相模鉄道  9000系[ロングシート車]
 
  相鉄といえば、今でこそJRのE231系に似せた通勤電車が幅を利かせるようになってしまいましたが、ちょっと前までは独創性溢れる車両を作っていた物でした。それも、同時期に2種類の通勤電車を作るという意欲的な一面も見られました。日立製作所が作った銀色車体の8000系、そして今回ご案内する東急車輌が作った白色車体の9000系です。
8000系よりも編成数が少ない分なかなか遭遇する機会が多くない9000系、1990年代に7編成作られました。いずれも10両編成で、5号車と8号車にセミクロスシートを導入した編成内容も8000系と同じです。急行、或いは快速運用に充当される機会が多く、8両編成が多い故に普通列車運用に充当されることが多い10000系よりも目立ってしまっているように思えます。
このページは初期に製造されたロングシート車を取り上げます。
(取材・撮影 相模鉄道本線・海老名)

 

 

 


車内全景からです。4ドアロングシートは8号車・5号車以外の合言葉です。
登場してからあまり年月経っていない感じがしますが、細かな改良は適宜行われており、この画像からも座席間のスタンディングポールの設置や吊革の一斉取り替えの模様などが伺えます。そのせいか、特に車内上半分はかなり若々しさを保っているように感じます。ある種のアンチエイジングですね(^^;;
8000系と大きく違う点として、冷房のラインデリア吹き出し口が挙げられます。9000系は無塗装アルミの物が使われており、ここもあまり経年劣化を感じさせません。


乗務員室との仕切りです。初期車は車端部にLED表示器が設けられており、仕切りにもしっかり取り付けられています。細長の仕切り窓、鏡など、見た目上は8000系と同じになるよう整えられています。乗務を考えるとバラバラよりも俄然使いやすいと思う一方、時折どっちに乗っているかわからなくなりそうな気がするのは自分だけでしょうか(^^;;;
乗務員室への扉を思い切って右側に配置したのは非常扉が前面についている関係かと思われます。その扉にも縦長の大きめの窓がついており、視界はなかなかのものがありそうです。


車端部の模様です。3人掛けのロングシートが展開しています。左奥水色の吊り広告の後ろ、ぴったり妻面に格納されている消化器の上にあるのがLED表示器になります。後年の製造車ではドア上の鴨居部分に移っており、確かに妻面では見づらそうな感じがします。
戸袋窓は無いものの、妻窓は貫通扉の戸袋面も含めてしっかり設けられています。前面の大胆さとは裏腹に貫通扉が平凡なのが少々物足りないです(^^;; が、これはこれで落ち着きがあります。

 
優先席バージョンの車端部です。先頭車の車端部のみ車椅子スペースがあるため、片側のみの優先席になります。右の画像がまさにその様子ですが、車椅子スペースも含めて吊革が黄色に交換されており、妻窓に携帯電話電源OFFのシールが貼られています。大きい広告シールが無い分まだ救いようがありますが、小さいシールをペタペタ貼るクセは相鉄の悪いところかなぁと個人的には思っており、特に8000系や9000系では顕著に表れているように思えます。一点を見つめていると車酔いになりそうです(^^;;


その黄色い吊革がぶら下がっている車椅子スペースです。握り棒も低いところは1箇所のみ、車椅子の固定器具も無いシンプルな中、特筆すべきは非常通報機の設置位置の低さ。満員電車で何かに触れて偶然押されないようにするよう対策を施す必要はありますが、この低さによって車椅子の方から年齢の小さい方まで押しやすくなっています。これ、実に良いバリアフリーじゃないですか?
混雑車両の立席スペースも兼ねているのでしょうか、両先頭車に設けられています。


ここだけ見ると若々しく見えてしまいそうです。天井です。アルミパネルのラインデリアを中央に配し、蛍光灯はその外側に剥き出しに設置されています。


床です。ツートンカラーの床は外側を濃い茶色、内側を大理石調の模様にしています。見た目なかなかオシャレです。


ドア周りです。当初は設定されていなかったドアの開閉を知らせるためのスピーカーが鴨居部分につけられたものの、LED表示器は初期車は相変わらず車端部に頼り切った状態が続いています。
ドアそのものは化粧板が貼られ、窓も大きめに取られており、周りとの違和感を極力なくそうとしているかのようです。心なしか握り棒の位置が低く見えるのは気のせい?


ここで車端部にあるLED表示器を見ておこうと思います。特筆すべき事項はこの表示器の大きさ。余裕で縦3行表示できるしくみはなかなかユニークで、車端部にあるからこそなし得る業です。ただ、前述のとおり吊り広告が邪魔をしてなかなか見難いのが弱点です。その克服は後期型でドア鴨居部に表示器を移すことで達成しましたが、そちらは1行表示に留まっており1度に見られる情報量はこちらに軍配が上がります。
二つの表示器、比較してどちらが良かったか……それは車端部の表示器が通勤電車では相鉄も含めて採用量が圧倒的に少ないことからも伺えると思います。


相鉄の伝統を忠実に受け継いだのも9000系までになってしまいました。自動窓のスイッチ、そして鏡。再びこれらが搭載される車両は現れるのでしょうか。


ロングシートです。後付けのスタンディングポールが目立ちますが、それを撤去することによって登場時の姿が浮かび上がります。ドア〜ドア間の7人掛けの座席です。
これは8000系と共通項の部分なので9000系だけが悪いわけではありませんが、定員着席を視野に入れて当時のコーポレートカラーを想像しそうな茶色とピンクのツートンのモケットを採用したのは良いとして、袖仕切りの形状はもう一頑張りできなかったものでしょうか。この頃、相模「線」の205系など立客との分離を視野に入れた袖仕切りも登場していただけに、それらを参考にしても良かったと思うのですが…。

ただ、この形状は良くも悪くも9000系の特徴でもあり、後継の10000系ではオリジナリティさえ放棄してしまったわけですから、一車内学人間としてはわがまま100%だという事を承知の上で「取り替えて欲しくない」という気持ちです。

 
車端部のロングシートは登場時からその姿を変えていません。左の茶色モケットは通常の区画に、右の画像の青モケットは優先席を示した区画に使われています。どちらも適度に沈み込むつくりになっており、ちょっとモケットが滑りそうな部分は否めないものの、ゆったりと座ることが出来ます。正直単一柄だと定員着席に不向きな一面があるわけですが、それさえきちんと守る事を前提に考えれば快適に過ごせそうな気がします。


実はこの座席のライバルは、5号車と8号車の「アイツ」ではないでしょうか??

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