山陽電鉄  3050系
 
  1972年から1984年にかけて製造された山陽電車3000系シリーズの一員になる3050系。製造当初から冷房装置が設置されていたのが特徴になるわけですが、細かいところの差は3000系同様色々とあるようで、全部を把握しているとてんてこまいになってしまいそうです(^^; このページでは1977年に製造された3062Fという編成の車内の様子をご紹介しようと思いますが、この編成も実は中間車1両に3000系が混ざっていて、3050系とは天井の様子などが異なるようです(^^;; 本来ならそちらもじっくり行きたいところですが、今回はその他3両、3050系の模様を徹底的にやっていきます。
3両編成の普通車が多い山陽電車において、今なお4両編成を組んで普通列車を中心に活躍しています。
(取材・撮影 山陽電鉄本線/山陽姫路)

 

 

 


斜めモードの袖仕切りから網棚にかけてのパイプが大きく惹かれる車内全景からご覧頂きます。3ドアロングシート、車体長18mの車内になります。暖色系で攻めてきていますが、どちらかというと落ち着いたさっぱりした車内ではないでしょうか。多くの人に受け入れられそうな印象を受けます。
画像右上、大小様々な広告に紛れてある「消火器」の表示が何ともキュートです。実は乗った時には気がつかなくて、取材後気がついたのですが(^^;; 今度乗った時には大きな画像で撮ってみたいです。この小さな心意気に早くも拍手です。


車端部です。戸袋窓は無いものの妻窓はあり、貫通扉などのデザインも含めて、やや古い雰囲気は否めない作りになっています。その貫通扉、下半分のみ化粧板が貼られているのがユニークですね(^^;;; 貼り忘れでは無くデザインの一環なのでしょう、確かに貫通扉としての存在感と周りとの一体感も生み出せていないように見えて生み出せている、不思議な感覚です。
不思議な感覚もう一題。車端部の広告枠は妻窓の上に細長い物が設置されているのですが、内容が確認できるポジションってかなり限定されているような気がするのは自分だけでしょうか・・・(^^;; まいっか(^^;;;


逆サイド、乗務員室との仕切りです。あれ、こちらの仕切り扉には上下とも化粧板がついていますね(^^;;;
保安機器などの関係でしょうか、運転士側は手前に張り出しており、助手席側には座席が設けられています。

それにしてもここの作りにはちょっと閉口してしまいました。ちょっと無造作な作りというか、蓋代わりなのでしょうか、化粧板を切り貼りした部分が目立ってしまっています。フチの部分が黒くなっているせいもあると思うのですが、もうちょっとスマートに作れなかったのかなぁ…とついついボヤいてしまいます。


運転席の背後は座席は特に設けられておらず、実質立席スペースとなっています。座席を設けても1.5人分の確保が限度だったでしょう、ならばいっそ立席に、なんて発想です。車椅子印はありませんしちょっとドアにはみ出してしまうかもしれませんが、車椅子スペースとしての活用もできそうです。
なお、この部分のみ戸袋窓が設けられています。


乗務員室のカーテンには運転士直々?のメッセージも。ちょっと古びた、タイプライターのようなゴシック体に柔らかさを感じる文面が「かってながら」心地よさを感じさせます。 あ、ガラス越しに自分も登場です(^^;;; いやはやお恥ずかしい限りで、失礼致しました。


3050系の特徴はこの天井にあります。3000系とは違い、3050系ではフラットな天井が実現しました。
ただ、ラインフローではなく所々吹き出し口がある格好で、中央がツルンとしているのが特徴です。
吊革はゴムバンドの長さを変えてドア付近と座席上で輪の位置を変えています。また、枕木と平行方向に吊革が設置されていない分全体的にスッキリした環境を提供しています。


