三陸鉄道  36−700形
 
  2013年から投入された三陸鉄道の車両で、度々増備が繰り返され14両在籍しています。
初期に投入された車両はクウェートの支援を受けたとのことで、その謝意を示す表記が車体に記されています。また、その初期の中でも南リアス線向けの3両はクロスシートのテーブルが小さい仕様ですが、今回はテーブルが大きい仕様の車内を取り上げます。
他の第3セクターでも見られる表情は36-100形ほど個性的ではありません。ただ、面影がチラチラと感じられるし、こちらの方がキリッとしていて凛々しさを感じます。塗装も36-100形と同じ帯色ながら、ベースの白色がより白く(^^;; 明るくなった印象です。「笑顔をつなぐ、ずっと」というキャッチコピーが似合う塗装だと思います。
36-200形のような自動販売機やリクライニングシート車はまだ登場していませんが(^^;; 今後のバリエーションの展開にも期待です。
(取材・撮影 三陸鉄道リアス線・盛〜久慈)

 

 

 


車内全景からご覧いただきます。盛方にトイレ、車椅子スペース、ロングシート(^^;;を備えたクロスシートメインの車内になります。吊革の設置が少ない分座席から上の見通しが素敵な車内はちょっとした優等列車のような香りさえ漂います。淡い色の木目調に濃いめのピンクのモケットがなかなか素敵で、色々バタバタしていた時期に素敵な車両が登場して、出発する前からすっかり「5きげん」だった私がいます(^^;; 一方、早くも全景から感じる部分ですが…ひじ掛け周りのプラスチックの素材がちょっと浮いています。

 
盛方のトイレから乗務員室周りの様子とトイレ周りの仕切りです。大型の洋式トイレの導入は観光客にも嬉しいところですが、ドアに面してロングシートが設置されているのはちょっと出入りの視線が気になってしまいます…。1人掛けのクロスシートを設置する発想には至らなかったのがちょっと残念です。
ロングシートの区画ということもあり吊革が備わっているのは混雑する時間帯では重宝しそうです。ただ、36-100形や36-200形と比べて立席面積が狭めに見える36-700形。ワンマン運転時の行き来は乗った限り率なくこなしているように見えましたが、導入時はすんなり受け入れられたのでしょうか。


トイレとは反対側、久慈方の乗務員室との仕切りです。どちらも乗務員室は半室構造で、ほぼ同じ位置にドアを設けています。その乗務員室の隣には立席スペースが備わっていますが、車椅子スペースは盛方のみの設置です。排気管の関係でしょうか。
整理券発行機は真ん中に1か所、その奥には運賃箱が備わっています。運賃表示器は液晶ディスプレイになり左上に。このあたりの取り回しはさすが新潟トランシス、すっかり板についています。
戸袋部分に透明の仕切り板が見えますが、クロスシートが乗務員室を向いた形で座れるよう設置されており、そことデッキ部分を分けるための仕切り板になります。何も先見の明があったわけではなく、寒さ対策が主になります。混んでいなければこの席からの前面展望も悪くありません。

 
ステップレスのドア周りがチラッと見えてひゃっほう♪となっている方もおられるかと思いますが、盛方の車椅子スペースと久慈方の立席スペースです。後者は配管が目立ちます。
車椅子スペースは非常通報機や握り棒、そして固定器具が備わっています。握り棒の上にあるドア開閉装置などは乗務員向けのもので、顔を出すための窓も備わっています。
強いて言えば前面部分にも何らかの握り棒があると良かったと思います。前面展望にも一役買うと思いますし…良かったら如何ですかぁ?


36-100形などと比べてその広さを実感できる天井周りです。第3セクターのディーゼルカーで近年特に進化が著しい部分で、この系列も真ん中にラインフローファン、そして冷房の吹き出し口、必要最低限の蛍光灯へと配置が続きます。
ちょっと心配なのは広告枠が多くないところで、特に天井周りは皆無です。傍から見ていると急行型っぽい香りが漂う理由の一つにもなりますが(^^; 南リアス線の36-700形ではトイレの仕切り壁に広告をデカデカと貼っているケースを見たことがあり、なんか枠を設けた方が融通が利くのでは…と思った次第。


床です。木目柄のフローリングのような床で、新潟トランシスのディーゼルカーでは度々登場します。所謂フローリングのゴツゴツ感こそは伝わらないものの、このホンモノ感がひじ掛け周りのチープさをより加速させている気がします。あっちを工夫すればこっちが…で、全てを工夫するとメンテナンスが…なかなか大変です(^^;;

 
ドア周りと半自動ドアのボタンです。あ、ここに広告枠とゴミ箱がありますね(^^;; 無塗装の片開き扉は結構ゆっくり動きます。その下ステップレスの床には黄色いシートを貼っています。この手軽に乗れる感じが嬉しいです。
車椅子スペースに近いドアにはそれを示すステッカーが貼られている他、禁煙マークやワンマン運転のご案内などのステッカーが貼られています。これも車両によってまちまち…のようです(^^;;
半自動ドアのボタン、室内側はJR西日本などでよく見かけるタイプです。


窓周りです。スッキリした意匠でロールカーテンも備えています。窓枠自体は幅を狭めにしていますが、テーブルがついているのであまり困ることはないかと思います。その下、テーブルの設置方法がなかなか不思議な感じで、大きいテーブルの下にあたかも小さいテーブルを重ねているような格好です。テーブルの取り付け位置を比較すると小さいテーブルのみ備えている車両は大きいテーブルよりもテーブルの設置位置が若干低いように感じます。つまり…その気になれば…そういうこと?!


ここからは座席です。ロングシートは6人掛けでトイレの反対側のみの設置です。36-100形と比べてすごい短くなった印象ですが、36-100形と比べると中の詰め物をしっかりしたな〜という感じがひしひしと伝わります。背もたれには定員着席できるような縫い付けも施されています。
クロスシートの背面は全面モケット張りですが、意外や意外これが見られるのもこの区画だけです。

 
クロスシートは4人1組の区画が左右5組ずつ、そして乗務員室を向いた久慈方の2人掛けが左右1組ずつ展開しています。この区画は4人1組のクロスシートテーブルの大小関係なく同じようなテーブル、同じような仕切りになります。この区画は足元の配管が無く、テーブルもそこそこの大きさでそんなに邪魔に思うこともないかと思います。昔のB寝台の1区画だけ隣の寝台がなくてあれ?2人だけ?!みたいなちょっぴりお得な区画のような気分に浸れますが、まさかこの時代に同じような気分に浸れるとは思いませんでした。


そしてフレームのクリーム色がちょっと浮いている感じの4人1組のクロスシートです。こちらは配管がしっかり窓際をとおっていて、テーブルがちょっと鬱陶しく感じます。とはいえ、乗り降りにちょっと不便なだけで乗客層を考えるとこのテーブルは重宝すると思うだけに、ここも足元の確保との両立が悩ましいところです。窓側にひじ掛けを確保していれば幾分か違っていたと思うのですが、このクロスシートも既製品のようでアレンジができないかもしれません。
ということで、JR西日本キハ120形更新車や崎陽軒(^^;;;などに類似フレームを見ますし、今後増える可能性が高いです。

バケット形状ながら背もたれは結構切り立っていて、長距離乗車になると姿勢が良くなりそうです。
 
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