西武鉄道  新101系
 
  1979年に登場した101系のマイナーチェンジ車が新101系・301系になります。ブラックフェイスが特徴で、車内外とも4ドア車の2000系の登場を受けてリニューアルしています。
アグレッシブな走りと座席数の多さから通勤・通学の足はもとより秩父方面への行楽列車として長距離運用も数多くこなし、特に横瀬駅で分割して三峰口方面へ、あるいは長瀞方面に向かう列車は長年この新101系が担ってきただけに、行楽で使った!と思いだす方もいらっしゃることでしょう。現在は秩父方面への行楽は4000系に、通勤・通学運用は4ドア車に置き換えが進み、ワンマン車以外は2012年12月で全車引退となります。
譲渡車も多いのですぐに全く会えなくなるというわけではありませんが、方向幕の無い3ドア車の美しい外観が見納めになるのは寂しい限りです。
(取材・撮影 西武狭山線・西所沢〜西武球場前)

 

 

 


車内全景です。2000系登場時の色合いと同じで、長らく西武鉄道の内装として親しまれた、落ち着きのある車内です。
4ドアの通勤車に見慣れている方は3ドア車の座席の長さに戸惑うかもしれません。西武鉄道に乗り慣れている方には座席の背もたれと座面が分離していない形状に少し戸惑うかもしれません。
1つずつ分かれた側窓が101系の特徴です。これと抵抗制御がセットで爆走する空間を愉しむのが私の高校時代でした。

乗務員室との仕切りです。仕切り背後には座席が2人分設けられています。101系では3人掛けで狭い印象でしたが、2人掛けでもあまり狭さは変わらないような気がします(^^;; また、2000系に合わせたせいか101系では大きかった乗務員室背後の窓は小さくなっています。
この画像を見てお気づきかもしれませんが、新2000系などで盛んにおこなわれている吊革の増設は結局行われませんでした。この車両の行く先を考えた末の結論でしょうか…。

 
車端部の様子です。左の画像が優先席で、左右両側とも緑がかった銀色のモケットがポイントです。右の画像が通常モケットで、中間車の片側がこの内装です。晩年は優先席の吊革が黄色になっていましたが、化粧板が割と黄色寄りのものなので、4ドア車と比べると目立っていなかったように感じます。
通路幅を狭くした貫通扉は2000系と同じで、晩年はその脇の窓に大きな広告が貼られていました。ドアの広告とは異なり、色褪せることはありませんでした。残念なのは京成電車の某肛門科のようなインパクトのある広告がなかったところでしょうか(^^;;


天井はまっ平ら。吹き出し口とラインデリアが分かれています。
吹き出し口とラインデリアが同居する姿はなかなか珍しい物がありますが、西武鉄道ユーザーからするとそれはごく自然な姿で、むしろラインデリアの格子が天井と「ツライチ」か「ちょっと飛び出ている」かが気になってしまいます(^^;;

少々暗めの色合いの車内ですが、蛍光灯は過不足なく並んでいます。


床は灰色一色。これが西武クオリティです。最近の華やかな床仕上げでは落ち着きません。


ドア周りです。西武ユーザーの視点としては丸いステッカーの方がお馴染みかもしれませんが、晩年この角型ステッカーを貼ることなく西武鉄道を去った車両もいるので、この光景は珍しいものかと思います。
ドア自体はステンレスの無塗装で、ドアエンジンの音が3000系などと異なり、閉まる時は割と静かだった記憶があります。縦長のスマートな戸袋窓や非常通報機の出っ張った小箱も101系として要チェックポイントです。
3ドア中2ドアを締め切る機能があるそうですが、私は一度も見たことがありません…。


戸袋窓にはカーテンがありませんが、側窓にはカーテンが備わっています。
3000系には無い独立した側窓が魅力的で、晩年も窓を開けることができました。
ここに西武園ゆうえんちのステッカーが貼られていたのがいまだに思い出されます。歳ですねぇ。


ここからは怒涛の座席ライオンズ。まずはドア〜ドア間の座席からです。
3000系のような背もたれを高い位置に設けた座席ではなく、通常のロングシートです。それでも座面は割と深めで、バネの効いた座り心地とともになかなか寛げる空間を作っていました。データイムのパラパラ座る時間帯は特にまったりできました。
一方で、座っている人の使い勝手を100%無視した袖仕切りは旧101系の良さを奪ったように見えてしまいます。が、これもまた新101系の特徴ではあります。

 
車端部もドア〜ドア間の半分、5人が座れる長めの空間が優先席として喜ばれていたのは事実です。モケットの色の濃さが全く異なりますが、ちょっと前の西武鉄道を語る上では欠かせない2色ではないでしょうか。優先席への変更の際にモケットを変えなかったのは単純にエライ!と思います。この手の色は慣れを通して情報につながることが多いですからね。
もっと使うのであれば車端部のゆとりが欲しかったところです。2000系ではあったのに101系で…というのは座席の長さが関係しているものかと思います。


乗務員室背後の座席は2人掛けです。2人掛けということですが、1人分ずつ窓が分かれているある意味贅沢なポイントにもなっています(^^;; この狭い縦長開閉窓は萌えポイントが高いと思いますょ。
その狭い空間に容赦なく携帯電話のステッカーを貼ったのもグッジョブです。ここに彼女と一緒に収まりたかった願望はバッジョブな展開で終了しました。
…3000系で、頑張るか(殴


袖仕切りです。戸袋窓の干渉を受けない位置にパイプが通されています。形状としては関東の私鉄で幅広く見られたものです。西武鉄道ではまだこの袖仕切りを見ることはできますが、この座席との組み合わせは地方で見ないとなかなか難しくなってきました。


茶色い吊革は秩父鉄道乗り入れ車の勲章です。
晩年は4両編成としての活躍でしたが、茶色の吊革はそのままに池袋線とその支線で活躍していました。

この絶妙な茶色が西武鉄道の色の使い方をそのまま示しています。目立たず、わかりやすく。

…長いこと、お疲れ様でした。そして、ありがとう。
 
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