西武鉄道  新2000系[更新車]
 
  西武鉄道の主力車種といえば2000系ですが、この2000系も登場してからかなり年月が経ってしまいました。既に2000系の更新も終わり、次に手がけたのは新2000系の更新です。ところがこの更新、予想以上に姿が変わる大がかりな物になってしまいました。外観はご覧頂いているとおり新2000系のウリであった戸袋窓が埋められ、いつまでもローマ字の入っていなかった丸ゴシック体の方向幕もフルカラーのLEDに変わってしまいました。元々西武通勤車の更新は年月をかけて行うクセがあるため、その間に原形以上にバリエーションが増えてしまうのが「お約束」なのですが、この更新は果たして何編成受けるのでしょうか?
2009年4月現在、6両編成1本と8両編成3本が更新を受けており、運用によっては他の2000系との連結も行われています。
(取材・撮影  西武拝島/多摩湖線・小平〜西武遊園地)

 

 

 


車内、まずはタモリと阿修羅像を拝みながら全景からです。これが新2000系の新しい車内です。
4ドアロングシートはそのままに、車内の印象を暖色系から寒色系にガラリと変えてきました。以前の雰囲気から180度の大転換に360度目が回りそうな気分です。新車でもある30000系をモチーフにしたような曲線と色合いですが、探せば細かい所にかつての面影が残っています。


例えば乗務員室との仕切りです。化粧板こそ張り替えられたものの、仕切り自体は変更されておらず、窓の大きさや仕切り扉などは全く変更ありません。ここはなかなか変えようがないのかもしれません。
吊革は先頭部分までしっかり延長されています。この吊革の増設については更新工事の有無にかかわらず急速に進展した印象があります。


車端部です。まずは優先席の車端部からです。ここも妻窓や貫通扉はそのままになりつつ、化粧板や仕切りの変更、戸袋窓の閉鎖などによって印象がガラリと変わっています。吊革を黄色にするだけでなく、スタンディングポールなども黄色い樹脂を巻いており、外見が黄色にもかかわらず非常に目立っています。このあたりは新型車両でもある30000系に合わせたのでしょうか。
あ、大事な変更を忘れてました。今まで床下に潜んでいた消化器、堂々車内に入場です。貫通扉のすぐ右脇に扉がありますが、周りと色などは特に変更していません。今まで同様「あまり目立たない」ことがポリシーのようです(^^;;


こちらは通常モケットバージョンの車端部です。中間車のうち偶数号車の本川越方、奇数号車の西武新宿方が該当します。他の車端部は全て優先席になります。6000系や30000系とは異なり「車端部を利用した車椅子スペース」がないため、車端部を指定席のように愛用している方にとっては「あれ、今日の黄色い電車は車端部に座席がない!」と凹む事がありません。
先ほどの優先席バージョンよりも大人しい印象に映るのは仕方がないところです。


車椅子スペースはこの位置、先頭車の前から二つ目のドア付近に設置されています。2000系ではお馴染みの位置で、立席スペースとしての役割も考えると西武線ならではの位置だなぁとつい感心してしまいます。
網棚を撤去し、非常通報機と手すりを設けています。手すりもちょっと目立った格好になっていますが、手すりの下の化粧板は何とかならなかったのでしょうか・・・。


天井は特に大きな変化はありません。中央にそびえるラインデリアも、剥き出しの蛍光灯もそのままです。
2000系らしさが表れている部分の一つでもありますが、わざわざ変える必要が無いくらい完成度の高い部分でもあります。


床はここで大きく変わり、灰色の濃淡でフットラインを描くようになりました。また、滑りにくい素材を使用しているのでしょうか、以前のツルツル感が全くなく、ドアの前も黄色い滑り止めを兼ねた素材に変更されています。バリアフリーを大きく意識した結果が形になっています。

