しなの鉄道  169系
 
  JR東日本になってからも快速「みすず」などで独特の存在感を発揮していたのが169系。元々急行形として登場しましたが、JR化を待たずしてローカル輸送を担うようになります。
その169系、JR東日本では最終的に2003年頃引退してしまいましたが、現在も「しなの鉄道」では健在。1997年、長野行新幹線の開業と同時に譲渡され、赤と銀というJRにはなかった派手な塗装で鮮烈デビューを果たし、ローカル輸送をこなす傍ら「しなのサンライズ」「しなのサンセット」というしなの鉄道のフラッグシップトレインも担当。JRから「直流急行形電車」が消えた今、期間限定で湘南色に塗り替えられ再びJR東日本の路線を走るなど再び脚光を浴びつつあります。
今回はその169系の模様を「床が赤い車両」を中心に取り上げます。
(取材・撮影 しなの鉄道・小諸)

 

 

 

 
車内全景をご覧頂きます。デッキつきの2ドア、リクライニングシートが並ぶ姿は「しなのサンライズ」「しなのサンセット」を担うには必要十分の設備。往年の急行形の車内を追い求める人にはやや不満かもしれませんが、リクライニングシートの快速や低価格の私鉄特急がズバズバ走る長野県内の鉄道事情を考慮すると、固定クロスシートではフラッグシップを担えないのではないかと思います。そもそもJRから譲渡された段階でリクライニングシートでしたし(^^;;
画像は2枚載せて見ました。右の画像は中間車の模様で、天井の形状が大きく異なります。どちらが好みかは人それぞれ、といったところでしょう。

 
車端部、デッキとの仕切りです。先ほどと同じように先頭車と中間車で分けて載せてみました。換気扇の有無など細かいところの差は様々。ただ、基本は同じで木目調の壁に大理石風のドアが用いられています。ドアは当初使っていた物よりも窓が小さくなっています。うーん、激しいコントラストです(^^;;

画像は軽井沢方先頭車、乗務員室背後の仕切りです。このように両側に窓が開いている仕切りもあります。ドアの窓は小さく、その両脇は大きい窓…ちょっとアンバランスな雰囲気ですが(^^;前面展望やデッキからの空席チェックには最適な空間です。
あまり見慣れない光景なのはこの仕切りそのものがレアだからではないでしょうか。

 
天井です。左の画像が先頭車の天井、右の画像が中間車の天井になります。
パンタグラフなどの屋上機器の関係で分散型クーラーが設置できず、大きなダクトから吹き出し口を設けた集中冷房方式を採用しています。先頭車には中吊り広告がかかっていますが、中間車にはそれがありません。中吊り用の金具はあるはずですが…


床は真っ赤。なかなか鮮やかな色で、どんなに眠くても目が覚めそうです(^^;;;
なお、しなの鉄道169系の中には青い床の車両も在籍しており、その青も赤と良い勝負の鮮やかさです。
くるくる巻けば床屋にもなりそうな色チョイス、どのような経緯で選定されたか、気になります。

 
デッキ周りです。どちらも同じ乗務員室背後のドアの模様ですが、車両によってデッキ仕切り窓の有無や路線図の有無など、細かい差が見られます。右の画像はデッキの幅が狭く見えますが、これは助手席よりも運転席の方が奥行きがある関係で、逆に奥行きがない助手席側には縦長の2段窓が設けられています。
ドアそのものは無塗装の片開き扉で、狭いながらも握り棒を多く設けています。

なお、助手席の後ろのスペースには運転機器のボックスを置いている車両もあります。
JR東日本で言えば107系でも見ることができるこのボックス、側窓よりも背丈が高いのにはちょっと驚きです。

中間車のデッキ周りです。半分だけ顔を出した消化器や妻窓など、急行形だからこそ備わった設備が見られます。
レールとは垂直方向に設けられた蛍光灯も特徴的で、天井周りのスペースの関係でしょうか、蛍光灯の取り付け方法が先頭車とは異なり、妻面にくっついています。

 
デッキ周りといえばトイレや洗面所などの設備。客室から撮影してみました。
115系でトイレが閉鎖されているのと同じように、169系でも洗面所やトイレが閉鎖されています。処理施設がないのが閉鎖の利用とのことですが、洗面所の入口を塞いだ点を除いて仕切り壁はそのまま。いざというときに入れそうな雰囲気はかえって「いざというとき」の冷や汗を増やしそうです(^^;;;

デッキ周りも床や化粧板は貼り替えており、貫通扉もクリーム色に塗装されています。

 
側窓は昔から変わらない2段窓。下段の開閉機能を外してしまう会社も多い中、しなの鉄道は下段も開閉可能になっています。これは嬉しいところです。
固定クロスシート時代にあったテーブルは外され、代わりに窓の下に座席プレートが設けられています。これはJR時代にリクライニングシートに換装されてから設けられているもので、書体もJR時代から変化ありません。


座席です。かつて東北・上越新幹線200系で使用していたリクライニングシートを搭載しています。この肘掛けに見覚えある人も多いのではないでしょうか。
以前の座席の居場所はゆとりのある新幹線車両。故に肘掛けも2人掛けの間に設けられています。晩年三鷹電車区に在籍していた169系の中にはR51という座席に換装した車両がいましたが、その車両にはない「おいしいポイント」です。
モケットは紫と黒を主体にしたモケット。肘掛けのアイボリーと茶色には合っていませんが(^^;; 115系でも見られるこの色の選択はまさにしなの鉄道をイメージさせるモケットと言い切っても良さそうです。

 
優先席も同じモケットを使用しています。ちょっと前後から斜めに見ています。
リクライニングは背もたれのみならず座面も可動します。1段のみの設定ですが、後ろに大きく背もたれが倒れないのであまり窮屈にならない点がgoodです。
背もたれ裏についていたテーブルは撤去され、ヘッドレストの反対側にはライナー券を入れる袋が設けられています。ヘッドレストカバーを止めるテープはついていないことからも、このままの姿で営業運転をこなすようです。



最後に仕切りについていた固定テーブル…169系に元々ついていた物かどうかは不明ですが…
知られざる「センヌキ」、しなのに有り。

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