仙台空港鉄道  SAT721系
 
  2007年に開業した仙台空港アクセス線。乗り入れるJR側も新型車両を用意しましたが、こちらもSAT721系を3編成新造し、列車によってはJRのE721系500番台と混結しながら走らせています。
外観は青い顔に黄色い帯がキリッと決まっていますが、貫通扉が銀色の無塗装になっているだけで優しい表情になったと思います。そして、この仙台空港鉄道の増備に続き、青い森鉄道、阿武隈急行…と更なるバリエーションが垣根を越えて広がっていくことになります。
東日本大震災の際には仙台空港アクセス線も一部区間での不通が続きました。E721系500番台は新幹線リレー号に充当されるなど普段よりも長い距離を走ることもありましたが、こちらはいつもの路線をいつもどおり駆け抜けていました。
そうそう…仙台空港から山形への直通構想はその後どうなったのでしょうか…?
(取材・撮影 仙台空港鉄道仙台空港アクセス線・仙台空港 他)

 

 

 


車内全景です。モケットの色が異なるだけでいつもとちょっと違う雰囲気が漂います。3ドアセミクロスシートの車内です。逆に言うとモケット以外の部分はほぼE721系500番台と同じです。ドア上の路線図まで一緒です(^^;; 故に共通運用も難なくこなせます。
仙台から仙台空港まで快速で17分。さすがに快速も本数が随分少ないですが(^^;; 10年前にこの路線が開業していたらきっと701系ベースの車両が投入されていたのでしょう。京成線のようなスーツケースが通路にゴロゴロ…のシーンがみちのくの地でも展開されていたと思うと…(この例えの度に京成電鉄を引っ張り出すのはやめれ、と某パンダの声が聞こえてきます(^^;;; )

 
乗務員室との仕切りです。中央に仕切り扉、助手席側に着色ガラス、そして運転席の後ろにもしっかり窓があります。連結時も仕切り扉は閉まっていることが基本で、段差の注意喚起のステッカーが仕切り窓に貼られています。この段差に対しては光や床の色、凸凹でもしっかり注意を促しています。なんかノンステップバスを見ているような画像ですが、ここまでやるか!と感心したものです。

その仕切り扉の上には津波警報が発表された際のお願いや非常時に車外に出る時の方法などをまとめた紙が貼られています。JR東日本が作成したものと同じ物のようです。

 
仙台方先頭車には荷物棚が設置されています。車端部、片側のみの設置です。取材した時点でクロスシートの手すりの塗装はボロボロでしたが、こちらはというと、取材時点ではあまりくたびれた様子はありません。

むしろ、荷棚に「荷物棚内には立入らないで下さい」という注意書きに冷や汗というか、開いた口が塞がらないというか…(^^;;
迷惑ユーチューバーのはしゃぐ顔が思い浮かんだのは私だけです。荷棚つーんつーんつーん(以下自主規制

車端部に視野を広げると、両側とも優先席の区画になります。貫通扉の窓の大きさからも開放感が伺えるところですが、明るく見えるのは照明と化粧板のおかげ。荷棚のある側にも座席は設置されていますが、側窓は省かれています。


トイレ、車椅子スペースは仙台空港方の車端部に集約されています。ここにも目の前が壁になるロングシートがありますが、優先席はドアに近いセミクロスシートのロングシートのみを対象としています。目の前が壁になっても、スマホに目を落としたり、寝たりすればさほど苦にはならないのでしょう、あまりハズレ席との評判を聞いた事はありません。
トイレのドア配置と車端部のロングシートの配置が絶妙で、視線が合いそうで合わないポジションを確保しています。

 
車椅子スペースとトイレとの仕切りです。トイレとの仕切りの部分にも乗務員室との仕切りの項目で紹介した津波警報の時のご案内が貼られています。車椅子対応の弧を描いた仕切りは仙台空港鉄道の車両でも採用されました。走行距離や時間から行けば省かれそうな設備ですが…ベースの車両の効果か、車両管理業務の委託が功を奏したのか、仙石線の一件があったからか…いずれにしても、急に駆け込みたくなってもこれで安心です。

そしてベビーカーマークが後付けで貼られた車椅子スペースです。非常通報機、ヒーター、手すりは窓を挟んで上下2段。側窓もしっかり備わっています。


JR東日本ではすっかりお馴染みのパッケージになった天井周りです。ラインフローファンが設置されているだけで混雑時には心強く感じるものです。そして懐かしさを感じるのは吊革に設置された広告枠。使用された形跡がなさそうですが、この枠そのものが残っているかどうかが気になるので、そろそろバンデス記者の方に真相を探って欲しいです(^^;


