三陸鉄道  南リアス線36−R3形
 
  平成26年4月、あの震災から復旧を遂げた三陸鉄道南リアス線。その看板車両として1両投入されたのがレトロ車両の36-R3形です。
レトロ車としては異色の紫色ですが、ダブルルーフも再現しているのは他の北リアス線のレトロ車両と同じです。やはり見た目からインパクトが強いようで、観光客も我先に一般車両ではなくこちらを選んでいたのが印象的です。
現在は土休日に盛〜釜石を走っています。ワンマン運転にも対応できる設備が整っている一方、団体需要にも応えられる設備もあります。中でも「歌声列車」はテレビなどでも取り上げられ有名になったところですが、それもこの車両あってこそ。そして、クウェートの支援があってこそ。外装にはその支援への感謝を示すステッカーなども貼られています。
(取材・撮影 三陸鉄道南リアス線・釜石)

 

 

 


車内全景です。木目調を中心にまとめた車内は画像よりもやや暗めに視界に飛び込んできます。しかし、その暗めなシチュエーションがレトロな雰囲気を倍増させます。2ドアで全て4人1組のクロスシートで構成されています。団体運用などを考慮するとわかりやすい座席配置と言えるでしょう。
レトロ調として照明や座席周りもうまくレトロな雰囲気を作っていますが、天井のダブルルーフ風に仕立てた造作は一般車の仕様をうまく活用したスタイルになってます。


デッキとの仕切りです。始発駅では仕切り扉にストッパーをつけているため、開放状態での取材になりました。
この車両の最大の特徴がこのデッキとの仕切りではないでしょうか。カラオケ機器の設置や貸切時の通り抜けなど団体利用を考慮した仕切りという見方もできますが、あえて寒冷地ということで空間としての温度維持に大きく貢献している「おまけ」もあります。このドア、意外と開閉時の動作が静かなのでカラオケの妨げにはなりません(^^;

 
盛側にはトイレもついております。木目調で周りに配慮したスタイルはトイレのマークよりもスピーカーの方が存在感があります(^^;; この手のトイレの場合、特に国鉄・JRの車両ではデッキから出入りするケースが多かったのですが、種車の都合、車椅子の取り回しなどの関係で客席から直接出入りできるようになっています。

トイレの反対側には車椅子スペースがあります。…でも、テーブル置いたら…ねぇ…(^^;;;
ゴミ箱はデッキにあります。また、つくりつけの棚がデッキ近辺を中心に設置されていますが、今一つ設置目的が見えてきません。テレビを設置した関係で網棚が無い部分があり、その分の荷棚…として考えるにはちょっと奥行きが浅いし、お座敷では無いので靴箱でも無いですし… なお、窓の内側に握り棒を設置している関係でしょうか、カーテンはレールを用いて左右に分かれて収納できるようになっています。


ワンマン運転時の運賃表示機がデッキにあり、車内側から見えない関係でLED表示機が仕切り上部にあります。新車だから成せる業ですね。


天井周りです。トンネル内では電球色の灯りが周りを照らすため、この画像とはちょっと雰囲気が変わります。
窓際の壁掛けの照明があるため控えめな蛍光灯が中央についていますが、この控えめな装飾が一般利用、貸切どちらにも対応できる姿を端的に表しているようです。
あと、壁掛け照明の関係で天井に荷棚の影がくっきりできてしまっています。これは灯具を上に光を当てないタイプにしてより空間を暗めに見せるか、荷棚の形状に「遊び」を取り入れる、例えばパンチングメタルのように小さな穴を設けて車内の広がりを光で演出しても良いかなぁと思います。


床は木目調ですが、一般型と同じ素材を使用しています。
結構グリップが効くので車内移動のしやすさに一役買っています。


ドア周りです。こちらも在来型と同じ片開き扉を使っていますが、周りの雰囲気が全然違うので入った瞬間「特別な車両だ!」と思い込んでしまいます(^^;; また、ステップがなくなったため出入りしやすくなりました。

半自動ドアのボタンです。右側が車外のもので、私が写ってしまっています(^^;;;
JR東日本の車内ではあまり見かけないタイプのボタンユニットで、平成26年に製造された車両としてはやや古さを感じる仕様でもあります。


横引きカーテンが良い味出している窓周りです。固定窓なので思う存分景色を楽しめます。壁掛け照明のすぐそばには帽子掛けがありますが、照明に近すぎて実用的と言うよりも装飾としての効果の方が高そうです。


座席は全て4人1組のクロスシートで、テーブルが間に入ります。レトロ調のモケット、形状の座席で、荷棚には座席番号も振られています。フレームの色をこげ茶にし、背もたれにもアクセントを加えていますが基本的には同時期に製造された一般型と同じ座席・仕様です。
テーブルもしっかりしたものがついていますが、天板が折りたためず、脚も収納できないため、きっかり4人で座ると思ったよりも窮屈です。団体利用を念頭に置いて…というところが焦点だと思われるので、まさか一般型には…無いですよね…?

 
斜め構図から4人1組のものとトイレ前の物を撮影してみました。
バケット状になっており、モケットも柄は別格ですが生地自体は通常のモケットと同じなので一般型と同じように座ることができます。ということは窓際の配管の狭さややや切り立った背もたれも全く同じですが…(^^;;座面はパッと見ると厚みがありますが、実際に座るとあまり厚みは感じません。南リアス線の乗車時間や団体利用の車内での過ごし方を考えると妥当なところかと思います。
それにしても、肘掛けの灰色だけはなんとか木目柄などに変えて欲しかったです…。窓側に肘掛が無いのも一般型とは同じ座席…とはいえ、団体用だからこそ、座席周りにもっと余裕が欲しいところです。


テーブルです。この手のテーブルは滑るのでアルコール系のフタの無い飲み物は要注意です。
固定窓かつ横引きカーテンなので窓の桟に物を置くのはなかなか厳しいため、実は登場する機会が多いのではないでしょうか。景色を楽しむのであればここはツヤ無しでも良かったと思います。

 
さて、助手席側にはこのような「隠れ座席」もあります。車内販売やツアーガイドさんが着席するのを想定したのか、機器スペースがこうなってしまったのかはわかりません。ただ、言えることは「冬は暑そう…」「お尻痛くなりそう…」「キャラメルみたいで、美味しそう……」正直、このスペースは乗務員以外は立ち入り禁止にした方が良いと思うんですが…
 
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