多摩都市モノレール  1000系
 
  多摩モノレール…タマも乗れーるからポチも乗れーるなんてくだらないことを考えていたら、野球開催日にはなんとレオ(の縫いぐるみ…)まで乗る多摩都市モノレール。登場時からの主力車両は1000系ですが、どうも細かい改良を絶えず加えているようで、セミクロスシート車で景色をノンビリ愉しむスタイルは過去のものになりました。オレンジの帯も巻き、発車メロディも変え、立飛や立川の都市軸には真新しい建物や施設が目白押し。このコンテンツではそんな2020年に取材した模様をお届けします。
2020年現在では上北台から武蔵村山、箱根ヶ崎方面への延伸に向けて徐々に動き出していますが、誘致に引っ張りだこな状態は今も昔も変わりません。多摩センターから八王子や町田、はたまたあきる野市方面につなげて環状線も…という案もあるようですが…30年後、果たして1000系はどこを走っているのでしょうか?!
(取材・撮影 多摩都市モノレール線・立川北〜上北台)

 

 

 


車内全景です。4両揃ってロングシートの車内が展開します。2ドアです。
画像は2両目の全景から3両分まとめて見ている格好ですが、貫通扉や妻面の壁が無いため、前後方向にはかなり開放感があります。空いている時間帯、立川近辺のウネウネを通るときやちょっとした上り勾配の時に車内を見渡す爽快感は、景色の良いモノレールにおいてあまり気づかれない光景です。
昼間乗ると何よりも窓の「色」に目が行きがちです。当初は黒系のスモークガラスにロールカーテンがついていたのですが、近年薄緑色の着色ガラスに交換が緩やかに進んでいます。今回はその薄緑色のガラスに交換が済んだ車両を取材しました。


中間車両のうち先頭車とは逆側の連結部、つまり編成の中央部分は通常仕様のモケットで5人掛けのロングシートを展開する車端部になります。ここの区画にはスタンションポールが設置されておらず、キノコのような形状の妻面ということもあって思った以上の開放感で、冷房や暖房の効きも万遍ない印象です。

 
優先席がある車端部は左の画像の「先頭車の車椅子スペースつき区画」と、右の画像の「中間車の先頭車寄りの車椅子スペースが無い区画」の2パターンが用意されています。ステッカーと吊革で優先席であることをアピールしています。この優先席の配置方法は玉川上水で連絡する西武線の通勤車と同じパターンで、他の接続路線から乗り換えると少し戸惑うかもしれません。


車椅子スペースです。かつてはここにも折り畳みの座席が設置されていましたが、現在は撤去されています。
壁に埋められたヒーターが若干若作りにも見えますが、そのすぐ上が非常通報機、そして握り棒へと続きます。窓に係る部分は握り棒などの展開はなく、袖仕切りも低いタイプのものが設置されています。大型の袖仕切りに切り替える際に白い柄に一新しているのがさりげないポイントです。
多摩モノレールの駅は大体エレベーターがホームの先端につくことが多いので、ワンマン運転ということも考慮し乗務員室にもう少し近い位置に車椅子スペースを設けても良いのでは…と思っています。ただ、車椅子スペースに近いホームドアの床にはスロープをつけるなど、小さな努力もこつこつと行っています。


乗務員室との仕切りは抜群の展望席です。一段高いクロスシートがお出迎えです。この後ろの部分が広告枠に最適!と気づいたようで、アストラムラインの仕切りでも貼られているような大変大きな広告を展開しています。ただ、ここの広告はデザインを工夫しないと…混むと見難いですし、小さい文字でも見難いので、なかなか難しそうです。
そんな広告の先にある前面展望がお気に入りの方も多いようで、終着駅ではお待ちのお客様に席を譲るよう注意喚起のステッカーも掲出されています。立って見る分にも申し分ない窓の大きさなので、場所さえキープすれば堪能できます。
多摩川を渡るときに見える冬の富士山、かなりきれいです。

 
さて、2020年に入ってから乗務員室の後ろで「救助器」と書かれた大きな箱が設置されています。合わせて窓枠、特に戸袋窓の内側も小さくなるなど手が加えられているようです…。
ここもそのうち広告枠に化けたり、レオとライナの遊び場になったり、あの自動車メーカーのテストコースがあった武蔵村山から逃亡する外国人が中からゴーンと出てきたり…という妄想はさておき、非常時の脱出用シューターが備わっています。

多摩都市モノレールwebサイトのニュースリリースによると、中には梯子が数段と長さ25mのシューターが備わっていて、非常事態にはこのシューターで高さ22mから地上に脱出!というイメージを描いているようです。しかし22mの高さに対して長さ25m。中は螺旋状になっていると思われますが、飛行機の滑り台のような緩やかな傾斜を想像していた私としては、ちゃんと脱出後テレマークができるかどうかが心配です。