フラットな床です。仙台圏ではステップつきのドアばかりだったこともあり、空港輸送に乗り降りしやすい床の車両が抜擢されたことは何よりも嬉しかったです。そしてドアの前には色と凸凹で注意喚起を促しています。


ドア周りです。全てのドアにLED表示機が備わっていますが、そのうち半数程の鴨居部に路線図がついています(^^; 鴨居部ギリギリに貼られた迫力あるステッカーも含めて、E721系からの変化はありません。モケットが変わればドア周りも違って見えるかと思ったのですが…ほぼほぼ同じ、ですね(^^;; 車内側は段差が無いドア窓の大きさがポイントです。


半自動ドアボタンです。左から車外側、車内側、車内側のランプ非表示状態の3点セットです。やはり…と言うべきでしょうか、手で触れる部分の表示は薄くなってしまっています。ボタンでの乗降はこの地では慣れている部分もありますし、ドア窓にもボタンの開閉についての案内は書いてありますが…。


鴨居部です。駅名案内、次駅案内を表示するLED表示機は全てのドアについています。そして蓋が大人しい非常用ドアコックもこの位置です。ドアコックの薄さを見て「川重っぽいなぁ…」と思うのは、209系の見すぎでしょうか…。
せっかくの仙台空港鉄道が保有している車両だけに…仙台空港方面に行くのか、福島県や白石方面に行くのか、もう少しわかりやすいと途中駅から乗った時にホッとすると思います(^^;


側窓です。固定窓と1段下降窓のデュオですが、取材時は換気で役に立つような日が来るなんて、全く思いませんでした。
窓の下にはE721系ですっかりお馴染みになったテーブルがあります。この形式に限って言えば、乗車時間が短い分テーブルの上に置き忘れ…が心配になってきます(^^;;

 
お待たせしました、ここからSAT721系のオリジナリティ溢れる座席をウォッチン!
…といきたいところですが、仙台方車端部の優先席はJR東日本と同じモケットを用いています。違いは優先席付近の携帯電話電源オフを示す青いステッカーくらいでしょうか。
クッションを2人ずつ分けた4人掛けと、背後に窓が無い2人掛けのタッグです。4人掛けとはいってもスタンションポールが間に入ることもあり、割と定員着席がしっかり守られていそうなセッティングでお出迎えです。
座席と荷物棚、或いは座席と妻面との間に真っ白なスペーサーがサクッと入っています。複雑な形状の背もたれや座面の輪郭をなんとな〜くなぞったようなスタイルがツボです。


仙台空港方車端部の2人掛けです。トイレの関係でこの角度からの撮影が精一杯、といったところです。
袖仕切りは窓の下で収まるものが採用されています。ここも形状が若干複雑で、上辺が窓際のちょっと手前の部分で斜めにモリッと膨らんでいます。そう、完全な真四角ではないのです…(^^;;
通常モケットの色は紫の柄になります。私、この手の座席はJR東日本の首都圏の車両のように座面と背もたれが別々のモケットの方が映える気がしますが、好みは人それぞれであります。

 
ドア〜ドア間のセミクロスシートです。仙台空港方のセミクロスシートの中には優先席を2人掛けで設けた区画もあります。
片持ち式のクロスシートと蹴込み板付きのロングシートとのハーモニーです。
スミから隅までモケット張りのクロスシートはこの角度から見ても新鮮です。

 
ドアとクロスシートの間に挟まれた2人掛けロングシートです。車端部よりも窪みが付いた分少し余裕があるように見えるかもしれませんが、車端部とさほど変わりはありません。嬉しいのは手すりが立ち上がる時にどちらの席も手の届く範囲にある点です。
座り心地、座面は先端部分の硬さが特に気になるところ。同時期に首都圏で製造を重ねていたE233系よりも全体的に硬めに振っているような感じがします。形状は一緒ですが、ちょっと違う。そんな違いがわからない取材班はこの車両でも案の定ぼんやりーぬでした。


クロスシートです。背もたれ、座面全て同じ柄のモケット張りになりました。元々ヘッドレストに相当する部分ということもあり、レザー張りのE721系でも同じくらいの厚みがあり、さほど硬さや形状は変わらないと思います。違うのは触り心地くらいでしょうか。
ロングシートと同じく硬めに振っていますが、座ると僅かながら沈み込んでいるように感じられます。窓側の見た目以上に狭く見える、狭く感じることもある窓枠と座席の位置関係はこの形式に限った事では無いですが、荷物の多さと通勤、通学双方に対応するこの形式だけに、出だしで窓側に入ってもらえるような空間のゆとりがあっても良かったのかなぁと思います。

…え、私は問答無用で窓側に座ってしまいます(^^;; 高架からの景色、なかなか素敵ですョ。
 
ひとつ前に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送