西武鉄道  40000系
 
  2017年にデビューした西武鉄道40000系。L/Cデュアルシート、川崎重工、地下鉄直通対応、トイレ付き、パートナーゾーン…と20000系、30000系で慣れ親しんだ層からは驚きを以て迎えられました。ロングシートモードでは急行や準急を中心とした10両編成の運用に、クロスシートモードではS-TRAINや拝島ライナーなど、これまで無かった着席サービス列車でフル活用。
外観もこれまで以上に丸みを…と思ったら、後年さらにLaviewが丸くなってビックリ。柔らかい表情に青から緑へのグラデーションが「黄色い電車」で記憶が止まっている人には別の会社の車両のように見える、という声もチラリ。
後年ロングシート車も登場しましたが、見た目の違いはLONG/CROSSと書かれた水色のステッカー。そして2号車・4号車・9号車の窓配置です。
(取材・撮影 西武鉄道池袋線・所沢〜飯能)

 

 

 

 
車内全景です。ロングシートモードは4号車、トイレ付きの車内、クロスシートモードは1号車、飯能方先頭車の模様です。
調光機能が備わっていて、クロスシートモードは電球色に近い色の照明でスタンバイ。雰囲気の違いを照明で演出できる時代が来るとは思いもしませんでした。
最近の新車では多かった寒色系のモケットの座席を中心に、ラベンダー色のつり革が意外とアクセントになっています。
そして、立席床面積の違いがデュアルシートならではの特徴ですが、ロングシートモードでスタンションポールが無いのが近年の新車では却って新鮮です。

 
1号車、飯能方先頭車の仕切りです。左がロングシートモード、右がクロスシートモードで、以下断りが無い限りこの配置で画像を並べていきます。
木目の化粧板を妻面に貼ったこともあり、この仕切りも木目柄です。6000系や30000系では左から窓・窓・扉の3枚構成だったのですが、この40000系では少し扉が右に寄っているとはいえ、窓、扉、窓の配置になっています。東京メトロの仕切りを見ているような気分ですが、緩やかな丸みを帯びた手すりに西武らしさ、40000系らしさを見ることができます。

 
比較しにくい画像ですみません。車端部はロングシートモード、クロスシートモードどちらもロングシートで固定されています。
右の画像は優先席ですが、座席やモケットに違いがなく、つり革やステッカーでの区別になります。優先席の配置はこれまでの西武線の通勤車と同じ、奇数号車の池袋・本川越方と偶数号車の飯能・西武新宿方です。
30000系に続いてガラス張りの貫通扉になりましたが、ここも木目柄の化粧板が登場し、今までの通勤車の雰囲気を一新しています。着席サービス列車との兼ね合いもあるので難しいかもしれませんが、優先席に関しては床の模様を変えても良かったのでは、と思うくらいつり革の黄色がわかりにくく感じます。

 
2号車、9号車の車椅子スペースつきの車端部です。座席3人分が車椅子スペースと機器スペースに充てられています。中には非常用の車椅子が入っているとの記載がインターネット上にありますが、実際に何が入っているかはこのカバーには記されていません。ただ、増備途中でこの機器カバーの高さが低くなった車両も登場しています。果たして…(^^;;
なお、トイレとの表記もインターネット上にありましたが、ご覧のとおりトイレではありません。この機器スペースの関係で窓が無いためそのように見えたことは同情しますが…後年登場したロングシート車にはこの機器スペースがなくなり、窓が設けられています(^^;;

 
4号車の池袋、本川越方は車椅子スペースと車椅子対応トイレが備わっています。長距離運用もこなすことから編成中に1か所トイレを…ということですが、なんとありがたいことでしょう(^^;; これで土日の中華街で食い倒れても心配ありません(^^;;;
ここの車椅子スペースには窓がついています。

 
そして天井が物々しさが目立つ画像ですが(^^;;; 10号車、つまり池袋・本川越方先頭車には「パートナーゾーン」が設けられました。腰当ても兼ねた衝立を窓向きに配置し、景色を見やすく…という意欲的なスペースと紹介すれば格好良いのですが、ある地下鉄の駅で聞いた「10号車の一部のドア付近には座席はありません。」が全てを物語っているような気がします。この手のサービスは一気に推し進めることが大事だと思いますョ、ホント。
つり革も白いものをスタンバイ。床や内壁の化粧板もちょっと周りと区別するような配色です。

 
こちらも撮影位置がちょっと違ってすみません、パートナーゾーンから車内全景です。右の画像は機材が悪さして昼白色に照明の色が振られてしまっています…重ねてすみません。
荷棚が無い側面の窓ガラスが大きいものの、Laviewの方が窓の大きさを実感できるだけに、この大きい窓の意図をどこまで感じてもらえるか、ターゲットである携帯に視線を向け続ける立客の親子に気づいてもらえるかがこのパートナーゾーン成功の鍵の一つだと思っています。

 
1号車の車椅子スペースと2・9号車の車椅子スペースを並べてみました。非常通報機、車椅子固定器具、握り棒などの設備は変わりませんが…やはり窓のある、ないでだいぶ雰囲気が違います。あ、プラズマクラスターもチラリ。
車椅子の方が気兼ねなく利用できるスペースはやはり1号車の方かなぁと思います。

 
4号車の車椅子スペースと車椅子対応トイレの仕切りです。車椅子スペースは他の車両と同じ設備を整えていますが、ここは通路になることもあり、特にクロスシート運用時はトイレへの行き来が出ることから、ちょっと落ち着きそうにはありません。
トイレの仕切りは弧を描く扉を用いていますが、よくこのスペースに収めたものです。ただ、トイレ使用灯がちょっと見難いかなぁ…という印象です。