天井です。照明のLED化が行われたそうですが、従来の蛍光灯とあまり変わらない形状です。中央にはラインフローファン、そして吊革は灰色の三角形の物を用いていますが、登場時クロスシート部分には吊革がなかったこともあり、後から増設した車両もあります。ただ、なぜか先頭車両の乗務員室よりの側扉から仕切りまでは登場時から吊革をしっかり備えています。前面展望を好むお客さんへの配慮でしょうか?
吹き出し口は車端部だけ少し低くなっています。


床です。点検蓋が大きく目立ちます。床自体は灰色の柄物で、滑り止めをドア付近で展開しています。ここも登場時はベージュの床だったので、一度手を加えた格好です。

 
ドア周りです。救助器が脇に備わったドア周りの画像が右側になります。縮んだ戸袋窓の様子も合わせてご覧ください。
白い化粧板のドアに黄色いテープが貼られたのは最近になってからで、点字シールもひょっこり貼られています。窓の大きさは側窓とあまり変わらず、ここにも薄緑の着色ガラスが登場しています。
開業当初からホームドアがあるためあまり意識はしていませんが、開閉速度は緩やかかつ一定です。


LED表示はフルカラーのものを2016年から採用し、4か国語での案内なども率なくこなしています。2020年10月からはさらにピクトグラムを多用したリアルタイム運行状況なども流せるようになったそうで、画像は中央・総武線各駅停車が人身事故で遅れている時の表示です。次駅案内、マナー啓発、乗り換え案内等内容は多岐にわたり、駅間が短いと運行状況が省かれてしまいます。液晶ディスプレイも便利ですが、ある程度乗り慣れたらこれくらいの媒体で十分かなぁ…と思います。

このピクトグラム、分かりやすくて良いです。


独窓です。上部3分の1くらいが内側に折れる格好で開くモノレールスタイルの窓です。かつてはこの窓にロールカーテンを設置して、窓を開けたらどうするんだ…!くらいの様相でしたが、この薄緑のガラスに切り替わってからはカーテンが省かれています。日陰をあまり走らないモノレール、夏の乗車は日差しを考えた方が良さそうです。

 
通常仕様モケットのロングシートにアタックしてみます。ドア〜ドア間は12人掛け、車端部は5人掛けです。2006年以降袖仕切りが大きくて穴が開いていない(^^;;仕様のものになり、現在穴が開いた袖仕切りはすべてのこの袖仕切りになりました。
一方、モケットの模様は2006年あたりからそのままです。躍動感がありそうなオレンジのモケットで、もうかつてのモケットには戻れないくらい定着した感じがします。

救助器の隣のロングシートです。4人分のロングシートを救助箱に充てた結果、8人掛けになりました。救助器の上は荷物置き場として使用しても構わないとのことですが、座席と接する面については何も加工することなく、どどんと箱が置かれている状況です。箱の大きさから察すると座った時に接する面の肩から肘にかけて鬱陶しく感じそうで、今後他編成に設置する際にもう一工夫があっても良いのでは?と思います。
硬めのバケットシートで沈み込みはあまりありません。ちょっと着座位置が高いようにも感じます。

 
優先席です。5人掛けと車椅子スペース脇の2人掛けです。こうやって見ると5人掛けの優先席にもスタンションポールが欲しいところで、特に雨天時の揺れが独特なモノレールにあっては優先席だけでもつかまれる場所を増やしてあげた方が安心するのでは?と思います。
優先席のマークはシルバーシートのマークそのもので、少し懐かしい感じです。モケットは通常モケットよりも賑やかな紫色の柄物を採用しています。


乗務員室背後のクロスシートは左右どちらも2人掛けです。通路側のひじ掛けが割としっかりした形状ですが、ここも登場時は真っ平な板でした。背もたれはロングシートよりも縦方向に伸びていますが、座面はロングシートと大差ありません。
足元が思いのほか狭いようで、窓側の方が降りる時に通路側の方が立って通路を確保する場面に度々遭遇します。そういう面倒な部分を承知の上…のクロスシートだと思いますが、出たり入ったりする際に1段段差があるので、特に小さなお子様には要注意です。

また、夜の進行方法向きのクロスシートはカーテンを閉めた状態で運転することから、ガラス越しに自分の顔が映る仕様になります。そう、深酒が回った私の顔を見て愕然、降りる時に段差を踏み外すシチュエーション…多摩ったモノではありません。
 
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