仙台市交通局  1000系
 
  杜の都仙台の地下鉄は南北線と東西線の2本がありますが、南北線はこの1000系が活躍しています。近年1000N系とも呼ばれるようですが、このコンテンツでは1000系で統一して紹介します。
東西線と比べるととにかく車体の大きさが目立ちます。長さも21mで、先頭車は乗務員室の分長めになっています。全駅島式ホームのため、運転台を右側に設けているのも特徴です。
帯の緑色のツートンがなかなか良い色ですが、これは仙台市民の意見も取り入れたとか。候補がどれくらいあったかはわかりませんが、素敵なセンスだと思います。仙石線との乗り入れも視野にあったようですが、あちらとつながっていたらと思うと…どれだけ窮屈に見えていたことかとぼんやり〜ぬ考えてしまいます。
間もなく置き換え開始とのこと、テイスティングはお早めに。
(取材・撮影 仙台市地下鉄南北線・富沢 他)

 

 

 

 
車内全景です。スタンションポールの有無で2枚載せてみました。
登場時は茶色だったモケットをピンクとオレンジの柄物に貼り替えています。編成によってはピンク1色のモケットの編成もあったようです。フラットな天井に窓枠のFRPがいかにも1980年代後半の通勤電車といった装いですが、袖仕切りのあたりには寒冷地ならではのデザインもチラッと。特に右の画像のように貫通扉がない車両の開放感がたまらなく素敵です。


乗務員室との仕切りです。着色ガラスを用いた窓は車内監視を視野に広い大きさを確保しています。運転席がある右側を若干広めにとって、窓の下には消火器も備えています。珍しいのが仕切り扉の左右に縦方向の握り棒がある点です。ここの握り棒は横方向のものが多いだけに、この方向は…乗務員さん用ですか?!
画像では写っていませんが、その仕切り扉の右上にはローレル賞受賞のプレートや説明文が掲出されています。その説明文の「ファジー制御によるATO運転」…素敵な響きですね、ファジー…。

 
車端部です。大きく分けて3パターンあり、まずは貫通扉が無い、いわゆるキノコ型の貫通路を有する車端部です。中間車の一部の車端部は車椅子スペースを設けて、その反対側を優先席にしています。かつてはピンク色の通常モケットの車端部だったのですが…。
そのこともあり、2012年の取材時点では、優先席の配置が編成によって崩れてしまっていました。通常は前2両が進行方向後ろより、後ろ2両が進行方向前よりの車端部だったのですが、車端部の座席は全て優先席という中間車も登場しています。

キノコダイスキ人間のワタシとしては、ちょっとカクカクしているものの、阿武隈急行、JRのキハ48形と並ぶ東北3大キノコだったのですが…JRのキハは引退、仙台市交通局1000系も後述の貫通扉つきの車端部に改造されていくことになります。

 
その貫通扉を後からつけた車端部です。元々の形状を活かした設置をしていることから、名古屋市営地下鉄のような細長い縦長の窓ガラスを左右に配置し、お洒落なガラス張りの扉を真ん中に配置しています。貫通幌は通路幅のみの狭いものになっています。
少しアイボリーの色が濃いこともあり、後述する元々の貫通扉つき車端部よりも不格好なのは否めません。ただ、元の形状を活かした点には拍手を送りたいと思います。
右の画像は中間車に展開する通常モケットの車端部、左の画像は優先席のモケットで、袖仕切りにも優先席のマークが入っています。広告が邪魔であまり目立っていません…(^^;;;

 
画像の遠近感が違ってすみません。当初からある貫通扉つきの車端部で、編成のちょうどど真ん中になります。車椅子スペースはこの部分に設けられている編成が多く、右の画像のような車端部が今後も増えていくことかと思います。
増設された貫通扉と比べて妻窓周りが大変スッキリしています。今となっては普及したガラスが下まで入った貫通扉、実は1985年の製造当初からこの大きさを保っています。当時としてはなかなか斬新なデザインだったと思いますし、仙台市交通局のコンセプトが車内全体を如何に見渡せるかにこだわったかが伺えます。また、ここの区画は幅広の貫通幌を維持しており、隣には窓ガラスが無く、妻面に握り棒が残っている車両が入る編成もあります。