床にも特徴が。木目調とでも言うべきなのでしょうか、茶系の柄物を使っています。
このチョイス、個人的にはなかなか良いと思いますよ。落ち着いた空間に磨きがかかります。
ところでこの緑色バージョンを富士急で見た記憶があるのですが、結構この柄を採用している車両や施設ってあるのでしょうか?単なる偶然・・・かもしれませんが・・・

 
ドア周りの様子です。右の画像は先ほど登場した乗務員室の背後、戸袋窓がついている区画になります。戸袋窓が無い区画でも側窓からの帯がドアまで伸びており、ドア窓との一体感を編み出しています。
ドアそのものは無塗装のもので、窓ガラスのおさえもあまり目立たないものが使用されています。貫通扉や乗務員室との仕切り扉には化粧板を多用していましたが、こちらは化粧板が貼られていません。統一よりもバリエーションを生み出してわかりやすくしているのでしょうか、銀だらけのドアは出口へ行くんだよ、なんて(^^;;


座席です。ロングシートだらけの3050系、まずはドア〜ドア間の9人掛けからです。
直線的な構成が目につくデザインで、モケットも地はピンクながら赤い線がクロスで入っているものになります。ただ、こちらの直線的な構成はどことなく繊細で、ヒーターの大雑把な雰囲気とは全く異なるものではないでしょうか。
モケットに着席区分などは入っていません。


一部の区画ではドア脇のスペースに消火器が置いてあります。しかし、座席の方は影響なく9人掛け。消火器そのものも着席に影響するような場所に置いてないので、座っている分にはあまり「気になる存在」にはならないと思います。

ただ、囲いの関係で存在感が数十%ほど薄れてしまっているような気がしますが乗り降りの時にはバッチリ目に飛び込んでくるような位置にあると思いますよ。そういう意味では夢の一等地の居住者気分なのでしょう、消火器君(^^;;


話を元に戻します。乗務員室、助手席側背後の3人掛けです。モケットの柄も細かくチェックできると思います。
やはり3人掛けになるとそこそこ窮屈に見えてしまいます。このあたりは仕方が無いのかもしれませんが、着席跡を辿るとしっかり3人掛けとして活用されている事が多そうです。
座り心地は奥行きのある座面がウリかな?という感じで、座面の詰め物が効いているせいもあるのでしょうか、なかなか良かったです。


車端部の6人掛けの様子です。ここは逆に真ん中の4人分が曖昧な使われ方をしているようです。
確かに車端部の作りを見るとわからなくはないです。窓の桟も視界に入ってしまうと鬱陶しそうな気がしますし…。

ちなみに各車両の姫路より車端部の座席は優先座席に指定されています。取材した新開地寄り先頭車の姫路寄り車端部(ややこしい言い方っすね(^^;;)に位置するこの車両も優先座席に指定されているわけですが…

モケットは普通の座席と同一のもの、判別できるものは青緑が美しいステッカー3枚だけという内容。さすがにこれではアピール不足…ですよね(^^;;;
ただ、3000系列に視野を広げると取材した2005年10月の時点で、青いモケットを別途用意して優先座席と普通の座席を区別している車両も見かけました。この編成もやがて専用のモケットに切り替わると思いますが、3000系列では青いモケットの使用例が2パターンあり、画像のような6人掛けの座席において何人分かのみ張り替えるのか、それとも6人分全て張り替えるのか、どっちが食べられるか…もとい、どっちを採用するかが気になるところです。

 
おまけの2枚。ちょっとした所にもさりげなく自社グループ企業の宣伝を入れてます。個人的には左の画像のステッカーのデザイン性についつい惹かれてしまいそうですが、右の画像の「山陽百貨店」もなかなか捨て難いと思いますよ。
歴史的には画像右の山陽百貨店の方に軍配が上がります。何せ3000系が旧塗装で特急運用に就いていた頃の山陽百貨店のロゴがまさに画像右の山陽百貨店ですから、もしかしたら製造当初からこのプレートが使われていたのかもしれません。よ、歴史の生き証人!!
 
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