湘南モノレール  500形
 
  大船駅のちょっと端から江ノ島に向かって走るのが湘南モノレール。JRのフリーきっぷで鎌倉を旅する人にはお馴染みかもしれませんが、一度乗ったらやみつきになりそうな迫力は一見の価値ありです。
さて、1988年にこれまで湘南モノレールの主力として活躍してきた300形の後継として登場したのが今回取り上げる500形です。今までのアルミ車体に赤い帯を継承しつつ、初の冷房車としてより快適性が向上しました。外観からは冷房があるなんてよくわからないですが(^^;;
その外観もあまり1988年生まれとは思えない雰囲気が漂っていますが、実用性を最優先したのでしょうか、はたまたモノレールの構造上顔を作るのは難しいのでしょうか・・・(^^;;; 現在も主力として活躍していますが、耐用年の限度が迫ってきているのでそろそろ置き換えも本格的に始まるのではないかと思われます。
(取材・撮影 湘南モノレール江の島線・大船〜湘南江の島)

 

 

 


車内全景です。コンパクトな作りはモノレールとしての制約があることから仕方が無いところですが、それにしてもこの雰囲気・・・製造年が記された銘板を何度見ても信じられないモノがありました。モノレールという特殊な車体故に電車ほど作り慣れていない分野だったのかもしれませんが、例えば大船駅で出会うJR211系や江の島駅で出会う江ノ電の2000形あたりの軽い雰囲気と「同世代」で括るにはちょっと躊躇してしまいそうな、味付けの濃い車内です。
・・・あ、自分もそういう味付けの濃い部類なので大いに同情できそうです(^^;;

2ドアセミクロスシート、3両編成の車内です。


乗務員室との仕切りです。ここも簡素な仕切りがあり、小さな窓が上の方についているのみとなっています。眺望の良さそうなモノレールだけにあまりに事務的な仕切りにちょっと残念です。
後ほど車端部の部分でも出てきますが、どの車端部や乗務員室の仕切り前も優先席と通常モケットの座席の組み合わせになります。

 
その車端部です。左の画像は中間車大船寄りの車端部、右の画像は大船方先頭車の車端部になります。貫通路は若干下り進行方向右側に寄っています。そのため、通路の扉も若干偏った配置になっています。
また、左の画像の車端部だけ座席の背もたれと側窓の間にちょっとしたスペースができています。これは一体なんなのでしょうか?!袖仕切りのバーも飛び出した分斜めに走っていますが、後は他の車端部と変わらない感じです。

さて、開放感満載の車端部ですが、仕切り扉には何やらいっぱい文字が並んでいます。

よくよく見ますと、通り抜けを禁じた表示が3枚も貼られていました(^^;;
常時通すことがお客さんへのサービスにつながるのでは?!という意見がでそうですが、このモノレールの車端部に限ってはそんな意見はまず通用しないと思いますし、3枚も貼る姿勢に「う・・・よし、わかった」と頷かざるを得ないと思います。

その理由は、実際に乗ってみて確かめてください(^^;;;


天井です。所々吹き出し口があるのが登場当初は画期的に映ったことかと思います。
吊革はロングシートやドア付近を中心に展開しています。その吊革のポジションを見てもわかる通り、天井そのものが他の車両よりも低めになっています。そのため、一部の蛍光灯には透明の覆いのようなカバーが設けられています。


床も何ら飾り気のない灰色の床です。しかし、このモノレールの場合はこの色が一番落ち着くかもしれません。
街並みとか空とかの絵が描かれた日にはもう・・・頭の中にcapsuleのグライダーが流れてきそうな勢いです。


ドアです。ここでしつこく確認しますが1988年に登場した車両です。で、こちらのドアです。
ラッシュ時の破損が多かったとされる窓は上下二段に大袈裟なくらい分離され、塗りドアならではのマイルドな装いに仕上がっています。よほど中からの圧力に強くて違和感の無いドアを求められていたのでしょう。確かに何かの故障で窓が割れて外に放り出されたらひとたまりもないわけで、確実に信頼の得られるスタイルの方がどんなにクールでスタイリッシュなドアよりも良いと思います。

少なくても最近の新型車両の両開きドアに見られるような「ちょっとした隙間」はこのモノレールにはご法度です。


窓です。開閉は上側の窓のみでき、内側に折れる格好になっています。ここもモノが上から落ちないための対策として窓が全開した時に網のような機能を持つ丸く穴の空いた鉄板が、ひさしのように窓の上辺から車内ににょきっと出ています。


ここからは座席へと移っていきます。ドア〜ドア間はセミクロスシート。車端部はロングシートになっています。観光需要も通勤需要も見込んだ配置ですが、全体的に小ぶりなシートになっています。これは通勤対策というよりも車内の大きさの制約が関係している物かと思われます。


先頭車にはラッシュ対策として折り畳み座席が設けられています。跳ね上げ時の復帰力が強いため折り畳んだ状態での撮影のみとなってしまいましたが、朝のラッシュ時を過ぎればよいしょっと座面を戻して座ることが出来ます。
当初はこの区画もロングシートだったそうで、その関係で折り畳み座席の背もたれは特に形状にこだわっているものではありません。

 
このこだわりを見れば折り畳み椅子とは全く異なる意気込みを感じずにはいられません。背もたれと座面が分離されたクロスシートです。薄い座面と狭いシートピッチを背もたれでカバーしようという感覚でしょうか。
蘇芳色のモケットは同時期に増備を重ねていたJR211系と同じで、常磐線と関東鉄道の「モケットつながり」を湘南でも繰り広げているような感じです。

小ぶりなので肘掛けが無いのは自然の流れです。

 
ロングシート、まずは乗務員室背後の座席からです。ちょっとオーバーな表現だと受け取られそうな袖仕切りの先には2人掛けの座席がどすっと構えています。

右の画像は優先席で、モケットにもしっかりピクトグラムや文字が書かれています。色や柄が従来の物とは違うだけでなく、湘南の波を思い起こさせるようなデザインになっており、個人的には久々にベストヒットモケットを発掘したような気がしました(^^)
最近駅名票などのデザインを一新したというハナシを聞いていますが、それに合わせて整備したのでしょうか。


ドアとクロスシートに挟まれた2人掛けのロングシートです。中間車は補助椅子が無く、ドア〜クロスシート間は全てこの座席になります。気持ち先ほどのロングシートよりも長さが短い気がしますが、気のせいでしょうか?
ロングシートとしては小ぶりで、座面もクロスシート同様ちょっと薄さが気になるところですが、乗車時間が短いのであまり気にはなりません。

 
最後に車端部のロングシートです。ここも変わらず2人掛けです。画像はどちらも背もたれと壁の間にデッドスペースがある座席になります。デッドスペースの都合で袖仕切りが他よりも出ていますが、それ以外の座席などは他との違いは見られません。
車端部とはいえあまりスペース的な余裕が無く、妻面は全面壁・・・というわけでは無いのですが、肘掛などを兼ねられるほど壁を少なくすることはできなかったようです。

この車端部もオシャレな優先席の表示がありますが・・・あれ、壁のステッカーと丸の数が合っていません(^^;;;
 
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