西武鉄道  9000系[多摩湖線ワンマン車]
 
  新2000系との見分けがなかなかつかないことでお馴染みだった9000系。新2000系にはない10両固定編成で池袋線を快走していたのはちょっと前のこと。2020年頃から4両編成になって多摩湖線のワンマン運用に充当されるようになりました。今回はその多摩湖線での模様をお届けします。
元々9000系自体新宿線での活躍もみられたことから、萩山駅で見てもあまり違和感が無いのが正直な印象です。ただ、新宿線で活躍していた頃は赤や紺の車体色の車両はありませんでしたし、何より西武遊園地から出発した列車は小平行きの新2000系が定番。多摩湖?!何それ塩振ると美味しいの…状態でした(^^;;
発車前のチャイムやメロディは昔ながらのものを使いながら、ワンマン運転も率なくこなす4両編成の黄色い電車は新2000系とは異なる音を奏でて国分寺と多摩湖の間を行ったり来たりの日々です。
(取材・撮影 西武鉄道多摩湖線・萩山〜多摩湖)

 

 

 


車内全景です。西武鉄道では徐々に見かけなくなってきた暖色系の車内です。4ドアロングシートです。
車内を見渡すと戸袋窓が無いことに驚く方もおられるかもしれませんが、こちらは池袋線所属時に改造を受けたものです。区分柄が入った背もたれやLED表示機にも9000系らしさを感じることができます。
ここから先、色々な変化も拾いながら書こうとは思いますが、この先数年、十年ちかく経った時に数少なくなった「黄色い電車」の車内として紹介される日が来た時に、このくらいの変化であれば…在りし日の活躍を思い出すには十分だと思います。


乗務員室との仕切りです。ここは吊革増設や冷房・暖房ランプの撤去、路線図の貼りつけ中止などの細かい変更が見られるものの、仕切り自体は大きな変更はありません。ワンマン運転も都市型ということで、それらしい機器は見当たりません。
増設された吊革は既存のつり革の内側に並んでいます。こちらは池袋線時代に増設されたものですが、中吊り広告を避けて設置されている様子がちょっと可愛く、西武らしい素敵な配慮だと思います。誰への配慮か?というのはさておき(^^;;
多摩湖線国分寺駅の構成上、大いに役立っているであろう吊革です。

 
中間車のうち車椅子スペースの無い車端部は優先席が両側に広がっています。鶯色のモケットの座席もしっかり座面がバケット形状に変更されている様子が伺えると思います。
さて、ウィキペディアで事前に調べておけば良かったのですが、優先席の吊革が10cm下がっています。右の画像でその設置の様子を横から見ましたが…なんということでしょう、既存の吊革の支持棒はそのままに、10cm下にバイパスの如く支持棒を新たに取り付けているではありませんか(^^;; 既存の支持棒はいかにも昔ここに吊革がありました!という様子で佇んでいますが(^^;; まさに匠の腕の見せ所、本家劇的ビフォーアフターであればここのシーンだけでクイズになるのでは?と思うくらいグッジョブです。
もしかしたら…廃車になった9000系の当該部分の支持棒を再利用しているかもしれませんね。

 
左の画像は先頭車の車端部、右の画像は中間車のうち元々車椅子スペースが備わっていた車端部です。ちょうど編成の中間部分にあたり、この区画のみ通常モケットの3人掛けの座席が展開します。
多摩湖線運用への転用に合わせて先頭車の車端部にフリースペースを設けました。車椅子やベビーカーのマークが無い他、腰当てのクッションが設置されています。西武鉄道の車椅子スペースというと先頭車では乗務員室、ドアに続くポジションが定番だっただけに、初めて耳にしたときはちょっと意外な位置、意外な位置づけだなぁ…と思ったものです。

余談ですが、進行方向から見ていくと先頭車は右後ろの角、次の中間車は左後ろの角、3両目は左前方の角、最後尾は右前方の角に車椅子スペースかフリースペースがあることになります。1両ずつレイヤーで重ねていくと四隅全てにスペースを備えた格好になり、オセロで言えば盤石の体制といえます(^^;;

