静岡鉄道  1000形
 
  どこか愛嬌のある表情が静岡鉄道の「顔」です。静岡清水線の全運用を担っているのがこの1000形です。
元々東急と仲が良かったということもあり、東急7200形をベースに作られたとのこと。しかし東急車にはなかなか無い斬新さが今でも通用するデザインを生み出していると思います。
全て2両編成、12本が存在し、わかりやすい部分では全面広告車かどうか、わかりにくい部分では後年おこなれた冷房改造が集中式だったか分散式だったかなど、様々な差、個性が生まれていますが・・・これもまた、この車両が長く使われてきた証でもあります。
今回はその中から集中クーラー車を取り上げます。運用は共通で、何が来るかは運次第。で、引き当てた電車が「午後の紅茶・・・」果たしてごごで運を使って良かったのでしょうか(^^;;
(取材・撮影 静岡電鉄静岡清水線・新清水)

 

 

 


車内全景からご覧頂きます。3ドアロングシート、18mの車内は通勤スタイルに徹しています。この路線をLRTに例えている文章を時々見ますが、それよりも車体は大きく、使い勝手の良さはそれを上回るように思えます。さしずめ東急池上線の静岡版といったところでしょうか。
ベージュと赤を基本にした色和えはさすがに何十年と使っている雰囲気が否めませんが、広告がとにかく多いのでその派手さを中和するには良い組み合わせだなぁと思います。


先に車端部です。貫通路の上にある「静鉄名物」はまた後半戦でご紹介します。
妻窓は縦長になっており、貫通路は幅広。開放的な車内作りは東急の影響でしょうか。貫通扉は無いため、カーブを曲がる時における車体の振られ具合が事細かに伝わってきます。
ちなみにこの区画、両側、両車両ともに優先席になっています。念のためにご注意を・・・。


乗務員室との仕切りです。右にもたれかかっているのは非常用の梯子で、ワンマン機器ではありません。
都市型ワンマン運転なので運賃箱などはなく、質素な感じの仕切りです。それでも車内の様子が気になるのでしょうか、左右乗務員室への扉を挟んで2枚ある窓の形状が異なっています。一緒にした方が落ち着くのに(^^;;
吊革は先頭部分までしっかり伸びています。


天井です。集中型クーラーなのでダクトが一直線に並んでいます。分散型クーラーは室外機の位置に合わせて吹き出し口などがまとまっているため、この形状とはまるで異なる形状になっています。
吹き出し口はラインデリアを用いていますが、ちょっと頼りなさそうなカバーが重々しい雰囲気を打ち消しています。


床です。静鉄は車内広告に特に熱心だと思ったのがこの床広告です。さぁさぁ一ヶ月●●円から、安いよ〜
・・・というコーナーではありません(^^;;;
広告がインパクトあるのも、床が地味目な茶色だからだと思います。


扉周りも広告が満載、特にドア窓下の大きなステッカーはなかなか見かけない掲出例です。ドア窓上に余裕がない分、堂々と下を使ってしまおう!という作戦なのでしょうか。さぁさぁ一ヶ月(ry
ドアそのものは無塗装のもので、鴨居部まで銀色になっている分よく目立ちます。
ガラスの支持もスッキリとしており、このあたりからも、開閉音からも東急っぽさを思いおこさせます。


さて、ここで冒頭の全景画像をご覧頂きたいのですが、何かこの車両、物足りなく感じませんか??

・・・実はこの車両、車内の一部は網棚が設けられていません。つまり、網棚のある部分と無い部分に大別できるのです。どういう理由で網棚の無い区画が生まれてかはわかりませんが、どちらかに統一しないと、ついうっかり他の客の頭上に・・・ということも起こり得るかもしれません。 尤も地元の方はもうとっくの昔に慣れているかもしれませんが(^^;; 自分みたいなおっちょこちょいは酔っぱらった時にうっかりやってしまいそうです。


月9ドラマのポスターが怪しく窓越しに写っていますが、我々はとにもかくにも座席です。まずはドア〜ドア間の10人掛けから。ヒーターの吹き出し口がこれまたちょっとユニークですが、網棚と一体になっていない袖仕切りも懐かしいロングシート、モケットは画像ではちょっと赤茶けたイメージが先行してしまうかもしれませんが、れっきとした赤、それも蘇芳色を用いています。


車端部の3人掛けも同じ赤いモケットです。3人掛けは全て優先席になっており、優先席であることの表示はステッカーで対応しています。
座り心地は座面の沈み方がちょっと物足りない、低反発系の座り心地を感じました。硬すぎず、柔らかすぎずというベストポジションのセッティングではないでしょうか。見た目からは伺えない実力にちょっと脱帽です。


さて、車端部の「静鉄名物」を最後にご紹介します。

液晶モニターにも見えそうですが、電照パネルということで、蛍光灯によって広告が照らされる区画を設けています。
車両製造元と関わりのある東急がカラースライド広告を1970年代後半に取り入れていたので、静鉄も含め画期的な広告方法として取り入れられたのでしょう。東急ではその後撤去されていますが、静鉄はスライドこそしないものの今なお現役、各車両の車端部に取り付けられ、今も灯り続けています。 何度か装置の入れ替えが行われたかもしれませんが、現在使われている装置は隅が角張っていて周りの縁が黒くなっているだけに、やはり液晶モニターに見えてしまいそうです。


別の車両での掲出例です。蛍光灯に当てっぱなしなので、同じ物を何年も使っているとだんだん色が褪せてきます(^^;; これは駅の電照看板と同じ宿命です。

中吊り広告の多い静鉄の車内ですが、座る場所によっては「光る」分それよりも目立っていました。ただ、広告の内容によっては文字が小さい分近づかないと内容がわからないものもあり、そのあたりの不便さは中吊りと同じかな・・・と思います。

さぁさぁさぁ、あなたも広告(以下自粛 広告については静鉄のオフィシャルサイトさんをどうぞ。

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