札幌市交通局  南北線3000形
 
  南北線延伸開業時に製造された車両は2000形と車体長こそ同じものの、外観から走行機器までガラッと変わったため新たに3000形と形式が振られたのが1978年。5編成のみの製造ながら後継の5000形とはドアの位置が大きく違うためそれなりに目立つ存在でしたが…平成24年に全車引退となってしまいました。製造も断髪的に行われたため、最後に製造された編成は製造後22年での引退となってしまいました。正直、もう少し活躍すると思っていたんですけどね…
車体長から言えば中小私鉄に引っ張りだこな予感もしそうですが、足回りが独特なので特に譲渡もなく、保存車両もないまま解体されてしまいました。国鉄車両は保存車両がいっぱいあるのに…
(取材・撮影 札幌市営地下鉄南北線・真駒内)

 

 

 


車内全景からご覧いただいております。この車両、2ドアロングシート、13.5mの車体長ということでなかなか独特なサイズ故に、ドア配置も独特です。先代1000形・2000形に倣ってこの配置になったものかと思いますが、晩年はかなり独特なものでした。
直線的な車内は化粧板に独特の意匠もなく、貫通扉の六角形が最大のハイライトになっています。化粧板自体は薔薇の花びらをモチーフにしたものを使用していましたが、遠くから見るとあまりその模様ははっきりとしないくらい些細なもので、全体的なインパクトは6000形の方が上かな?と思ってしまいます。


車端部です。まずは貫通路から扉が長い方の車端部です。中間車はドア〜貫通路が長いものと短いものの組み合わせで、長い物どうし、短い者どうしで連結している格好です。故に、ドア配置は全く各車両で均等ではなく、乗車位置をよく確認しないと目の前に扉が来ないこともありました(^^;; 短い方の車端部は先頭車も含めて全車両にあるため、専用席を設置しています。連接台車と言うことで仕方が無い部分もありますが、8両になった今ではただただ違和感しかありません(^^;;


短い方の車端部は各車両とも携帯電話オフ、そして片側は「専用席」に指定されていました。消火器もこのスペースにありました。この短さの方が車端部として見慣れています(^^;; なお、貫通扉のついた車両は無く、どの車両も貫通路として広い通路を確保しています。キノコ型が流行した営団地下鉄とは違い、見事な六角形の貫通路は東西線・東豊線でも見ることができ、一時期は札幌市営地下鉄のランドマーク的な存在と言っても過言ではない状況でした。

乗務員室は長い車端部を活用して座席+乗務員室として設計されました。地上区間もスノーシェルターで覆われており、前面展望は必要最小限に留まっています。こちらはさすがに一般的かつ直線的な仕切りに落ち着いています。
この仕切り前の客席が3000形の隠れた特徴で、2両で中間を連接台車にするための構成と言っても過言ではないでしょう。この部分だけ見るともっと車体長が短い新交通システムのようにも見えます(^^;;


天井周りです。吊革の支持棒が少し独特で、蛍光灯の内側に吊革を設けている数少ないケースです。だからと言って車内が狭く見えるわけではなく、中吊り広告がちょっと見にくいかなぁ…と思う程度です。車体幅が広いだけにちょっと損している印象です。中央は送風装置で、冷房は最後までつきませんでした。扇風機はありませんでした。
無い物がもう一つ、札幌では半ば当たり前になりつつありますが、網棚がありません。


連接台車を中心に床です。灰色一色でシンプルな仕様は化粧板とは真逆でした。


ドア周りです。鴨居部も周りと一体になっていて、化粧板も貼られたドアは正直あまり目立たない存在ではありました。そして、吊革がドア周りに設けられていない点は混雑激しい南北線にして「あれ?」と思ってしまいます。無論、首都圏の通勤電車に乗りなれているからでもあり、首都圏の感覚で物申すと一体型の鴨居部でさえ違和感を覚えたものです。
戸袋部分の鏡もポイントです。


窓枠です。開閉可能な部分が一部にあります。桟の太さと窓のRはモノレールとか新交通システムで良く見るようなもので、このRは正直あまり好きではありませんでした。カーテンはありません。


ドア〜ドア間の長い座席から見ていきます。座面の奥行きのある座席は柔らかな座り心地でした。化粧板の模様ほどではないですが、座席モケットも格子状のもので、さりげなく凝っています。画像ではわかりにくいですけどね(^^;; 北海道屈指の混雑路線と聞いていますが着席区分などはありませんでした。


こちら、連接台車では無い方の長い車端部のロングシートです。こうなると何人掛けかわかり難いものです。端も壁に直接面したスタイルで、直線的な割り切ったデザインに時代を感じさせます。
 
乗務員室の後ろの座席、そして連接台車の短い車端部の座席です。こちらもそれぞれ長さが違ういます(^^;; 連接台車に面した座席は車端部にちょっとした余裕があります。居心地は良く、座席自体全体的に低めにセットされているのでこのポジションを選びたいところですが、携帯電話が禁止だったり意外と幌のこすれあう音がうるさいので一長一短あるポジションでした。面白いのがシートヒーター脇。さりげなく清掃用のコンセントが潜んでいます(^^;; この時代の車両についているのが珍しいです。


専用席はよりおとなしく(^^;; 紺色のモケットでビシッと決めていました。国鉄ではお馴染みの色のモケットでも、暖色系の車内では目立ったんです。晩年はステッカーがベタベタと周りに貼られてさらに目立っていました。この落ち着いた専用席のモケットは東西線・東豊線でも見られましたが、三者三様で化粧板の模様が全く違うのでまるで別会社のような雰囲気を楽しむことができました。その中でもおとなしめの内装で独特だっただけに、もうちょっと満喫したかったものです。
 
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