 
左の画像はフリースペース、右の画像は車椅子スペースです。車椅子スペースは製造当初からあるもので、非常通報機や手すりが備わっていますが、手すりはフリースペースにも同じように備わっていますが、一番下の手すりは握り方によってはクッションの触り心地も愉しめる、ちょっぴりお得な仕様です(^^;;
車椅子スペースの案内ステッカーは元々戸袋窓と側窓の間に貼られていました。戸袋窓が埋められて今のポジションに移りました。埋められて…といえば、やはり車端部も軒並み冷房・暖房ランプが撤去されています。


天井です。同時期に製造された6000系は吹出し口が緑色に塗られていましたが、9000系はシンプルに銀色の吹出し口を採用しています。その6000系ではLED照明に変更された車両もありますが、こちらは蛍光灯が引き続き幅を利かせています。


床です。多摩湖線運用の転用に合わせて、ドア付近の滑り止めが黄色くなりました。ベージュとの組み合わせを見ると、黄色い成分がもっと増えればいいのに…と側面のツートンを思い出して勝手な事をついつい言ってしまいます。そして…中間車は点検蓋の存在もポイントです。

 
ドア周りです。LED表示機は登場時から全てのドアについており、見た目の変化はあまりありません。
無塗装の銀色ドアは広告が賑やかになっていますが、ワンマン運転のため停車してからドアが開くまでに少し間があり、降りる前にじっくり広告を見ることができますよ!誰に向かって呼びかけているかはさておき(^^;;
LED表示機からは行先、ドアの開閉案内、次駅案内、乗り換え案内が流れます。乗車区間のせいか、かつて拝島線の駅間で流れていた西武鉄道からのお知らせは見かけませんでした。
少しカバーやLEDの照度にくたびれている様子が伺える個体もありますので、マメなメンテナンスをお願いしたいところです。


窓周りです。1段下降窓は多摩湖線でも八坂〜武蔵大和の間で走行中にすれ違う際、しっかり窓の振動音が車内全体に伝わります。ロールカーテンも引き続き備えています。はてさて…見慣れて…きましたか?


7人掛けの座席です。背もたれには着席区分が入っていますが、これは製造当初から変わりません。一方、廃車となった車両から持ってきたのでしょうか、座面は全車バケットタイプのものになっています。これまでの座席よりも定員どおりの着席に期待できる一方で、これまで沈み込んでいた座面があまり沈みこまなくなったので、座る時はさておき立つときにちょっと力が要るかな…といった仕上がりです。スタンションポールも備わったこともあり、定員着席への強いこだわりを感じる一方で、9000系登場時から変わらないのは「3人掛け・4人掛けを背もたれ・座面それぞれ互い違いに配置」というこだわりです。

 
3人掛けの座席はこちら2種類です。優先席は背もたれの着席区分がありません。
妻面のデッドスペースは座っている人に空間の余裕をもたらします。一方消火器がぶら下がっているのは今も昔も変わりませんが、妻面の余裕があるのであれば…と、ついつい余計なことを考えてしまいます。
優先席はモケット、吊革の色の違い、側窓のステッカーくらいでしょうか。廃車した分のスタンションポールが余っているのであれば、この部分も2人掛け、1人掛けで設置してあげると、特に混雑する先頭車で立客も含めて握れる部分が増えて良かったのに…と思いましたが、さすがに時既に…でしょうか。


西武鉄道の車両更新、なぜか袖仕切りは当初から使用している物をそのまま使うイメージが定着しています。ご多分に漏れず、パイプ形状の袖仕切りが幅を利かせています。戸袋窓を埋めたことから大型袖仕切りを使用しても良いのでは?!…と思いきや、どうも広告枠との干渉を避ける必要がありそうです(^^;;


フリースペースの腰当てクッションです。寄りかかる姿勢の時に当たりそうな位置、持ちそうな位置にはほぼほぼモケットがぐるっと巻かれています。
ドアコックなどの機器類の関係もありデッドスペースになったのでは…と推測できますが、元々の壁から離してクッションを設置した点は寄りかかりを防ぐ意味ではかなり効果的、結構練られたであろう逸品です。…えぇ、決して「菓子屋横丁のふ菓子」とか「bigカツ」などとは言いませんょ(^^;;

数cm程度の調整になりますが、もう少し低い位置に設置すると快適に活用できる人数が若干増えたかもしれません。角度はバッチリだと思います。

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