京都丹後鉄道  KTR700形[あおまつ]
 
  右に停車中のシックなデザインがKTR700形「あおまつ」です。観光型車両として平成25年に大幅な改造を経て登場しました。当初は「あかまつ」との併結運用が主でしたが、現在は西舞鶴〜天橋立と福知山〜宮津の運用が中心で、「あかまつ」とは異なり普通列車運用にもビシバシ入る格好です。画像もその光景で、あれ、その運用は確かオフィシャルサイトでの紹介は無かったはずですが…(^^;;
画像からは小さくてなかなか判別できませんが、水戸岡鋭冶先生の作品群のひとつで、水戸岡デザインはこの車両とあかまつをきっかけにくろまつ、コミューター車両、丹後の海…など、続々と増え続けています。散りばめられたロゴは記念撮影にうってつけですが、脇に書かれた旧社名はなかなか消せません…(^^; 消すときっと青鬼が出てきます。
(取材・撮影 京都丹後鉄道宮福線・福知山他)

 

 

 


車内全景です。2ドア車はそのままに大きくリニューアルしています。
画像右側を日本海側として、福知山・豊岡方から車内をざっくり紹介していくと…
(1)車椅子スペース→(2)福知山・豊岡方側ドア→(3)山側ソファ・日本海側トイレ・洗面所・カフェコーナー・窓向き座席→(4)テーブルつき固定クロスシート(山側・日本海側とも4人1組が3組ずつ)→(5)西舞鶴方向に向いた固定クロスシート(山側・日本海側ともに2人1組が3組ずつ・山側1組のみ優先席)→(6)西舞鶴方側ドア→(7)立席展望スペース といった布陣です。

くたびれた北近畿タンゴ鉄道の通勤車からは見違えるほどのリニューアルにしばしば呆然としてしまいました。同様のリニューアルはご存じのとおりくまがわ鉄道をはじめ他社でもよく見かけます。でも、満員御礼のあおまつの車内で乗客が発した言葉「美術館みたい〜」「これって特別料金いるのかな?」…そう思わせるだけの車内を作れる実績を持つ工業デザイナーが足りない昨今、まだまだこれからも様々な切り口で魅せてくれると思います。

 
(6)固定クロスシートから仕切りを経て(7)西舞鶴方ドア、そして汎用品のゴミ箱がそこにいるのが信じられない(8)立席展望スペースです。ゴミ箱はどうやら水戸岡マジックはかかっていないようです(^^;;
普通列車運用にも入れるようワンマン機器はそのままですが、全てが白くなっているのであまり目立っていません。ワンマン運転は最小限に…との暗示でしょうか?
立席スペースに取っ手がついたのが嬉しいですね。一方、蓋の取っ手に勘違いする人がいたのにはビックリしましたが…仮に蓋だとしても、普通開けないでしょ…(^^;;;

 
福知山側の乗務員室周辺はちょっと遠くから、手前から(3)ソファ、カフェカウンター等、(2)福知山・豊岡方ドア、(1)車椅子スペースです。半室構造の運転台は当初からのもので、あおまつは運転手のワンマン運転に時折カフェから車内放送が入る運転形態をとっています。乗務員室から後ろを振り向くと何かと障害物があって車内全体を見渡すのは難しそうですが、実際の運用面では不都合はないのでしょうか…?
そして車椅子スペースです。…正直に車椅子を利用する方に聞きたい、このスペースで車椅子の取り回しはできますか?と。この空間、消火器の出っ張りがある上にドア前のステップが走行中は空洞になってしまい、そこにタイヤを取られると復帰するのが大変です。ドア幅の問題は差し引いても、余ったスペースをなんとなく提供するような考えで無いことを願うばかりで、ソファを撤去してでもきちんとした車椅子スペースを作るべきだと思います。

 
(3)カフェカウンター、そしてトイレ・化粧室との壁です。壁面には木目調の飾りがズラッと。鏡も備わっていてここは木の温もりを愉しむコーナーになっています。カフェカウンターはお土産やドリンクの提供を行っています。カーテンは引きっぱなしがデフォルトで、このあたりの詰めの甘さが残念です。そそ、カウンターの松のピクトグラムが可愛いです。
私的には、賛否両論あるかもしれませんが…あと100円高くしても良いのでコーヒーの香りが車内に漂うドリップコーヒーがオーダーできるようになるとさらにカフェっぽくなるかなぁ…なんて贅沢なことを思ってみたりします。


(2)福知山・豊岡方ドア付近にはマガジンラックが。各種リーフレットから鬼まで!!鎮座しています。しかしこの場所はドアが開くたびに風が吹き込む場所…リーフレットが「荒れる」のを防ぐためにも、鏡と場所をトレードしても良かったのではないかと思います。

 
トイレ、洗面所の入り口はピクトグラムが入った暖簾で。このお洒落な感じが好きです。そして洗面所のボールです。周りの木の部分は水滴をキチッとふき取ってあげないと後年ボロボロになってしまいます。


天井です。こちらも照明関係をリニューアル。吊革はソファの近くにつきました。昔は水戸岡先生の作品は天井を加工することはあまりなかったのですが、近年のリニューアルでは加工する事が多くなってきてますね。シンプルなデザインで夜間やトンネルでは癒しの色彩を程よく提供してくれます。


床もフローリングにリニューアル。雪の降る京都丹後鉄道ではあまり水分を車内に持ち込みたくないところですが…ドア付近にいわゆる玄関マットを敷いて水分を十分ふき取った方が良いと思います。…ここまで言って、木に対して気になりすぎですか?

