西武鉄道 3000系 | ||
昭和58年から62年にかけ、8編成が製造された西武鉄道の最後の3ドア車。元々は池袋線用として投入されたものの、その後自由が利かない編成構造と3ドアというドア数の少なさが仇となってしまい、新宿線に半数の編成が移籍。また当初ツートンだった車体塗装も2001年ごろに黄色1色となってしまう始末。現在は普通列車をメインに活躍しており、2000系などと比べると地味な車両という認識が強い方も多いのではないでしょうか。 現在は主に池袋、新宿、拝島線での活躍となりますが、101系シリーズの廃車が続く中で今後どのように活躍の幅が広がるか、はたまた狭まるか、新101系ワンマンカーも受けつつある更新工事を3000系も受けるのか、否か、実に動向が気になる形式になりつつあります。 (取材・撮影 西武鉄道新宿/拝島線・小平〜拝島) |
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車内全景です。車端部に向けての画像と逆サイドに向けての画像のセットです。3ドアロングシートの車内で、通勤電車としては比較的長い座席が特徴です。 画像では白っぽく見えますが、当時2000系で用いていたコルク調の化粧板を用いています。2000系のうちその色調の化粧板を用いた車両は全て更新工事を終えており、その柄の使用をやめています。退色しやすい柄とはいえ、今なお昭和50年代の西武線の雰囲気を色濃く残す車両と言っても過言では無いでしょう。 乗務員室との仕切りです。この部分に座席があるのが西武3ドア車シリーズの大きな特徴にもなります。今なら少し寸法を短めにとった車椅子スペースにもなりそうな、微妙なスペースです。ただ、新101・301系同様位置が高く窓が小さい仕切りとなったので座りながら前面展望というのはかなり無理があります。 その窓には座席の上という不要な部分まで掴み棒がセッティングされています。2000系と部品を共有したのでしょうか。 車端部です。左が優先席の車端部、右が普通の座席の車端部で違いは座席モケット、窓のステッカーに吊革ぐらいです。ここの部分の寸法はかなり座席の確保にいっぱいいっぱいだったせいか、4ドア車の2000系で見られた妻窓前のデットスペースがこの形式では消滅、端から端まで座席が目一杯設けられています。もっともその現象は101系や301系でも見られたので「そのまんま」と言われれば「そのまんま」です(^^;; 妻窓、戸袋窓も「そのまんま」、戸袋窓が製造当初から無かった2000系(新2000系を除く)とは対照的です。 天井です。フラットな天井が特徴的です。 吊革はレールと平行に設置されており、ドア付近の増設が一切ありません。これ、最近2000系で積極的に行われているドア付近の吊革増設が行われていないとなれば、やはり今後の動向が気にならずにはいられないでしょう(^^; 果たしてどうなることやら・・・。 床です。こちらは灰色一色。ここも西武通勤車で多く見かける色となっています。ゴミなどがあまり目立たない色ではありますが、20000系と比べるとちょっと暗いかな、という印象を抱かざるを得ません。 ドア周りです。両開き扉で、先ほど車端部の部分でも取り上げましたがあまりドア周りの余裕が見られません。 ドアの上の鴨居部にも化粧板が貼られており、無塗装の銀によってドアが目立つ格好になっています。外観と同じようなインパクトを車内にも与えています。 窓です。側窓は101系では1つ1つ独立していたものの、3000系では2つで1つといった具合に変わりました。そのため、側窓と側窓の間にある太い桟が1つに減り、見栄えもスマートになりました。外観も車内もこのユニット窓が大きな特徴になります。 座席です。ドア〜ドア間の11人掛けからです。まず車内全景をご覧頂いた時にこの座席の形状に目が入った方もいらっしゃるかもしれません。背もたれと座面が独立した格好になっています。その形状についてはまた後ほどです。 背もたれも座面も6人掛けと5人掛けの2つを組み合わせていますが、そのペアを互い違いにして、それぞれの境目から5人・1人・5人が座れるように配慮してあります。この考え方はかなり前からベタ褒めしているのですが(^^;; このアイデアを応用すれば無理にバケット化に走らなくても自然に「バケットっぽい」座席が出来上がりそうな気がします。 乗務員室直後の2人掛け。まさに2人分きっちりしっかり確保しました!といわんばかりの2人掛け。どちらかというと1人で座りたくなってしまう座席ですが、1人の時も1席分空けてどうぞ。旧101系の頃はもう少し余裕があったこのスペースですが、さすがに乗務員室や立席スペースとの関係がシビアなのでしょうか…。 車端部の5人掛けです。優先席もその車端部に設けられており、モケットをウグイス色のような銀色に変えています。 西武鉄道は優先席の配置が独特で、基本的には奇数号車の本川越・飯能寄りの車端部と偶数号車の西武新宿・池袋寄りの車端部が優先席となります。従って3000系も全車両に優先席があるのですが、車端部によっては優先席がまとまった所とそうでないところと二分されており(^^;; JRの優先席に慣れているとちょっと戸惑いを感じてしまうこともありそうです。 袖仕切りは一貫してパイプ構成です。 最後にちょっと普段とは違う角度から見ています。 このように座面と背もたれの間にFRPによるスペーサーが座席に入っています。これによって、座面がより手前にでるため奥深く座れ、背もたれの位置も高くなるのでより上手い具合にフィットするなどの利点があります。西武では3000系の全車と新101・301系の一部車両に導入されたものの、その後の通勤車には導入されていません。逆にJR東日本でこれと同じような背もたれ・座面分離型の座席を209系で導入しましたが、あちらは「209」や「E231」などの構造をそのまま新車として迎え入れた相鉄や東京都交通局などでも見られるようになりました。 さてこちらの座り心地ですが、座面の奥行きと背もたれの硬さに慣れない方は不満かもしれませんが、しっかり深くまで腰掛ければ快適に移動できると思います。使い方や体格によって幾分好き嫌いが別れそうな気がする座席です。 スペーサーの色とモケット、特に優先席の色のバランスが良く出来ています。キャラメルと包み紙のような関係でしょうか、伝統的なモケットの色なのにカジュアルな雰囲気さえ漂ってきます・・・のは自分だけですか(^^;;; ハイ●フトの中にあるフォトカードに3000系が登場することをささやかに願ってます(^^;;;;; |
それが、ドアー。 |
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