーゼルカーや、ダイヤグラムと思しき画像が写り込んでいます(^^;
2ドアセミクロスシート、トイレの無い車内は他のTH2100形と共通です。

 
車端部です。左の画像は掛川方、右の画像は新所原方の車端部で、どちらも賑やかな装飾がみられます(^^; 面白いのは整理券発行機の台座で、掛川方の発行機は消火器入れを兼ねて床から、新所原方の発行機は仕切りから枝になった実のように備わっています。その奥、客室内の蛍光灯の灯りを反射させないような板はどちらの車端部にもついています。
取材したのは2021年の11月。コロナ禍に伴い進行方向前側の助手席部分は画像のようにチェーンで仕切られていました。

 
乗務員さんの粋な計らいで撮影の時にチェーンを外していただきました。感謝です。
左の画像は掛川方のキハ20で車椅子スペース、手すりが一本備わっています。右の画像は新所原方のフリースペースでC58の解説が。いずれも天竜二俣駅で保存されている形式の紹介ですが、えっと、おじさんの関心事は20系客車…(^^;;
今でこそありふれた車椅子スペースですが、登場時はこの部分に線路と平行方向に折り畳み座席が設置されていたとか。ラッピングの効果でその跡の確認ができませんでしたが、見たかったなぁ〜折り畳み座席。


天井です。銀色のラインフローファンを中央に、両脇に剥き出しの蛍光灯が備わっています。吊革はロングシートの部分にのみ備わっていて、さながら国鉄時代のセミクロスシートのような配置です。え、そこ感動ポイントじゃないって…?反面、中吊り広告の金具は設置されていません。見通しの良い、平らな天井です。


床です。ベージュの床は画像よりも若干濃いめに見えるかと思います。この形式に限って言えばロングシートの蹴込み板やクロスシートの脚が同じような茶色で整えられています。国鉄時代のノスタルジーを追い求めるのであればツッコミを入れたくなるところですが、床に合わせてあるところが微笑ましく感じます。

 
片開き扉です。ステップが備わっていますが、意外と地味…な装いです。ここはもう少し目立たせた方が?というのは余計なお世話かもしれませんが…。
ドア自体は無塗装のステンレスで、側窓に負けない大きな窓が特徴です。開け閉めはゆっくり気味ですが、バタバタ開け閉めするような昔の国鉄形ディーゼルカーのような不器用さはありません。

半自動ドアのボタンです。車内側と車外側です。手動でのドア開閉ができる時は上部に赤字で「ドア」と表示されます。ボタンに取材班の顔が写ってしまうので、若干微妙な画像になってしまいました(^^;; 車外側は最近貼り替えたのでしょうか、シールの劣化がありませんでした。ドアステッカーは剥がれかけていたので、そちらもぜひメンテを…(^^;;


固定窓の側窓です。カーテンが備わっているのは嬉しいし、結構日中陽射しが車内に入ります。
一方、窓枠の下辺やテーブルが無いところを見ると…つまり、それらを求めるような過ごし方は推奨していないということです(^^;; そんな時にはTH9200形をチョイスすると若干シアワセになれそうです。
そしてこのキハ20色塗装車では窓の上にも要注目。豊富な塗装パターンは見ていて飽きないし、収入の一助になれば言うことなし、ですね。あとは…乗る人を増やすためにも、外の魅力と同じくらい中の魅力も磨いて欲しいものです。

 
新所原方のロングシートは片側5人掛け、もう片側6人掛けです。
元々紺色のモケットを備えており、本当に国鉄時代にタイムスリップできるのでは?と思うような装いです。特に日中に見るとその差がわからなくなってしまう程ですが、いわゆる国鉄で使用していたモケットとは若干青の色合いが異なるように感じます。それでもこのモケットを器用するあたり…よくわかっておられます。
。座面、背もたれとも縫い付けがされていますが、はっきりとしたバケット形状ではありません。
 
掛川方の5人掛けロングシートです。左の画像は優先席ですが、特段他の座席との区別はありません。
さて、袖仕切りに注目するとパイプ形状になっています。天浜線のTH2100形の多くは肘掛けを兼ねるくらいの高さの化粧板を用いた袖仕切りを採用しており、かえって珍しいスタイルになります。じつはこの味気なさにノスタルジーを感じ、湘南色やキハ20色塗装に1次車が抜擢されたのでは…と取材班はついつい考えてしまうのです。
静岡新聞社から本まで出ている「3丁目の昭和」のコーナーが今もあればカンカン娘にこの仮説を訊いてもらいたかったものですが…SBSの夕方ワイド、なくなっちゃいましたからもうカンカンです(^^;;


クロスシートです。左右各4組、4人1組になります。
背もたれや座面が厚めに設えられており、程良い柔らかさがウリのクロスシートになります。ソデ体を見るとどこかで見たようなデザインにも感じますが、車体もロングセラーであれば座席もロングセラー。それでも後期に製造された車両は若干スリムになっているようで、運用情報を見てこの席を選ぶのも悪くはありません。
TH2100形の多くがヘッドレストカバーを個別のものにしている中、湘南色の車両とこの20形色塗装のヘッドレストカバーは2席を覆う物を用いています。他の車両とはちょっと雰囲気が異なるのはまさにそこの部分で、かつて東海道線で走っていたJR東海の113系や115系を彷彿とさせるものがあります。あれ…やっぱりちょっと、懐かしく感じませんか…?涙が出ませんか…?
 
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