 
(2)(6)ドア周りです。従来のドアをそのまま用いています。滑り止めのシートの先にはステップがあり、ドア窓にはあおまつのロゴが入っています。周りと同じ白を用いてお洒落に魅せている…つもりに見えますが、ドア窓の小ささと支持方法の古さが目立ちます。さらに半自動扱い時にドアの開け閉めをボタンではなく取っ手でガラガラ…とやっている時点で、乗り降りに疲れるバリアーを張ってしまっているマイナス印象を与えてしまっています。せめて片側だけでもドアスイッチをつけて欲しいものです。

ドアの取っ手もこのとおりつかみにくい形状で…取っ手は出っ張っている方が使いやすいというのは水戸岡先生のデザインでも散々出てきているのに… あと、この車両の「松」という漢字が「ハム」に見えて仕方がありません。この場で言う事かどうかは別として(^^;;


(4)テーブル席の周りには青白い照明が。あおまつだから…かもしれませんが、この照明が生み出す青はなかなかキレイで、ついつい見惚れてしまいます。窓枠も軽めにリフォームしています。


座席です。(3)山側ソファのうち、福知山、豊岡方は仕切りも兼ねてカーブを描いたソファを配置しています。頭までスッポリ収まる人が多い背もたれが特徴ですが、座面と背もたれは直角に交わり、座面は奥行きが浅めで、停車中は足元から夏は熱気が、冬は風が入ってくる…頭しか隠せないシートになっています。ガラスの仕切りが床まで伸びていれば良かったのですが… 長い時間座っていられるような座席ではないのですが、混雑するとこの座席に1時間以上お世話になることもあり得ます。駅に止まる度に踏んばらなければいけない座席って…どうよ?


ソファとソファの間にはお約束の棚が鎮座しています。車内でコーヒーが飲めることを考慮すれば、肘掛の位置くらいに簡単なテーブルがあると良いな…と思います。
 
棚と棚に挟まれたソファです。なぜか青いマットが敷かれていましたが…敷くところが間違っているような気がします。肘掛がある一方、まっ平らな座面と直角に交わる背もたれが残念で…褒めるべきところは素敵なモケットくらいしかありません(^^;; どちらもモケットが素敵で、車内の雰囲気に溶け込めています。

 
カフェとテーブル席の間、日本海側に向く座席が4席ほどあります。軽食を愉しみながら景色も堪能できる素敵な座席ですが、テーブルを支える足が邪魔…そして、座席が動かないのである意味座れる人を限定しているように見えます。オシャレ指数が下がってピーコさんに怒られるかもしれませんが(^^;; 3席に減らしてファーストフード店のカウンター席にあるような1本足の回転台座にするともっと座りやすいと思いますが… いかがですか?
一人旅的には居心地の良い座席ですが、天橋立、宮津ともに改札口に向かってコンニチハ…なのでちょっと恥ずかしいかもしれません。

 
撮影するのが難しい(4)テーブルつき固定クロスシートです。テーブルは折りたたむことができますが、実質乗り降りの際にぶつけないように…との配慮程度のことかと思います。肘掛の木は触っていて心地よいですが、座面は薄く底つき感のあるもので、背もたれは当然硬い!という印象しか残りません。幸いにもしなるので多少の余裕はありますが…なんだかなぁ…


そして片側に向いた(5)固定クロスシートです。この座席の存在のおかげで進行方向に向いて座れる席数が列車の向きによって大きく異なるという現象が…(^^;; これ、列車の揺れとか向きとか苦手な人には極端に選択肢を減らしているようにも見えてしまいます。もう1組4人掛けボックス席を用意しても良かったのでは?と思ってしまいます。また、この座席にはテーブルがありません。窓側に小さいテーブルを用意してみてはいかがでしょうか?
なお、モケットは4人掛けクロスシートも含めて数種類あります。水戸岡先生の作品ではお馴染みのラインナップで、あおまつだけに青いモケットで統一されています。

 
西舞鶴方固定クロスシートの山側2席は優先席に充てられています。ここは大きなテーブルがついていて◎。ただ、テーブルまでの距離が長いのは若干不便です。あと、仕切りのロゴマークは座っている人の視線で考えるといらないと思います。ここのロゴマーク、結構ぶつかって削れてしまうことがあるんですよね、松の字がいつの間にか「ム」になっていたり…(^^;;
ただ、西舞鶴行は足元の広さもあってなかなか居心地の良い席になるのではないでしょうか。


優先席にはヘッドレストカバーがつきます。○丹マーク…どこかで見たことがあると思ったら、北近畿圏で展開するスーパーマーケット「さとう」の○さマークでした…(^^;; 数少ない「京都丹後鉄道」の名前を知るツールの一つでもあります。そして、取っ手の形状に苦労してくりぬいた努力の跡も要チェックです。


あおまつの美しさは京都丹後鉄道の素敵な財産。あおまつのくつろぎも京都丹後鉄道の素敵な財産。
カフェの営業はいつまでも続けて欲しいです。
 
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