 
天井周りです。右の画像はホワイトバランスが悪さしたパートナーゾーンの模様です。
30000系でだいぶ冒険した天井ですが、この40000系でも天井を高く見せるようなデザインを施しています。ファンデリアを中央に配置し、すぐ両脇をLEDの照明が挟みます。この照明から吹き出し口まで緩やかなカーブを描いています。
そして握りやすい形状のつり革、頭をぶつけないように気を付けたい…思いとは裏腹に、天板にガラスを用いて透明度が上がった荷棚が基本的な構成です。
思いのほかスッキリしているように感じるのはLEDの照明の細さ、そして中吊り広告がなく、出っ張りが抑えられた液晶ディスプレイの効果があるのでは、と思います。

 
床です。淡くて落ち着いたピンクの柄とパートナーゾーンの若草色。なかなか素敵な組み合わせです。このパートナーゾーンの床の色を見ると武蔵横手駅のヤギを思い出しますが、こちらは食べられそうにはありません。

 
ドア周りです。全てのドアの上にLCDモニターがついています。化粧板が貼られたドアは30000系よりも静かに開閉する印象です。
その30000系と似たようなスタイルのドアですが、両脇の手すりがわかりやすい形状で復活、こちらも木目の装飾を入れています。また、半自動ドアということでスイッチも備えています。Sライナーや拝島ライナーの運用ではドアを4か所中1か所しか開けない駅もあります。それにしても…デュアルシート搭載だから仕方が無いとはいえ、ドア周りの余裕がまるでありません。

 
ドアスイッチとLCDモニターです。ドアスイッチは取材中に半自動扱いがなかったため、光ったところが見られませんでした。真ん中のスイッチは4号車のトイレとの仕切りについたスイッチで、右のスイッチが車外用になります。縦長の「あける」「しめる」はあまり目立ちませんが、光ればそれなりにわかる…はずです。
液晶のモニターは一体になったもので、左側で広告を、右側で列車案内を出します。次駅案内、列車案内から開くドアの位置まで多彩な表示を繰り広げます。

 
窓周りです。右の画像はパートナーゾーンの大きな窓で、この窓にはカーテンがありません。
ロールカーテンを備えた点は良いのですが、ロングシートモードの時は下までおろすのがなかなか大変です。荷棚に設けられた座席番号にも注目です。

 
パートナーゾーンの腰当てですが、お子様はどうやらパートナー同伴で無いと不安なようで(^^;; お子様用の腰当ても欲しいところですが、大人でも2人で並んで使うと幅に余裕がないような気がします。1人ずつ区分したり、もう少し横幅を広げても良かったのでは…とは使ってみて思うところです。また、冬の暖房の時期では腰当てを使う方の膝と暖房の間にちゃんと隙間が確保できるか、熱くなりすぎないかは心配です。またその時期になったら乗らなくては…。

 
車端部の3人掛けロングシートです。肘掛けが備わった座席はロングシートモード、クロスシートモードどちらも変わりません。故にデュアルシートで感じるグラグラがこの座席では一切ありません(^^;; また、ロングシートモードで電源が使えることがあるそうで、肘掛け下のコンセントが重宝しそうです。なお、妻面と袖仕切りに面したひじ掛けは省かれているので、3人掛けに対してコンセントは2個……なんか気まずそうな予感しかしません。

 
ドア〜ドア間は6人掛けのロングシートと2人掛け3組のクロスシートが展開するデュアルシートです。台座の引っ込み出っ張りも要注目です。肘掛けが全ての座席につくので、個々のスペースがはっきり分かれる点はロングシートでは魅力です。ただ、壁面に埋め込まれたコンセントは使えなくなります。
ロングシート時は台座のグラグラが座った時、立った時に感じられます。隣の人が動作を起こしても同じです。
見た目は背もたれも厚めになって薄い印象が和らいだように感じますが、座面の高さのせいか、要所要所がゴツゴツしているせいか、角度が切立気味なのか、いまいち踏ん張るような力のかかり方にストレスを感じてしまいます。
うーん、ここも西武らしくない…。

 
1号車には2人掛け座席がありまして…(^^;; なぜこの席ができたのかが非常に気になります(^^;; ただ、拝島ライナーではこの座席の予約をブロックしている可能性があります。いつ予約しても「予約済み」の表示。これって結局…(^^;;

 
クロスシートモードで横から撮ってみました。争奪戦になりそうな窓下のコンセントがコンニチハ。背面のドリンクホルダー、荷物掛けもいらっしゃい。ペダルを踏めば回転できますが、この回転はコイトの座席よりも分かりやすいと思います。
座り心地は先述した通りですが、足元は広めに確保されています。拝島ライナーでは結構飲食されるお客様が多い印象だったのですが、それこそインターネット予約で席を選ばないと…というのは私の失敗です。

右の画像はヘッドレストに印刷された注意事項です。

 
中吊り広告の代わりのLCDモニターと貫通扉に飛ぶ鳥です。誰ですか、獅子を倒そうとしている鷲に見えると言っている人は!
鳥のシルエットを見ると高田馬場の三菱銀行のシャッターデザインを思い出すのはさておき、コロナ禍前に乗った平日の拝島ライナーは飛ぶ鳥を落とす勢いがあるように感じました。
今後新宿線では10000系「小江戸号」の置き換えが控えていますが、果たして…。
 
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