相模鉄道  12000系
 
  ワクワクする通勤車の登場にいの一番に会いに行きたい!そう思える魅力が相鉄の新車にありました。20000系、そして今回取り上げる12000系です。外観の格好良さに一目ぼれしたわけですが、ベースはE233系…逆に言うとあのE233系にここまで複雑な造形が作れるのかと思うと、マーチボレロを通り越してパオに会った時のようなワクワクを抱いたわけです。それにしてもこの紺色の艶やかなこと…車体に私が移ってしまうので、外を撮るのも一苦労(^^;; でも、実に良い紺色「横浜ネイビーブルー」を身にまとい、JR横須賀線、埼京線との乗り入れ運用を中心に6編成が活躍しています。
特に好きな部分がライト周りの造作。ライトの周りにオレンジ色を配するお洒落さに脱帽です。
(取材・撮影 相鉄本線/いずみ野線・横浜〜湘南台 他)

 

 

 


車内全景です。モノトーンの車内に昼白色の蛍光灯が照らします。20000系に続いて電球色との切り替えができるLEDの蛍光灯で、日中は昼白色になります。モノトーンの車内は大変美しいですが、ちょっと座席周りが暗い…と思うかもしれません。
4ドアロングシートの車内は乗り入れ先の埼京線E233系と合わせた格好です。ただ、E233系とは大きく異なる内装に、足を一歩踏み入れたら「あ、相鉄だ」と思える車内に仕上がっていると思います。
私のように乗りすぎていると「あ、南海だ…」になりそうですが(^^;

 
濃いグレーで覆われた乗務員室との仕切りです。ここもなかなか良いセンスではないでしょうか。また、中間の窓の両脇には鏡も備わっています。相鉄の伝統をしっかり受け継いでいます。右の画像は別の角度から撮影したもので、鏡がよりわかりやすく写っているのではないかと思います。
手すりや吊革もふんだんに用意されている点は横浜、渋谷、新宿、海老名等のターミナルの構造を考えると心強い限りです。
この12000系もそうですが、ステッカー表示等も統一した仕様になっている点も見逃せません。ちょっとフォントのチョイスが硬くて真面目な印象です。


中間車の車端部です。こちらも濃いグレーの妻面に消火器ケースのふたが抜群のセンスですが、もう少し鮮やかな赤の方がわかりやすかったかな?という印象もあります。
中間車は海老名方車端部がこちら両側とも座席がある仕様になり、グレーの通常モケットは「ユニバーサルデザインシート」なる座席になります。これは相鉄車の新しい特徴になりますが…果たして根付くか、否か?
貫通扉は全面にガラスが張られたもので、こちらも落ち着いたデザインです。ハンドルが持ちやすくなっている点がポイントです。

 
車椅子スペースがある車端部はもう一方を優先席にしています。左の画像が中間車の横浜方車端部で優先席にもユニバーサルデザインシートが用いられています。右の画像は先頭車の車端部で、10号車の様子です。
舌を噛みそうなユニバーサルデザインシートを用いている空間も、ひじ掛け以外はあまり大きな差を感じないと思います。ただ、座ってみると…続きは後ほど。
黒に近い濃いグレーの妻面はあまり通勤型車両では例を見ませんが、なるほど広告がより一層視界に飛び込みやすい効果もありそうです。


車椅子スペースです。こちらも相鉄独自と言えそうですが、窓の真ん中あたりに横方向の握り棒が設置されています。その握り棒の下に非常通報機がありますが、こちらもそこそこ目立つ大きさです。そして妻面には鏡。この車椅子スペースの鏡は中間車のみの設置になります。
側窓に貼られたステッカーは「この窓は開きません」。なんかパソコンのポップアップ画面のような雰囲気を感じるのはウィンドウだからでしょうか…。お後がよろしいようで(殴)


天井周りです。20000系では凝った天井でしたが、こちらは今までの天井の配置をそのままに、シンプルかつモノトーンに仕上がっています。目新しい点は吊革とLEDの照明程度で、これが電球色になる点はそのまま見所になります。あめ色に照らされて帰る優越感を通勤電車で味わえる時代が来たものかと思うと、ディズニーリゾートラインの特権だった「飴色の通勤車」が少し手軽になった嬉しささえ感じます。ただ、荷棚の造作の関係で座っていると少し暗く感じることがあるかもしれません。