 
車椅子スペースです。違いは妻面の窓や貫通路の有無です。窓には車椅子のマークが入り、その下には握り棒、車椅子固定器具がスタンバイです。非常通報機が無いところが気になりますが、今も昔も一部のドアの脇にいます。確かに設置する位置を考えるとなかなかスペースが無さそうですが、新型車両ではそのあたりのフォローも入るのでしょうか。


天井です。取材時期はところどころ蛍光灯が外されていました。
中央にはラインデリアが、そしてその両脇に蛍光灯が並ぶオーソドックスな構成です。近年LED照明が普及するまではこの姿がちっとも色褪せなかっただけに、化粧板を含む色や素材のチョイスがなかなか良かったのでは、と思います。
そのオーソドックスな見た目とは裏腹に、冷房装置が近年までついていませんでした。更新工事で設置が始まってホッとしているのは汗かきの私だけでは無いはずです…。


床です。ベージュの柄物で、ドア付近や車椅子スペースでは滑り止めを追加。こちらもシンプルながら素敵な配色です。

 
ドア周りです。千鳥配置でLED案内表示器が設置されており、設置されていない右側の画像は広告枠を維持しています。
楕円のドア窓は「軽快な感じを出すため」に採用されたそうですが、この楕円の窓が仙台市交通局のシンボルとなったようで、東西線の車両、そして新型車両のイメージ図もこの楕円の窓を採用しています。一見さんは違和感を抱くかと思いますが、意外と可愛くないですか…つぶらな瞳みたいで…(^^;;;
戸袋窓も設けていますが、これも乗客相互の動きが見えるようにとの配慮で、重量増を覚悟のうえで設置したとのこと。外から見て側窓との一体感が見事ですが、内側も一体感が出ています。


LED表示器です。鴨居部にピョコっと乗っかった感じがなかなか可愛いですが、一度に表示される文字数は短く、周りはバスとの乗り換えがビッシリ…何もそこまで詰め込むことないのに(^^;;


側窓です。地上区間が僅かであることもあり、カーテンは設置されていません。

 
座席はドア〜ドア間の7人掛けからです。背もたれに着席区分を縫い付けていますが、スタンションポールをなんと真ん中の座席の真ん中に設置したことによって、左右3人ずつしか座れない仕様にしています。確かに蹴込み板の網が無い位置で窓枠のデザインに合うようにスタンションポールをつけることで見栄えはいいのですが…これで着席人数が1人分減ったのは結構乗客が多い路線だけに、正直いただけません。ゆとりをもって座るということであれば、着席区分は不要で…(^^;;
一応設置の理由は「高齢者の立ち座りの支えのため、端の仕切りに加えて中間にも増設した」とのことです。

 
車端部に展開する4人掛けの座席です。乗務員室の後ろも4人掛けの座席です。こちらも着席区分が背もたれについています。
袖仕切りも形状から狭さを感じるものになっていますが、結構ドアギリギリまで座席が展開していることが伺えます。座面は柔らかめの座席は背もたれもあまり硬さを感じさせず、JRではなかなか体感しにくくなった程良い柔らかさを堪能することができます。…あ、仙石線の存在を忘れてました(^^;;


優先席はモケットを紫色に変えています。華やかな雰囲気の演出は程良くできていると思います。画像のロングシートは特段背もたれに着席区分が入っていません。当時取材した4編成ほどを見比べると、通常モケットの着席区分の有無関係なく優先席には着席区分が入っていませんでした。うーん、杜の都のミステリーか、それとも…(^^;;;

つり革のバンドを青にしたり、ステッカーを貼ったりと大小さまざまな方法でアピールしていますが、後ろの優先席のステッカー、似た形状だったかつてのJR東日本の表記よりもピクトグラムが1個多くなっています。これもきっと、杜の都の…(殴

バンデス特派員さんに調査してもらいましょう。


袖仕切りです。風除け付きの独特な形状で、製造当初からこの構成でした。隙間風を防ぐため…という目的は勿論のこと、さりげなく立客との分離もできていたのはgoodです。

この部分に広告ステッカーを貼っている点は抜かりが無いですね。
昔見た何かの韓国ドラマで「秋田の鉄道車両」を再現するのにこの風除けのガラスに相当する部分に「ようこそ秋田へ」といかにもな演出感たっぷりのステッカーを貼った4ドア通勤車が出てきて一気に醒めたことを思い出しましたが、コレを参考にしていたとしたら大したものです。


今日も杜の都をくまなく走る。その歓びに感謝。

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