新京成電鉄  8800形
 
  1986年、当時はまだ珍しかったVVVFインバータ制御をいち早く採用した車両が、今回取り上げる新京成の8800形になります。
当時流行のブラックフェイスに大きなパノラミックウィンドウが印象的なこの車両も瞬く間に新京成の主力車両となっていきました。8000形と800形の長所を集めた・・・という形式名の由来を聞いたことがありますが、それらとは一線を画すスタイルと言っても過言ではないでしょう。
現在はさらに京成千葉線への乗り入れ車両としても活躍しており、開始にあたっては一部編成において両数の短縮や先頭車化改造、画像のような帯の変更も行われ、今までとはひと味違う雰囲気の車両も登場しています。
(取材・撮影 新京成電鉄線・八柱〜松戸)

 

 

 


車内全景です。ピンクがかったアイボリーを主体にした明るい車内ですが、VVVFインバーターをいち早く取り入れた車両の車内としてはちょっと冒険し損ねている部分も多く見られます。3ドアロングシートです。
なお、今回はバケットシート車を取材しましたが、バケットシートでは無い編成も存在しており、どちらがくるかはまさに運次第といった具合になっています。手前には車椅子スペースがありますが、これもかなり多くの編成でみられます。最新の車両に仕様を合わせる努力を怠らない姿勢に拍手です。


乗務員室との仕切りです。非常に淡々とした作りで、やや大きめの窓が3枚並んでいます。最前部まで吊革の列は伸びておらず、窓には取っ手も無く、混んでいるときにはちょっと居づらい空間になってしまっています。
前面の窓が青の半透明グラデーションをさっと施している様子が車内からもよく見えます。観光バスの前面と同じような感覚にちょっぴり時代を感じてしまいますが、外から見るよりも内側から見た方が違和感無さそうです。


車椅子スペースは6両編成・8両編成とも各先頭車、最初のドアのすぐ後ろに設けてあります。新京成のみならず乗り入れ先の京成でもお馴染みの場所になります。各駅の時刻表に両数が記載されているので、編成の長短による位置のズレもあまり気にならないと思います。
ここは握り棒も満載、ヒーターと非常通報機も完備してあります。座席の袖仕切りも程よい位置に収まっており、あまり後付けしたという感じがしません。

 
車端部を眺めています。左の画像、先頭車は左右両側とも優先席にしており、右の画像、中間車は津田沼方、松戸方どちらも片側を優先席にしています。ちょっと位置に偏りがあるものの、先頭車も中間車も同じ人数分優先席を確保しています。
大きめの貫通路は新京成の特徴だったのでしょうか、ここにも車齢の割にはちょっとよその私鉄とは違うぞ!という雰囲気を感じます。そして右の画像、消化器がちょっと上の方の枠に収まっている姿は山万のそれを思い出してしまう自分がいます(^^;;


6両編成、8両編成ともに一部の中間車には貫通扉つきの車端部もあります。非常にカクカクした雰囲気の扉で、裏表ともに化粧板が貼られています。
さて、中間車の「片側だけ優先席」という設け方で困るのが携帯電話の電源。優先席側にいる人は切って、反対側の人は電源入れて・・・というシーンが容易に想像できるわけですが、右上の画像のように通常モケットの区画でも電源をオフにして!とステッカーを貼っているところもあり、正直どういう対応をとればいいか、律儀にルールを守っている人は迷いそうな気がします。

車掌さんのアナウンスはどうなっているのか、統一されているのか・・・というのも気になります。


ちょっと古風な車端部の後は、フラットな天井がどどんと登場です。この辺りは新たな機能面を積極的に・・・という一面を垣間見ることが出来ます。


床もシンプルに落ち着いたベージュ一色。蘇芳色との相性は良好です。

 
側ドアです。右の画像は後付けだと思いますが鴨居部に設けられた「こちらのドアが開きます」表示装置になります。これは駅が近づくとどちら側のドアが開くか示してくれるモノで(^^;;近年はLED表示器への交換も行われているとのことです。
ドアそのものは窓も大きくとられており、貫通扉ほどでは無いですがカクカクした雰囲気になっています。あまりに大きく窓を取りすぎたせいでしょうか、その上に貼られた広告が窮屈そうです。
広告と言えば、ドアの窓に丸いステッカーが貼られた車両も数多く見られます。

ちょっと角度が急ですが、3連窓とともに注目して頂きたいのが鏡です。車内車端部に近い扉の戸袋、計4箇所に設置されています。どのような意図で設けているかは定かではありませんが、関東圏では親会社の京成には設けてなく、遠く離れた相鉄に設けてあるのが興味深いところです。
降りる前に我が振り直せ・・・えぇ、フレームに入らない自分の顔にガッカリです・・・(^^;


最後に座席。冒頭お伝えしたとおりこの編成はバケットシートでしたが、他の編成ではバケット化されていないモノもありました。どちらも蘇芳色のモケットを使用しており、かつての常磐線中電や関東鉄道と同じ雰囲気を運んでいます。
最初の画像はドア〜ドア間9人掛けの座席です。なぜそんなに古くない車両なのに袖仕切りをパイプだけで済ませてしまっているかが気になって仕方がありません。うーん、特に足回りの先進性と車内のトレンド先取り率は必ずしも一致しないものなのでしょうか。


車椅子スペースが隣にある座席は6人掛けになっています。18m車3ドア車なので長めの座席が多くなってしまう中、座面、背もたれともに2人分で分かれているのがちょっぴり印象的です。

 
車端部は4人掛けです。左の画像が通常のモケット、右の画像は優先席の画像です。蘇芳色一色というモケットは何かと見慣れていますが、紺一色のモケットも近年関東圏ではなかなか出会いにくくなったのではないでしょうか。
優先席も通常の座席同様にバケット化されており、通常の座席との差はモケットの色だけという状態です。袖仕切りの方向から見ると座面の厚みがバケットシートっぽくないのですが、座面を上から見てなるほど一目瞭然という仕掛けに?!なっています(^^;

これからもバケットシート車が増えるかどうか、新京成のオールラウンド的存在なだけにその動向が気になります。
 
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