灰色一色の床です。ドア周りの黄色いシートがかなり鮮やかに映ります。どこかで見たことあるなぁこの組み合わせと思ったら、道路…。片持ち式のロングシートの影が奥行を感じさせます。

 
ドア周りです。E233系に仕様を揃えてきた格好で、ドア窓のカクカクっぷりがその象徴になります。相鉄では11000系でもおなじみのドアなので、仕様を揃える利点もありそうです。ドアの位置によって鴨居部の防犯カメラの有無がありますが、おおよそどこのドアもこのような構成です。
今はドアステッカーもシンプルなものですが、今後これがどのように増殖していくかが気になります。画像ではわかりにくいですが、点字による位置案内のステッカーも備わっています。


防犯カメラが付いた鴨居部です。液晶パネルが2つあり、右側が次駅案内、行先表記などを示した画面、左側が広告などを示す画面になります。ちょうどデビューした時の画面だったので、12000系のPR動画、それも車内の様子を車内で…(^^;;;
ドアコックにも例のデザインのステッカーが貼られていますが、正直文字が細くて読みにくい部分も… CMの最後の「お約束」じゃないんだから、統一する時には見やすさや大きさも考えて欲しいものです。

 
半自動ドアのスイッチです。外側は最近JR九州の819系などでも見かけるような意匠ですが、このとおり外観がまる映り…そう、恥ずかしながら脇が甘い取材者です(涙) 室内はE233系などで見るタイプですが、ここも文字の細さが気になります。


窓周りです。11000系のような丸みを帯びたフレームですが、荷棚が下がっているためなかなか窓の上辺が見えませんが、ちゃんと窓の開け閉めができるようになっています。内側の化粧板にも程良くマッチしています。例によってカーテンはありません。

 
座席周りです。ドア〜ドア間は先頭車のみ4人掛けが乗務員室の背後に、それ以外は7人掛けになります。相鉄はグレーの座席は汚れに強い素材を使用したとのことで、これからその真価が発揮されることになります。その灰色の模様の効果か、デザインの効果か、モッサリした印象よりも若干シャープな印象の方が強めです。
スタイルは11000系と同じですが、袖仕切りの形状が変わって少し狭い印象が強くなった点、そして沈み込みも少しはしますが、相変わらず真っ平な座面と硬い背もたれの…と言いたいところですが、後述する「ユニバーサルデザインシート」よりも座りやすいかなぁと思います。

 
そのユニバーサルデザインシートを優先席のモケットで、左の画像の通常の座席と比較しながら取り上げます。
妻面の説明書きは「立座りが体にご負担の方でも容易にお使いいただけるよう、座面を高めにし、奥行きを小さくしました。」とのことで、ひじ掛けも含めて短時間腰かけるための席に仕上げた印象です。で、あるのであればカタカナではなくて「ちょい乗り席」にすれば良かったのに…。
座面が高いことは重心が高くなり、揺れを拾いやすくなります。特に横須賀線の揺れはなかなか厳しいものがあり、ひじ掛けがあってもその揺れを受けるのはしんどいものがありました。
座面が高くてもしっかり硬く、奥行きも浅いため、中途半端に座る姿勢が緊張感を生む印象を受けました。座面からずり落ちそうな姿勢を無理矢理支えているような感覚です。うーん、これは本当に10分程度のちょい乗り以外は勘弁願いたいですね。


通常モケットバージョンのユニバーサルデザインシートです。
肘掛が妻面に無いのは減点、袖仕切りと形状がリンクしていないのも減点、モケットと同化しているのも減点…でも、1人ずつ区分があるのはなかなか親切に思えます。
できれば、このユニバーサルデザインシートは全く別の色のモケットにして欲しかったものです。座席位置、隣人以外で座席の当たりハズレを同じ車両の似たような座席群の中で生み出すのはナンセンスです。


袖仕切りです。透明のガラス板を用いて開放的な空間を生み出しています。ひじ掛けのように映る袖仕切りの金属部分の造形ですが、ガラスを支えるための出っ張りという感覚の方が強く、かえってガラス板が空間を狭めているように感じます。
ただ、ドア側から見ると荷棚までの一体感が実に美しく、特に車端部の袖仕切りはモノトーンでサイバーでコクーンな感じが新時代のレトロフューチャーな雰囲気を出していてお気に入り…し、知っているカタカナを全部出しました(^^;;
 
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