 
ドア周りです。左の画像は鴨居部にLED表示器を設置したドア周り、右の画像はLED表示器が無いドア周りになります。鴨居部に出っ張りが出来、周りの化粧板の色や戸袋窓がなくなった点以外は以前と変わっておらず、ドアの無塗装も、開閉の時の独特な音も、スケスケドアステッカーもそのまま使っています。ただ、周りが変わりすぎた事もあって、第一印象はまるで別形式のような新鮮さを感じます。

 
LED表示器とその下の「ドア開閉表示器」になります。前者は千鳥配置で設置されており、左の画像のように1行で行き先や種別、次駅案内などをこなします。ちょっと文字が小さいのと、一度に表示される文字数が限られているので6000系などの表示器と比べると見難く感じます。
「ドア開閉表示器」と仮に名付けましたが、ドアの開閉に合わせて点灯し、音を鳴らしてくれる機械で、全部のドアについている西武以外ではあまり見ない装置です。点灯パターンはドアが開く時は中央から左右に、閉まる時はその逆の方向に光が動いているようになります。また、音は開閉時だけでなく開いている最中も数秒に一回「ポーン」と流れます。

音のみならず光にも目を向け一工夫凝らした装置をセットする西武鉄道のセンスが見事に光っています。


座席です。まずはオーソドックスにドア〜ドア間の7人掛けになります。
座面のみバケット形状を採用し、スタンディングポールを設けて4人掛けと3人掛けに分かれるよう設定しています。昔から西武の座席は7人掛けをやんわりと3人・1人・3人と座れるようクッションの配置を巧みに考えた座席を設けてきたのですが、とうとうそれだけでは間に合わなくなってしまったのでしょうか。もし本当にそうだとするならば…ただただ残念でなりません。
網棚や座席下のヒーターは元の車両のものをそのまま使っています。


4人掛けのイレギュラーな座席は車椅子スペースの脇にあります。袖仕切りが弧を切り取ったような形になっていますが、側窓にぶつかってしまう部分を切り取った格好に落ち着いています。ようやく他の袖仕切りと統一感のある、車椅子脇専用袖仕切りを生み出しました。
この角度で見るとあまりバケットの凸凹が目立っていませんが、実際座ると結構気になります。

 
車端部は余裕を設けて3人掛けに落ち着いています。左の画像が通常の青いモケット、右の画像が紫色のモケットを用いた優先席になります。どちらも水面を連想させるような細かい模様が入っており、見ていてあまり飽きがこないような爽やかさをウリにしています。こういう小技の効いたモケットを導入するあたりにこれまでの西武とは一味違う流れを感じますが、模様のついたモケットほどメンテナンスが大変な一面もあります。このキレイな色を今後も顔色変えることなく維持できるか、ちょっとだけ気にしてみようと思います。

 
せっかくなのでリニューアルした袖仕切り、そして座席周りにズームイン関東圏の新型車両はJR・私鉄問わずスタンディングポールや袖仕切りに弧を描く事がブームになっていますが、この車両も弧の形状をふんだんに採り入れています。これまでの直線的な、ごくごくありふれた車内からの脱却を目指すかのようです。
この袖仕切り、もう少し凹み部分に奥行きがあるともっと使い勝手が良くなりそうですが…流行に便乗しているだけでは改善されないような気がしてなりません。


最後に側窓です。・・・やはり、戸袋窓の有無によってここまで雰囲気が変わるのか!と驚きを隠せずにはいられません。ここだけ見ると全く別形式に感じるくらいです。戸袋窓は新2000系の象徴的な設備だったんだなぁと思わずにはいられません。

あ、でも、ちょっと戸袋部分の広告上にある化粧板の切り取られ方が「合わせ技」っぽく見えるので、見る人が見ればそれとなく「あ、ここ塞いだでしょ」と妄想できる仕様になっています(^^;;; 雰囲気がガラリと変わった新2000系、果たしてどこまで受け入れられるのでしょうか。
 
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